こんなテレビアニメを見た〜2024年(令和6)第3四半期〜夏篇
梗概
筆者が2020年から執筆・編集してきた「テレビアニメ視聴記録」のルール見直し及び再構築した、一年を3か月ごとに区切って「全話視聴したテレビアニメ」を記録として残すことを意図して執筆されたテキストである。
【注意】
筆者の備忘録的性格を持つテキストのため、物語に関わる展開や結末について言及する、いわゆる「ネタばれ」が含まれていることをあらかじめ断っておく。
また、物語に関する記述も主に筆者の主観に照らし合わせて執筆されるため、必ずしも正確に描写されていない場合もあることを併記するものである。
【あわせてお読みください】
「わんだふるぷりきゅあ!」(2024年〜)ほか「プリキュア」シリーズは、独立記事として公開するものとした。参照:「プリキュア友の会(夏)」
未視聴タイトル(50音順)
以下は「1話も視聴していない」タイトルである。主に「〜2期」や「〜第2シーズン」など「1期で視聴を打ち切ったタイトル」の続編(スピンオフ等含む)がこれに該当する。(筆者の好き嫌いも多少ある)
放送(配信)時期の備忘録としてここに掲載した。
「推しの子」(第2期)
「カードファイト!ヴァンガード Divine2」(season2)
「神の塔 - Tower of GOD - 王子の帰還」
「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦seasonⅡ」(2期)
「SHY」(第2期)
「戦国妖狐」(第2クール)
「NieR : AUTOMATA ver.1.1a」(第2期)
「貼りまわれ!こいぬ」
「女神のカフェテラス2期」
「FAIRY TAIL 100年クエスト」
「物語シリーズ オフ&モンスターシーズン」(Abema配信)
視聴を打ち切ったタイトル(50音順)
以下のタイトルは、いくつかの理由により全話視聴に至らなかった。( )内は試聴した話数。
「ATRI - My Dear Moments -」(1話)公式Webサイト
「異世界失格」(1話)公式webサイト
「異世界スーサイド・スクワッド」(1話)公式webサイト
「異世界ゆるり紀行〜子育てしながら冒険者します〜」(1話)公式webサイト
「エグミレガシー」(1話)公式webサイト
「エルフさんは痩せられない(TV放送version)」(1話)公式Webサイト
「俺は全てを[パリィ]する〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい」(1話)公式Webサイト
「かつて魔法少女と悪は敵対していた」(1話)公式webサイト
「監禁区域レベルX」(2話)公式Webサイト
「擬似ハーレム」(1話)公式webサイト
「義妹生活」(2話)公式Webサイト
「キン肉マン完璧超人始祖編」(3話)公式Webサイト
「現代誤訳/超電導会議〜documentary of 現代誤訳〜」(1話)公式Webサイト
「恋は双子で割り切れない」(2話)公式Webサイト
「この世界は不完全すぎる」(1話)公式Webサイト
「しかのこのこのここしたんたん」(1話)公式webサイト
「下の階には澪がいる」(1話)公式Webサイト
「新米オッサン冒険者、最強パーティに死ぬほど鍛えられて無敵になる。」(1話)公式Webサイト
「多数欠」(1話)公式Webサイト
「黄昏アウトフォーカス」(1話)公式webサイト
「ダンジョンの中のひと」(1話)公式Webサイト
「杖と剣のウィストリア」(1話)公式Webサイト
「時々ボソっとロシア語でデレる隣のアーリャさん」(1話)公式Webサイト
「TRUMPシリーズTVアニメ“デリコズ・ナーサリー”」(1話)公式Webサイト
「直江くんは痩せさせたい(「エルフさんは痩せられない」内ミニアニメ)」(1話)
「なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか?」(1話)公式Webサイト
「2.5次元の誘惑」(1話)公式Webサイト
「NINJA KAMUI」(1話)公式Webサイト
「ばいばい、アース」(3話)公式Webサイト
「ハズレ枠の[状態異常]スキルで最強になった俺が全てを蹂躙するまで」(1話)公式Webサイト
「Vtuberなんだが配信切り忘れたら伝説になってた」(2話)公式webサイト
「僕の妻は感情がない」(1話)公式Webサイト
「魔王軍最強の魔術師は人間だった」(1話)公式Webサイト
「負けヒロインが多すぎる!」(2話)公式Webサイト
「魔導具師ダリヤはうつむかない」(1話)公式Webサイト
「未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書」(1話)公式Webサイト
「モブから始まる探索英雄譚」(1話)公式Webサイト
「よあそびぐらしっ!(オンエア版)」(1話)公式Webサイト
「0歳児スタートダッシュ物語」(1話)公式Webサイト
視聴完了タイトル(ネタばれ注意)
「逃げ上手の若君」
「dアニメストア」で視聴。同名マンガ原作のアニメ化作品。
「鎌倉時代末期から室町時代の日本を舞台に、国を追われた少年の波乱に満ちた半生を虚実を交えて描く」歴史ファンタジーアニメ。
全12話(未完)公式webサイト
【あらすじ】
時に西暦1333年。武士による日本統治の礎を築いた「鎌倉幕府」は、幕臣「足利高氏」(あしかが・たかうじ)の謀反によりあっけなく滅亡する。
鎌倉幕府の次期執権と目された8歳の少年「北条時行」(ほうじょう・ときゆき)は、親族郎党が次々と捕縛・処刑される中、包囲網をくぐり抜け信濃国諏訪領へとおち延びる。
未来を見通す能力を持つという(だがその信憑性はかなり怪しいとも言われている)諏訪大社の当主「諏訪頼重」(すわ・よりしげ)から「二年後に天を揺るがす英雄になる」と告げられた時行は、天性ともいうべき脅威的な「逃げ」の才能を駆使して幕府再興という志を立てる。(1〜2話)
「人に惹かれる正しい人間でなければならない」と今はまだ何者でもない時行は、自分と共に立ってくれる郎党を求める。
諏訪大社の巫女「雫」(しずく)や諏訪神党に連なる一族出身の剣士「弧次郎」(こじろう)、人並外れた怪力の少女「亜也子」(あやこ)ら自分と変わらぬ年端の少年少女と共に“逃げ上手な若様の党”「逃若党」(ちょうじゃくとう)を結成した時行は、ひょんなことから諏訪大社を訪れた新しい信濃守護「小笠原貞宗」(おがさわら・さだむね)に命がけの犬追物を挑む羽目に。(3〜5話)
尋常ならざる視力と観察眼を持つ弓の名手・貞宗を、これを凌ぐ逃げと弓の技で退けることには成功した時行だったが、貞宗は帝の綸旨を楯に領地没収を宣言する。
諏訪領存続の危機を受けて、帝の綸旨を盗みだすことにした時行は、信濃・桔梗ヶ原の盗人「風間玄蕃」(かざま・げんば)を雇って小笠原の館へと向かう。
貞宗の配下「市河助房」(いちかわ・すけふさ)の尋常ならざる聴力に苦しみながら得意の詐術でこれを出し抜く玄蕃と共に綸旨を盗みだすことに成功した時行は、彼を郎党に迎え入れる。
一方、京都では、高氏あらため尊氏の台頭に危機感を覚えた帝が、彼の討伐を命じるが時すでに遅く。人智を超えるバケモノじみたカリスマ・尊氏の勢いは止まるところを知らず、時代は混沌の様相を呈していく。(6話)
1334年。諏訪では初めての新年を迎えた時行は、小笠原の不穏な動きを察知した頼重の命を受け逃若党の仲間と共に諏訪領・北の国境付近へと向かう。
自身の才能を活かせる主君を求める青年「吹雪」(ふぶき)から小笠原がこの地を狙う理由を聞かされた時行は、村に残った子供や逃若党の仲間と共にこれを阻止せんとする。
