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【読書感想文】《光っていません》〜 現実とファンタジーの境目で〜

図書館で予約して、やっと順番が。

短編小説集。

何かの書評欄で見かけて、図書館に予約を入れた。
(何の書評欄だったのか覚えていない。)

邦題は二番目のタイトルからの《光っていません》
原題は巻頭の《幽霊の心で》

☆☆☆☆☆

全編、現実世界の話なのか、それともファンタジーの世界の話なのか、境い目がよくわからない。

この【あいまいな世界観】は見始めたばかりのドラマ《照明店の客人たち》や、以前に観た《保健教師アン・ウニョン》を思い出させる。

登場人物たちは誰もが漠然とした不安と閉塞感に包まれ、どこへ行こうとしているのか何をしたいのかが、いつしか見えなくなっている。

そんな彼ら彼女らが、幽霊やクラゲ、その他などと暮らしをともにする様は、文章の雰囲気はふんわりしているのだが、韓国らしい濃い人間関係とやはり無縁ではない。

そんな、絶望感と紙一重の危うい所でサバイバルを続ける若い人の内面は、ある意味現実的ではいられないのだろうか。

☆☆☆☆☆

何もかもが未来にはもっと良くなる、と単純に思いこんでた私の世代より、今の若い人は複雑で聡明で周りを客観的に見ているのかもしれない。

その分、強かに柔軟に生きる姿に、希望を見るのは私だけだろうか?

ぜひ!

☆☆☆☆☆

ではまた。

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