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017 かけ算の教え方への問題提起
数十年前からの論争のようですが恥ずかしながら私は最近知ったことで、小学校2年生?の算数のかけ算では、どちらの数字を先に書くかということで正誤が変わるらしいですね。
かけられる数とかける数が逆になるとその数式は“×”にされるようです。
問:5人のこどもに1人3個ずつみかんをあたえたい。みかんはいくつあればいいでしょうか?
3×5=15個…○
5×3=15個…×
???
この問題では“みかんの数”を聞いているため、みかんにこどもの数をかけないといけないようです。
(自分で書いていてもわけわからなくなるので逆になっていたらすみません笑)
しかも、4年生になると“5×3”でも採点は“○”になるようです。
???
学習指導要領に基づく指導のためこのようなことになるようですが、ある記事に文科省の方のコメントが載っていました。
「順序がどうというよりも、掛け算がどういうもので、それぞれの数が何を意味しているのかを理解することが大切です。そのうえで、学校現場でどう指導するかは各学校のやり方にもよるでしょうし、児童の状況や理解度を踏まえながらご指導いただく必要があると思っています。」
もちろんこの言葉が全てではなく、この答えをバツにされて怒る親の言い分、学校側の考え、数学者の考えなど、それらは全て間違っていることではないと思います。
かけ算は数が逆でも答えは一緒です。
“3×5=5×3”ですよね?
しかし、この採点では“3×5≠5×3”と言っていることになります。
これが引き算や割り算は順番を変えると答えが変わるので順番は大切ですが、かけ算でこの能力を求める必要があるのでしょうか?
これは国語で学べばいいんじゃないのかなぁなんて思います。
教育現場は子どもたちにとって大きな影響力を持つ場です。
私も法律や条例等に基づいて仕事をしているため、教育現場における学習指導要領の大切さはよく理解しています。
しかしこの場合は、問題の意味と式の作り方が違うということであれば、採点は“○”として、それを追記して教えてあげることでいいんじゃないでしょうか?
それが教育なのではないかと思います。
だって、かけ算の答えは正解なのですから。
(すでにやっている学校が多いことを祈ります。)
何よりも強く言いたいことは、こどもにとって“×”をつけられることの意味をもう少し深く考えてほしいです。
“○”をつけ、「これはこういう問題だから、3×5になるんだよ。」と教えるほうが、算数が好きになると思いませんか?
理解が進むと思いませんか?
私は野球の指導者としての立場もありますので、教育ということには深く関心があります。
選手(こども)にとって指導者は、指導者自身が考えるよりも大きな存在となり得ます。
だからこそ私は、説明して理解できないことは選手には教えません。常に学び続け、今までやってきたことだから正解という考えもしません。
例えば、
【昔】こどもの時に筋トレをすると背が伸びなくなる
→【今】適度な筋トレは身長を伸ばす刺激になる
【昔】水を飲むな
→【今】水分補給は必要
【昔】肩は冷やすな
→【今】運動後のアイシングは大切
【昔】アップに2人1組で静的ストレッチをする
→【今】アップ時の静的ストレッチは筋肉の緊張を緩めパフォーマンスの低下につながるため、動的ストレッチを行う
など、常に進歩しています。そして、これらの今の常識もまた変わる可能性はあります。
最後に話を戻しますが、こどもが算数を好きになるのか嫌いになるのか、勉強を好きになるか嫌いになるのかというのは、大人が考える“些細な”ことによって変わってしまうものだと思います。
法律は人の手によって作られる。
だから完璧ではない。
いや、作り手となる優秀な官僚の方々が、目まぐるしく変わる世の中でも法律が対応できるように、あえて“余白”を作っているのかもしれない。
その“余白”を使い手の私たちが人の温かさを持って使うことが必要だと感じます。
だからこそ、もっともっともっと深く考えてほしいものです。
以上、私見です。
自分のこどもが、この問題の採点が“×”の答案用紙を持ってこないことを祈ります笑
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