貞宗に仕え「悪党」と恐れられた武士「瘴奸」(しょうかん)率いる「征蟻党」の襲撃を迎え撃つ時行と子供たち。
奪うことを生きがいとし、親を殺して子供を売ることに悦びを見出す正真正銘の外道である瘴奸を、吹雪より伝授された剣技「鬼心仏刀」で退けた時行は、軍略と剣技に長けた健啖家の吹雪を郎党に迎える。(7〜9話)
一時的に未来を見通す能力が弱くなっていることを頼重から打ち明けられた時行は、彼の神力を取り戻すために様々な方法を試すことに。しかしどれも効果がないばかりか、自身が要らぬ誤解を被ることになった時行が雫のところに逃れると、そこではこの世のものとは思えぬ光景が広がっていた。
神と人とが共存できる“奇跡”が確かに存在する世界。しかしそんな時代は長く続かないことを時行は知る。(10話)
四月。麦刈りの季節に信濃国に新たに赴任した国司「清原信濃守」(きよはらしなののかみ)は、過剰な重税で領民を苦しめる。国司の横暴に、北信濃の諏訪神党の一員「保科弥三郎」(ほしな・やさぶろう)がついに反旗を翻すが、朝廷と対立できない事情を抱える諏訪は救援を出せずにいた。
保科党の反乱を収めるために北信濃の川中島に向かった時行と逃若党は、弥三郎の説得を試みるが「戦って死ぬ覚悟」に凝り固まった武士たちの信念を覆すのは容易ではない。
諏訪神党の一員「四宮左衛門太郎」(しのみや・さえもんたろう)と共に説得を重ねた結果、時行は保科党撤退を同意させることに成功するが、悪辣な国司軍がこの機を逃すはずもなく。追いすがる信濃守から時行たちは命懸けの撤退戦に身を投じることになった。
鎌倉奪還を志す時行たちの戦いはまだ始まったばかりだ。
がんばれ時行、負けるな時行。
第2シーズンにつづく
【備忘録】
テレビシリーズ第2期制作が決定している。放送時期その他は現時点では未定。(参照)
【評】
「えっココで終わり?!」と呆気に取られるのはこの作品だけではないが、本作はすでに「続き」が制作されることが決定しているのでまずは一安心である。
オープニングアニメに出ているキャラクターが本編に登場しないまま終わるとは流石に思っていないが、放送終了後に告知が出ないのは精神的に良くないのでそこは改善を要求したい。
正統派のビルドゥングスロマンとして期待に応える作品と評価しているので早く“続き”を見せてほしいの一言である。
視聴完了
「小市民シリーズ」
「dアニメストア」で視聴。同名小説原作のアニメ化作品。
「現代日本を舞台に、学生探偵たちの“慎ましやかな”小市民生活を描く」学園系ミステリアニメ。
全10話(未完)公式Webサイト
「春期限定いちごタルト事件」編あらすじ
清く慎ましい“小市民”を目指すと志を立てた船戸高校の一年生「小鳩常悟朗」(こばと・じょうごろう)と「小山内ゆき」(おさない・ゆき)は、決意とは裏腹に盗まれた小山内の自転車の探索ほか様々な謎やトラブルに、類まれなる推理力や行動力で結局は首をつっこんでしまう。
謎や矛盾と聞くと黙っていられない性分の二人は、自転車泥棒(小山内さん的にはいちごタルトの仇)の知らなくてもいい真実に辿り着いた挙句、自身には害の及ばないところでの(シャレにならない)復讐で溜飲を下げる。
小鳩がいうところの「知恵働き」とは一体なんのことだろうか?(1〜4話)
「巴里マカロンの謎」編(番外編)あらすじ
新聞部に回答済みのアンケート用紙を届けた小鳩は、新聞部員で友人の「堂島健吾」(どうじま・けんご)から、消えたカラシ入り揚げパンの謎を解くよう依頼される。
「知恵働きはもうしない」と公言してはばからない小鳩だったが、目の前に謎がぶら下がっているとなれば黙っていられるはずもなく……。(5話)
「夏期限定トロピカルパフェ事件」編あらすじ
小山内から夏休みの予定を聞かれ「特に予定はない」と答えた小鳩は、残りの日々を街のスイーツ店巡り〈小山内スイーツセレクション・夏〉に付き合わされることに。(断れないのか?)
