天地創造〜光あれ,と神は言った〜ユングの発達理論①
お子様と絵本は読まれますか?古典的な昔話は楽しんでおられますか?
こんにちは!臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士/臨床発達心理士のまりぃです。
まだ若輩心理職で、【公認心理師試験・臨床心理士試験対策/心理学部生専用オンライン個別指導塾】や,【公認心理師・他専門職のための心理査定/カウンセリングはじめの一歩講座】,SNS発信/起業のお手伝い(伊藤まり名義)もやっています。
思いが高ぶって働き方・生き方の本まで書きました。読んでください。
今回は,普段幼稚園や保育園と個人契約をしているカウンセラーとして,ユングの発達理論のお話を書いてみます。
ユングの発達理論とは
アーキタイプという言葉は聞いたことがおありでしょうか?
漢字では「元型」と書きます。
簡単にいうと,心の中にある世界共通のイメージのことです。
昔話って,国や地域が違っていても同じようなものが世界中にありますよね?
「八岐大蛇を退治したスサノオ」は,西洋風にいうと「ドラゴンを退治する王子」ですし,「悪い魔女」とか「意地悪な継母」なんていうのも世界共通のモティーフです。
ユング心理学では,意識,無意識の下に共通の意識,人類の無意識が繋がっている部分がある,みたいな考え方をします。
ちょっとスピリチュアルっぽくなってしまうので,ここでは深くは取り扱いませんが,「人類共通の無意識がある」という言い方に抵抗がある方は,「人間がみんななんとなくイメージするものが似ている」そのイメージだと思ってください。
天地創造の話,洪水の話,英雄の話,継母の話などなど,昔話がどこか似ているのは,人の心に中にあるイメージが共通しているから,というようなことをユングは考えました。もっというと,ジブリとか,ディズニーとかが受けるのって,この世界共通のイメージに触れるからではないでしょうか。
この人類共通のイメージを元に, Jung派の分析家Neumann,Eは,西洋近代人の自我形成の過程を,元型的なイメージ表現を通じて示すことができるのではないかと考えました。
つまり,いわゆる外的な行動の観察によって設定された「発達段階」とは異なる。心の世界の発達を,世界共通に見られる神話のイメージで説明できると考えたわけです。
今日からしばらく,この説を元に,子どもの発達段階についてお話ししてみようと思います。
天地創造
さて,人間の最初期の世界は神話で言うと,「天地創造」の時期です。
生まれてすぐ,幼い頃は意識と無意識が混沌として,分離されていません。
赤ちゃんは微睡,ちょっと起きて授乳され,また微睡,その状態はまるで,天地創造神話の始めのカオスの状態である,と考えることができます。
この時期は,フロイト派で言う「自己愛的な状態」ですし,他の言い方をすれば「自分と他者の区別がついていない」段階とも言えます。
日本神話や聖書など,「世界の始まり」について描いた物語は,どれも最初の世界をカオスとして描きます。イザナミイザナギが,「ぽとぽとぽと」と何かを垂らしたら日本列島になったとか,カオスな世界に神が「光あれ」というと光が存在するようになったとか描かれていますね。
このように,お母さんと自分が別の存在だと分からない時期の赤ちゃんは,自分が「ミルクが欲しい」と思ったからミルクが出てきたと思っています。
この思考を「万能感」とか「魔術的思考」と呼んだりもします。まるで魔法のように自分が願ったから叶うんであって,誰かが助けてくれていることに気づいていないわけです。
(D.W.Winnicott 「遊ぶことと現実」 岩崎学術出版社 をご参照ください)
では,「ミルクあれ」でミルクが出ていた時代から,どのように「お母さん」がいて「お父さん」がいて,自分がいて,と分かってくるのでしょうか?
第二回は
です!お楽しみに!
この記事で書いた,「ユングにみる発達段階」も含んだ動画講座はこちら
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