短編読み切り小説 ゲームクリエイター
まさひこは、売れないゲームクリエイターだ。
そのくせに入院で知り合った恵子と言う彼女がいる。
ゲーム作りが進まない。ブログに逃げている。
そんなブログを彼女は探し当て、会うのをやめて、応援に切り替えた。
まさひこは、理由が分からなかった。
このご時世に、携帯もLINEも、この二人はしない。
会うのは、偶然的に図書館。互いに本がスキなのだ。
まさひこは、本業をさぼり、ブログにゲームネタを書いていた。
コメントは滅多につかないのに、見るとコメントがあった。
「まささん、お疲れです。ゲーム関連のネタ、面白いです^^ご自身でもゲームを創っているとか。やりたいですね。有料でも^^」
まさひこは驚いた。こんなファンがいるのか?世の中捨てたもんじゃないな。
久しぶりにゲーム関連のフォルダーを開く。キャラクターをドット絵で作成中だった。
ゲーム自体が、ボスキャラ抜きの超簡単バージョンだからなあ。売れないかもしれない。初心者に意識しすぎた。
でも、ファンがいる。1本でいい。売れないかな。
生活は親の援助で何とかなっているけど、「援助は後、5年しかできないよ」と父は言ってたな。
恵子が急に来なくなったのも気になる。何か計算があるんだよなあ、あいつ。
そうだ、開発資料を図書館に借りに行くか。
なんか期待しながら、自転車で図書館へ。自転車置き場を見ると彼女の自転車が置いてあった。
なんか話をしようか。間が開いたなあ。全然かまわない彼氏。
図書館に入る。彼女より資料だ。いつも行く棚に行く。
自衛隊の自衛隊機の写真集だ。後、家田健の本。
なんとなく、急にトイレに行きたくなった。行く。
トイレに行くと、手を振る女がいる。
「恵子っ!!!」
「まさひとさんっ!!!」
「ごめん。会うことができなくなって」
「わたしこそ、会うのをやめて」
二人して自販機の前に行く。
いつもどおり、まさひこが奢る。
「微糖だな^^」
「わかってるね^^」
「俺はブラック~♪」
「もう、半年会って無いな、何してたの?」
「私も起業家だから、手作りの服の販売を・・・」
「そうか、売れた?」
「まだ。妹は買ってくれたけどね^^」
「それも実績になるな」
「俺は前作が10本。110円で」
「実績にはなるけど、まだまだね」
「お互いまだまだだよな^^」
「たまに遊ばないか?」
「ダメっ!!!」
「ちゃんと実績を上げてから、いいこといしようよ」
「中途半端は良くないよ」
「お父さんの援助で生きているし、いっぱしにならないと」
「恵子はさすがだな」
「おかげで、なんか吹っ切れた。帰るよ^^」
「じゃあ、頑張って^^」
Hはダメかあ。
俺って弱いな。
恵子のいう通りだ。
家に入る。パソコンをいじる。
ブログの感想がコメントできている。
「キャラデザいいですね。かっこいい^^」
それだけだったが、なんか気持ちが元気になった。
来年起業しよう。恵子は起業して奮戦。負けるわけにいかない。
いいライバルでもあるなあ。
まさひこは、本棚のC#の本を手に取った。
「もっと勉強して、売れるようになるんだ」
(終わり)
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