しかし、偶然ハンバーガーショップで出くわした堂島から不穏な噂のある高校生グループの話を聞かされた小鳩は、小山内の誘拐騒動に巻き込まれることになってしまい……。
誘拐事件の余波も冷めやらぬ夏休みのある一日。
〈小山内スイーツセレクション・夏〉の末尾を飾る夏期限定トロピカルパフェを食べに来た二人は、事件の真相について語り明かす。
外見や名前とは裏腹に、やられたら何倍にもしてやり返す小山内の本性と行動力にあらためて戦慄を禁じ得ない小鳩。だが小山内も、そんな彼もまた自分の推理を嬉々として語っていると指摘するのだった。
高校生らしからぬこの二人に、小市民らしい安らぎなど訪れるときがくるのだろうか?(6〜10話)
第2シリーズにつづく
【備忘録】
テレビアニメシリーズ第2期「2025年(令和7)第2四半期(春)放送予定」
原作小説「秋季限定栗きんとん事件」と完結編「冬季限定ボンボンショコラ事件」をアニメ化。参照
【評】
同じ作者による「古典部シリーズ」(参照)とは似ても似つかぬ“不穏”な雰囲気をどう評価するかで好みが分かれそうな作品である。
具体的にはヒロイン格の彼女(小山内さん)のキャラクターとなるだろうか。
突然、キャラクターの心象風景を挿入することで視聴者を戸惑わせる演出や、全編シネマスコープサイズの画面など作り手の仕掛けがどのように作用するかは「完結編」と称する第2シーズンを待つしかないが、現時点ではそれだけの価値がある作品だと言うことはできると思う。
視聴完了
「真夜中ぱんチ」
「dアニメストア」で視聴。アニメーション発オリジナル作品。
「現代日本を舞台に、人気動画配信者を目指す女性と美少女吸血鬼たちが巻き起こす日常の騒動を描く」お仕事系日常ファンタジーギャグアニメ。
全12話。公式webサイト
【あらすじ】
生配信中のメンバーへの暴力沙汰でグループを追放されたNewTuber(動画配信者)「まさ吉」こと「真咲」(まさき)は、自分を追い出した他のメンバーを見返してやろうとソロチャンネルを立ち上げるが、動画再生数やチャンネル登録者数は思うように伸びない。
ジリ貧となりつつある現状を鑑み、新メンバーの募集をかけた真咲の元にやって来たのは「20年ぶりに目覚めたヴァンパイア」と称するちょっと(?)変わった少女「りぶ」だった。
スマホで見た動画の真咲を“運命の人”と感じて押しかけてきたというりぶに「(吸血鬼だったら)血を吸わせてあげる」という交換条件を提示して出演を依頼する真咲。空飛んだりするとかコレまじモンでしょ?
かくして崖っぷち動画配信者と吸血鬼美少女の無謀すぎる「チャンネル登録者数100万人」獲得計画がここに始動した。(1話)
翌朝___自分のしでかしに早くも頭を抱える真咲。しかし背に腹はかえられないと腹を括った動画配信者は、りぶたちが住む「晩杯荘」を訪れる。
そこで出会ったヴァンパイア仲間の「苺子」(いちこ)や「譜風」(ふう)らと共に制作した動画は吸血鬼たちの強烈なインパクトや物珍しさもあって瞬く間に十万再生を稼ぎだす。
出だしは上々。これで天下が取れると安心する真咲たちの前にヴァンパイアの監視役と称する「ゆき」こと「しげゆき」が現れる。
ヴァンパイアの能力を人前で明かしてはならないという一族の掟を破ったことへの警告に平伏一辺倒のりぶたち。人間である真咲が反論しようにも、吸血鬼にとってヴァンパイア界の長「マザー」の言葉は絶対なのだった。
結局「動画を作ることは禁じられていないから……」という(屁)理屈で、真咲はりぶたちとこっそり活動を再開する。
「真夜中ぱんチ」略して「マヨぱん」として仕切り直しでチャンネルしたものの、三週間経っても再生数も登録者数は伸びないまま、真咲の苛立ちばかりが募っていく。
企画を探していた真咲は、晩杯荘の居候「十景」(とかげ)の汚部屋に目をつけ「みんなで大掃除」動画を制作するが、やはり再生数は伸びてくれない。
意を決した真咲は晩杯荘に居を移して、ヴァンパイアと寝食を共にしながら動画制作に没頭する。(2〜3話)
譜風のプロはだしの歌唱力に注目した真咲は「(ヴァンパイアが)歌ってみた動画」を企画する。しかし譜風は「資格がない」と首を縦に振ろうとしない。
彼女には“50年前”に人間のヤンキー少女「綾」(あや)から一緒に歌手にならないかと誘われていた過去があった。譜風は自分がヴァンパイアであると言うことができず、オーディション直前に逃げ出してしまい、それ以来綾とは会っていないという。
真咲の調査で、綾が「AYA」として歌手活動を続けていることを知った譜風は、彼女がいるというニューヨークまで行くがそこで悲しい事実を知ってしまう。(4話)
