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三島由紀夫「金閣寺」
金閣寺を燃やす結末は知っていたが、初めて三島文学を読んだ。
三島由紀夫は三島事件でなんとなく知った。
次に細江英公さんの薔薇刑、
そして東大全共闘の映画を見た。
作品自体は読んだことがなく金閣寺が初めてで
実物の金閣寺は幼い頃に見たが記憶はない。
読み始めて感じたのは文体が美しい、そして仏教用語が多かったが意外と読みやすかった。
父の教育によって信じていた金閣の美に対して実際に見て、変わる認識
また認識によって変わる金閣の美。
溝口、金閣
柏木、鶴川
有為子、他の女性
認識、行動
時間の短さ、長さ
生、死
この辺りの関係から美とはなにかを表現しているのでないか
これらを対比せずに世界を捉えているのが老師と和尚だと感じた。
中庸というか、輪廻というか。
最後に、行為の勇気づけは、今まで頼っていた老師ではなく突如和尚という展開がなんとも言えぬ。
和尚の言葉で、溝口が行動を起こすきっかけが、同時に新たな苦悩をもたらしていた。
最後溝口が死ななかったのもそうだが、
なにか全体的に耐えてる感が感じられた。
隠している感じ、葛藤か。
そして自分の中の美が一旦完成して、ある種神を殺した溝口がそれでも生きていく最後がすごく良かった。
金閣寺を燃やした後に美に対する認識がまた変わって生きることにしたのではないだろうか。
認識だけが、世界を不変のまま、
そのままの状態で変貌させるんだ。
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面白かったものを以下に