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現場の消防士も知らない予防業務のあれこれ Vol.2 消防同意編
消防の予防業務の一つに消防同意があります。聴き慣れない言葉ですが、予防業務においてとても重要な仕事の一つです。今回はこの消防同意について書いていきます。
消防同意とは
建物を建てる際、土地があればそこになんでも建てて良い訳ではありません。事前に建物を建てようとする人は建築確認申請という建築基準法に基づく申請を、建築主事(市町村)または民間の確認検査機関に提出し審査を受けなければなりません。
この確認申請の手続きの中に消防長等の同意(これが消防同意)を求めなければならないと規定されています。
※全ての建築物において建築確認申請が必要なわけではありません。ある規定を満たす場合は不要な場合があります。
なぜ必要?
確認申請の中の消防法に関わる部分の審査を消防が行うことになります。
この同意がなければ確認申請の手続きは終了しません。
すなわち、消防用設備等をちゃんとつけますよ、と確認が取れなければ建物は建てられないことになります。
逆に間違った審査をし、消防用設備等は不要としてしまった場合は、それで審査は通ってしまいます。後から設置が必要ですと伝えても予算や工事の施工状況によって対応できなくなってしまうこともあるので、間違いの許されない重要な仕事です。安全な建物を建てる上でなくてはならないのです。
消防はこの審査を7日以内(建物によっては3日以内(消防法第7条第2項参照))に行います。
具体的に何するの?
主な審査内容としては、消防法上のどの建物用途に当てはまるのか(消防法施行令別表第1)、収容人員は何人か、無窓階か否か、などを確認し建物に必要な消防用設備等を判定します(用途や収容人員、無窓階判定などについての詳しい説明は今後upします)。
用途判定や無窓階判定を誤ると、大幅に消防用設備設備等の変更が必要になる可能性があるので、注意が必要です。
審査の結果問題がなければそのまま同意し、建築主事または民間の確認検査機関に同意した旨の書類を送付して、完了です。
必要となる設備の図面がついていなかったりした場合は、建築主に問合せ、書類提出等を求めます。
先ほど、消防同意の審査期間は7日以内と記載しましたが、不備などがあった場合は書類が提出されるまでの間は審査不可となるため、審査期間から除外して考えます。
書類等が提出され問題が解決したら、同意=>書類送付で、完了です。
以上が消防同意の一連の流れになります。
消防士はこの消防同意で用途判定等を学び、設備について理解を深めていきます。