無謀すぎる「吸血鬼たちだけの無人島サバイバル動画」(5話)がそれなりの再生数を稼いだことで活動にそれなりに道筋が見え始めた矢先、晩杯荘の一部が崩壊する事件が発生。りぶたち「マヨぱん」メンバーはマザーから呼び出しを喰らう。
世間の注目を集めすぎたという咎で晩杯荘の取り壊しが決定するが、苺子だけがこれに反発。元々は人間だった苺子にとって、晩杯荘はたどり着いた「家」であり、それは絶対に守られなければならない場所だったからだ。
無理を承知でマザーに直談判する(人間の)真咲たちに提示されたある条件とは……(5〜6話)
「半年後にチャンネル登録者数100万人」を達成しないと晩杯荘が取り壊しになる。猶予期間からすれば現実的にはほぼ不可能と思われる目標を達成するため、がむしゃらに企画作りに奔走する真咲たち。
再生数とチャンネル登録者数が連動するような「動線」を作るために一日2本のペースで動画公開に踏み切るが、思うように数字は伸びてくれない。憔悴しきる真咲に代わってりぶが動画編集に手を出すも結果はむしろ逆効果、八方塞がりになってしまう。
「(100万人達成できなかったら)解散します」動画を公開した手前、何もかも背負い込み焦る真咲に「みんなでマヨぱんだよ」と自分達が作成した動画を見せるりぶたち。
「みんなで(真咲は除く)お風呂に入ろう」動画でなんとか10万人登録を達成したマヨぱんに、レジェンドNewTuber「TSUMA」(つま)が主催する大型動画配信イベント「TSUMA FES 極」への出演依頼が舞い込む。
人気ニューチューバーたちとのコラボで知名度を上げる千載一遇のチャンスにいつも以上に張り切るマヨぱんメンバー。当初の目的は達成できるかと思われたが、りぶたちに次々とトラブルが降りかかり、イベント自体が崩壊の危機に直面する。(7〜8話)
嵐のようなイベントをなんとか乗り越え、登録者数40万人まで漕ぎつけたマヨぱんだったが、真咲が実家の母を見舞うために急遽実家に帰ることになり、りぶたちは真咲からビデオ日記用の「休日の様子」動画の撮影を命じられる。
しかし送られてきた動画が箸にも棒にもかからないことに真咲は頭を抱える。そんな彼女の実家に突然りぶたちが押しかけて、真咲の妹「さくら」を巻き込んだ動画撮影が始まってしまう。
期限まであと1ヶ月と10日で登録者数70万人を突破したマヨぱんの監視をしているゆき(しげゆき)には「ゲーム実況者」というもう一つの顔があった。
りぶたちに感化されたか動画配信者の深みにどっぷり浸かっていたゆきは、たまたま見たマヨぱんの「新メンバー加入」動画に自分が新メンバーだと勘違いして晩杯荘を訪れる。しかしそれは真咲を新メンバーにしたい苺子が勝手に公開したものだった。
自分が表立って出演できない事情がある真咲はこれを固辞するが、かつてのグループ仲間(「乙美」と「橘花」)と偶然再会した勢いで撮影した動画が思わぬ形でトラブルを招いてしまう。(9〜10話)
“あの”「まさ吉」が「真夜中ぱんチ」に関わっていると橘花と乙美の動画で暴露されたことをきっかけに、ネット界隈では拡散・炎上状態となってしまった。
登録者数残り30万人獲得のために立てた「100時間耐久生配信」企画も延期せざるを得ないと結論づける真咲に対し、あくまで強行するべきと主張するりぶ。
気持ちの整理がつかない真咲は逃避する形でりぶたちと距離を置くが、「りぶが失踪した」というマヨぱんの動画に慌てて晩杯荘に戻ってみると、そこはすでにも抜けの空だった。
マザーによって期限を1ヶ月早められたために、今日一日でチャンネル登録者を30万人集めることになってしまったマヨぱんメンバーは、失踪したりぶを欠いたまま「ヴァンパイアの追っ手からの逃走」を“鬼ごっこしてみた”動画として生配信を敢行する。
自分たちが吸血鬼だと公表して臨む決死の企画だったがメンバーは次々と捕まってしまい、遂にはスイッチャーの真咲までが動画に駆り出されるまで追い詰められる。
なぜこんな状況に?理不尽な状況の最中、追っ手の一人から「なぜ動画に出るのか」と問われた真咲は、つい本音を漏らしてしまう。
「出たいからに決まってる!」そこに失踪中のりぶが突然現れて、急転直下の大逆転劇が展開する。(11〜12話)
実はこれまでの騒動は、真咲を動画出演させるためのお芝居でした!企画自体が仕込みありきのヤラセであったことを聞き、安堵する真咲。
しかし、マザーの決めた期限はきっちりと守らねばならない真咲たちマヨぱんの活動はこれからも続いていくのである。(未完?)
