音楽マーケティングとは?
著書「バンドで飯を食っていく」でも度々お伝えしているマーケティング関しての記事を書きます。
そもそも「マーケティングとはなに?」という方のためにマーケティングの基本的な発想とおおまかな流れを書いていきます。
まずマーケティングとは「誰に何をどうやって売るか?」を考えていく一連の流れだと僕は思っています。
特に、この「誰に」という部分がものすごく大事だと思っています。
「え?売るんだったら何を売るかの方がよっぽど大事じゃない?」
って思いますよね?
でも実際には「なにを売るか」よりも「誰に売るか」の方が何百倍も大事です。
こんなエピソードがあります。キャッチコピー界隈では有名な話です。
あるところに一人の男がいました。その男はとある経営者が集まる場所でこう言います。
「あなたたちと私で、どちらがチキンをたくさん売れるか勝負してみたいんだが、どうだろう?私は絶対に負けない自信がある。」
周りはプロの経営者。緊張感が漂うその空気を切り裂くように、その群衆の前で男は続けます。
「一つ、あなたたちが望むものを何でも差し上げよう。立地かな?それともものすごく美味しい味付けのレシピかな?」
経営者たちは考え、そして各々こう叫ぶのです。
「立地さえ良ければ必ず売れる。」
「いや、味だ!美味しければ人は集まる。」
そんな議論が飛び交う中、男は笑みを浮かべながらこう言いました。
「いいだろう。あなたたちが望むものはすべて用意しよう。ただし、すべてのものを用意したとしても私には勝てないと思うがね。」
経営者たちは戸惑い、男に対して疑惑を抱き始めました。中には詐欺呼ばわりする者も出てきました。
「OK!わかった。あなたたちが私に勝てない理由を説明しよう。私のほしいものはたった一つだけ。これだけあれば、どんな立地やレシピを用意したとしても、私に勝つことはできない。」
男が言った。
「私のほしいたった一つのものは…」
「腹を空かせた群衆だよ。」
このエピソードを聞いて、あなたはどう思っただろうか?
どの経営者も「自分たちが」「店が」「製品が」という視点にばかり気を取られ、肝心の顧客を見ていなかったことがわかる。
活字にすると当たり前の話ではあるものの、現実的にプロダクト志向、つまり「製品さえ良ければ必ず売れる」という発想は後を立たない。
かく言う僕もプロダクト志向によく陥る。動画や記事を頑張って作って、最高の出来だと思って公開する。だけど、結果は散々だったりする。
この価値が分からないなんて…と自分の提供している価値が世間のニーズからズレていることを棚に上げて、他でもないお客様を批判しようとしている自分に気づく。
そこでハッと気づく。違う。いまインターネットを見ている人たちがほしい情報はこれじゃないんだ。
そう思えたら次に僕がやるべきことは次の2つしかない。
①自分が提供しているものに価値を感じてくれる人を探すこと②如何にしてその人たちに自分の情報をタイムリーに届けていくか。
ただ、それだけだ。
SEOもリスティング広告もすべては手段でしかない。目的はもっともっと根本的な部分にあるはずだ。