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IBD患者の今宵の食卓

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IBD患者歴四十余年の私の今の毎日の食卓を紹介します。脂質の少ない上品な美食を同じ病気の方やその家族、また単に美味しいものが好きな方に向けて月3回を目標に更新します。IBD患者の…
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記事一覧

IBD患者の今宵の食卓 第四十四卓

たこ飯は蛸の下処理さえできていれば作るのはとても簡単です。以前もたこ飯の献立は紹介したことがあるのですが、今回は一から手順を追って紹介していきたいと思います。 写真のような素材で作りましたが、野菜は牛蒡と人参が必須で干し椎茸と特に芹は好みで入れている感じです。具材の分量比は人参だけが写真の半分、あとは写真の全量使いました。 もち米とうるち米の比は1:1で合わせて1.5合(270ml)、これでだいたい軽く4人前の分量になります。 薄口醤油を米1合半に対して醤油大さじ2とい

IBD患者の今宵の食卓 第四十三卓

正月の洋風おせちとして毎年ミートローフを作っているのですが、素材にマグロと蓮根のすりおろしを加えてみたところこれがとても美味しかったので再度作ってみました。 今回は「マグロのミートローフ」です。ハンバーグとミートローフは同じような素材を使うのでできた結果も同じような味になるのですが、元々ハンバーグは焼く料理で、ミートローフは焼くというより蒸す料理のようです。 蓮根すりおろしを加えることで蒸し料理らしさが強調されミートローフでしか出せない味に仕上がりました。 素材はマグロの

IBD患者の今宵の食卓 第四十二卓

今まで「献立」という視点で記事を書いてきましたが、今年からは一品ずつ自分で作って食べている料理を紹介していきたいと思います。 まずその第一回目は手作り「ワンタン」です。 実際このレシピはかつて馴染みの居酒屋の厨房を借りて私が作りその店の常連客に振舞って好評を得たことのある自信作でもあります。 ワンタンを作るには大きく「生地作り」「スープ作り」「餡作り」の三つの作業が必要でそれなりに時間のかかる仕事になります。 作る材料は以下のとおりです 作り方(大盛二人前) ①まず生

IBD患者の今宵の食卓 第四十一卓

ω-6系の脂肪を避けていると肉料理を食べる機会も少なくなるのですが、それでも赤身を使ったローストビーフは年に何度かは手作りします。 以前同じ食卓を囲む家族が多かった頃は安いオージービーフで作ることがほとんどでしたが、この日はちょっと贅沢に宮崎産の国産牛で作りました。 お品書き 11月29日(夕) ・ローストビーフ ・野菜サラダ ・ぶなしめじオリーブ油炒め ・ホウボウの刺身 ・酢もずく ・春菊と牡蠣の吸い物 ・高菜の漬物 ・白飯(富山産コシヒカリ新米) オージービーフも今は

IBD患者の今宵の食卓 第四十卓

NTV系列で放映されている「ファーストペンギン」というドラマを毎週楽しみに視ています。 漁業の6次産業化に挑んだ一人の若い女性の実話をモデルにしたドラマなのですが、そんな中消費者の立場からも頭の切り替えが必要なのだなと思うことがありました。 お品書き 11月16日(夕) ・鯛茶漬け ・刺身蒟蒻 ・油揚げと三つ葉の煮物 ・蕪の漬物(自家製) 鯛茶漬けはシンプルに山葵と醤油だけでもなかなか美味しいものなのですが、私は薬味をいろいろ混ぜるのが好きです。 この日は、刻み九条ネギ、

IBD患者の今宵の食卓 第三十九卓

新潟阿賀野市の瓢湖という所にこの秋渡ってきた白鳥を見に行ってきたのですが、帰りに道の駅で買った地元産の里芋で今年初めて芋煮を作ってみました。 お品書き 10月30日(夕) ・芋煮 ・鱈のバター焼き ・大根の間引き菜と油揚げの煮物 ・くらげの黒酢和え ・酢もずく ・白菜の漬物(漬物の素で自家製) ・わかめと玉子の味噌汁 ・白飯(滋賀県産コシヒカリ) 芋煮には牛肉を使う山形タイプと豚肉を使う仙台タイプがあるようですが、私は牛肉のほうが好みです。 里芋、牛肉、糸こんにゃく、ぶな

IBD患者の今宵の食卓 第三十八卓

炊き込みご飯が一段と美味しいのも季節で言えば秋のように思います。この日は夏から冷凍していた明石蛸を使ってたこ飯を作ってみました。 お品書き 10月12日(夕) ・たこ飯 ・鰤のなます ・焼き海苔 ・たくわん、野沢菜の漬物 ・松茸の吸い物 普通料理にする鮮魚類は冷凍ものより活けのもののほうが食味良いとされていますが、たこ飯に使うたこだけは冷凍物の方が柔らかく味が出るとも言われています。 材料レシピはうるち米(普通の米)3/4合、もち米3/4合(1合=180ml)、薄口醬油大