【評】
今期のアニメオリジナル企画で、動画配信者を主人公としたギャグアニメというコンセプトがはっきりしている所は良かったが、結末を描かないストーリー展開には疑問符をつけざるを得ない。続編ありきにしてもある程度想像できる結末を先延ばしにする意味が全くわからない。
キャラクターも魅力的に描かれているし、“動画配信の仕事”という側面に焦点を当てた「お仕事もの」の物語も悪くないのに結末がすべてをダメにしてしまう。尺が足りないというより詰め込みすぎて収拾がつかなくなった脚本(シリーズ構成)に問題があるように思われる。
期待も大きかっただけに残念な印象が本当にもったいない作品である。
視聴完了
「菜なれ花なれ」
「dアニメストア」で視聴。アニメーション発オリジナル作品。
「現代日本の群馬県を舞台に、チアリーディングで知り合った女子高生たちの応援活動を描く」学園系青春スポーツアニメ。
全12話。(完結)公式webサイト
【あらすじ】
群馬県高崎市の鷹ノ咲高校チアリーディング部に所属する1年生「美空かなた」(みそら・かなた)は、大会中の事故で大怪我を負い、リハビリに専念するため一切の部活動を禁止されていた。
“飛べなくなった”かなたは、ある日の登校中に屋根や壁を自由自在に踏破するパルクール少女「小父内涼葉」(おぶない・すずは)と遭遇する。
SNSで話題になっている涼葉に動画に出てもらいたいという学外の女の子に、些細なきっかけから協力することになったかなたは、彼女を追っているうちに我知らず「抱え込み1回宙返り1回ひねり開脚1回伸身1回ひねり」が(再び)出来るようになっていた!
さっそくチア部の部長「伊沢野苺」(いざわ・のいちご)に報告に行くかなた。しかし野苺からは、全国大会に向けて全力を傾けている部のためにならない(し、本当に治ったという確証が得られない)という理由で部への復帰は時期尚早と告げられてしまう。
動画作りで知り合った「杏那アヴェイロ」(あんな・あゔぇいろ)やその親友「大谷穏花」(おおたに・のどか)、涼葉と同じ学校のお嬢様「谷崎詩音」(たにざき・しおん)のほか、かなたの中学時代の元チームメイト「海音寺恵深」(かいおんじ・めぐみ)らと共に動画の企画作りを進めていく中で、違う学校の生徒でチアリーディングのチームを結成することになったかなたたちだったが、あともう一人どうしてもメンバーが欲しい。(1〜2話)
入学した時から詩音のことが気になっていた涼葉は、彼女とお近づきになる目的でかなたらのチアチームへの参加を決める。しかし無愛想な上に口下手な彼女は詩音に誤解されているのではないかと気が気ではない。
一方、身体が不自由な恵深を除く5人でチアのポジション決めをすることになったかなたの表情は、今ひとつ冴えない。
スポーツの動作に支障をきたす神経疾患「イップス」の治療中であることを打ち明けるかなたに、できることから始めようと励ますメンバーたち。
「自分で自分を応援する」チア動画を通して、初めてチアに触れた日々を思い出したかなたは、少しずつ障壁を超えていく。(3話)
チア動画の再生数が伸びたことに気を良くした杏那は、次の企画でアレンジする曲を探しに行ったバイト先のレコード店「スタウトレコード」が商店街祭りの日を最後に閉店することを知る。
落ち込む杏那のために何かできないかと知恵を絞るかなたたち。私たちにできるのはもちろん応援しかない!