IBD患者の今宵の食卓 第三十七卓

ついこの前まで冷房をいれていたのも束の間今度は暖房のお世話になっています。寒暖の差が激しい中ですが、日々美味しいものを食べて元気なままで紅葉狩りそしてスキーシーズンを迎えていきたいと思います。 お品書き 10月10日(昼) ・ニラともずくの雑炊 ・比内鶏ささ身の塩焼き ・焼き油揚げ ・昆布の佃煮 このメニューをとりあげるのが、この文章を書き始めてから約1年後になってしまいましたが、「IBD患者の~」というタイトルで書くならまずはご紹介したいような一品です。 素材は至ってシ

IBD患者の今宵の食卓 第三十六卓

三日ほど前から自宅の地域周りで金木犀の香りが漂うようになりました。食卓もだんだんと秋めいてきた献立になってきています。 お品書き 9月28日(夕) ・湯豆腐 ・するめ烏賊のタラコ和え ・アミの佃煮 ・焼き海苔 ・自家製漬物 ・しじみの味噌汁 ・白飯(『あいちのかおり』) 結婚してまだ間もないこどももいないか長女だけだったかの頃、福島の中通りの田舎町にある家内の実家に晩秋に泊まることになったのですが、『夕飯のことはあまり気を使わないでください、私は湯豆腐と二級酒(←当時の日

IBD患者の今宵の食卓 第三十五卓

日は徐々に短くなっているもののいつまでも暑さは続き羽織っている装いもほとんど真夏と同じです。ただ、市場にはそれなりに秋らしい食材が増えてきました。 お品書き 9月17日(夕) ・秋刀魚塩焼き ・こんにゃくの味噌田楽 ・冷奴 ・つぶ貝湯通し ・白菜の漬物 ・五種きのこの味噌汁 ・栗ご飯 大根おろしには自分の家庭菜園で採れた廿日大根を使っています。自然の赤味が模様のように入り彩りが鮮やかになります。 味噌はネギ味噌です。 味噌2きび砂糖2水1味醂1を煮立て刻みネギを加えて煮

IBD患者の今宵の食卓 第三十四卓

8月22日は私の誕生日なのですが、普段とあまり変わりない食卓でした。―ていうか、普段の食事からして元々はハレの日のご馳走であるとかパーティー料理のメニューをヒントにした(私の体質に合うようにアレンジした)ものを食べているので、むしろ何の変哲もない食卓の方が私の誕生日にはふさわしいのかもしれません。 お品書き 8月22日(夕) ・かんぱちの塩焼き ミニトマト添え ・麻婆茄子(越後なんばん味噌を使って) ・焼き油揚げ(納豆オクラなめ茸和えのせ) ・酢もずく ・自家製漬物(キャ

IBD患者の今宵の食卓 第三十三卓

ちらし寿司を食べたくなって作ってみました。 ちらし寿司は年中美味しいものですが、夏祭りとか花火とか蚊取り線香とか麦茶とか団扇などとなぜか絵柄がマッチするような気がします。 お品書き 8月7日(夕) ・ちらし寿司 ・酢もずく ・生ミニトマト ・玉子豆腐 ・しじみ味噌汁 今回使った海産物は目板鰈、鯵、鱚の夏魚三種です。 目板鰈はそのまま生身を使いましたが、鯵は立塩酢洗い、鱚は一夜干しを炙ってほぐし身にしています。 以前も書いたことがありますが、立塩酢洗いという技法は本当に

IBD患者の今宵の食卓 第三十二卓

先日種子島を旅行し、JAXAの社員食堂でオムライスを食べてきました。島なのでさぞかし海の幸も豊富かと思っていましたが、概ね揚物炒め物カレーが中心の定食メニューでした。 JAXAのある所から最寄りの飲食店といっても最も近い所でも10Kmほど離れていますし、麺類もなかったのでもし自分がJAXAでしばらく働くとするとまずは食生活の面でかなりハードル高そうな気がしました。(毎日オムライスかも?) お品書き 7月28日(ブランチ) ・冷やし素麺  (麺つゆ:つぶ貝の煮汁)  (薬味

IBD患者の今宵の食卓 第三十一卓

自分の家庭菜園でもやっとアイコ(ミニトマト)が採れるようになりました。私のやっているところの周りのお宅はまるで庭園を手入れするようにきれいにされているところが多く、一面雑草だらけの私のところはいつも肩身の狭い思いをしているのですが、トマトだけは雨除け用のハウスと地面へのマルチを最初にしっかりやっていて、その後は枝芽の摘心をやるだけで毎年一定量の収穫はできています。 お品書き 7月11日(夕) ・マコガレイの刺身 ・冷奴 ・生ミニトマト(アイコ) ・小海老とイカゲソのイタリア