スタウトレコード閉店予定日に開催される高崎中央銀座カーニバルに向けてチアの練習に励むかなたたち。一方、杏那もスタウトレコード存続のため八方手を尽くすものの、思うようにいかず焦りばかりが募る。捨て鉢になりかける杏那の前に「やれることは全部やろう」と穏花が現れる。(4〜5話)
夏休みに入り「PoMPoMs」として本格的にチーム活動を開始したかなたたちは、動画チャンネルに入る様々な応援依頼を順調にこなしていく。
たまたま商店街の福引きで温泉旅行を引き当てたチーム・ポンポンズは、投宿先の旅館で偶然にも(?)合宿に来ていた鷹ノ咲高校チア部と鉢合わせとなる。
かなたが応援活動を続けていることに対する部員の反応はさまざまで、中には反発を覚えるものもいた。
そんなある日、PoMPoMsの元に他校の野球部の応援依頼が届き、球場に向かったかなたたちは相手が母校である鷹ノ咲高校と知る。当然、応援にはチア部が動員されており、図らずして試合そっちのけの応援合戦へと発展してしまう。(6〜7話)
母校との白熱の応援合戦の様子がニュースとして放送されたことをきっかけに、PoMPoMsには応援依頼が殺到する。100件近い全ての依頼に応えようと張り切るが、物理的な限界は早々に訪れメンバーは目に見えて疲弊していく。
活動を少し制限していこうと皆で決めたにも関わらず、かなたは独断で一人応援を続けていたが、動画に「部活では飛べないのに動画では飛べるんだ」という否定的なコメントがついたことで、かなたはもちろん他のメンバーたちにも衝撃が疾る。
誰にも相談せずに活動していたことでメンバーとの間に溝ができてしまったかなたは、一旦チームと距離を置く。
一方、恵海もまた、ネガティブコメントを投稿したアカウントに少しだけ共感する、と穏花や詩音に心情を吐露する。私だって応援がしたい……秘められた恵海の焦りや妬みが明らかになった矢先、雨のなかジャンプの練習?をしていたかなたが怪我をして病院へ搬送されたとの連絡が入る。(8〜9話)
恵海渾身のチアの甲斐あって、PoMPoMsはあらためて活動を再開する。新規の動画配信は取りやめとし、残りの応援依頼に専念するメンバーたち。
夏休みが終わり、医者から活動許可を得たかなたは「飛べなくても自分にできることがしたい」と、先輩の「櫛田雅」(くしだ・みやび)にダンスを教わりながら改めてチア部への復帰を願い出る。
部のサポート役として復帰を認められたかなたは、先輩の「愛江田毱」(あいえだ・まり)が退部したことを知る。高校からチアを始めて地道な努力を重ねてAチームまで上り詰めた、後輩の面倒見もいい彼女に何があったのか。
図書室で勉強する毱の元を訪れたかなたは、彼女が例のネガティブコメントを書き込んだ本人であることを知る。
毱もまたイップスで身体が思うように動かせなくなったことを誰にも明かせず苦しんでいた。そんな矢先、PoMPoMsの評判を聞き軽い気持ちで書き込んでみたものの、思いがけず炎上騒ぎに発展したことに彼女は責任を感じたのだという。(表向きは部の規則〜SNSを使ったこと〜を破ったことにされた)
恵海の仲介でPoMPoMsの6人目(7人?)のメンバーとなった毱は、かなたが再び飛べるよう献身的にチームに尽くす。
再び飛べるようになったかなたを見届けた毱は、学校にも来なくなってしまう。(10〜11話)
毱が学校に来なくなって一週間が経ち、全国大会を前にエースを欠いた鷹之咲高校チア部には動揺が拡がっていた。
実家へ戻ったという毱を追って、野苺部長らと共に嬬恋(村)までやって来たかなたに、チア部のエースは初めて本音を語る。しかしそれは同時に自分の病気についての真実を語ることでもあった。
チーム復帰は絶望的となった毱のために私たちができること。それはもちろん……「応援」だ!
チームPoMPoMsとしては“最後の”応援がいま始まろうとしている。(12話)
【評】
今期オリジナル作品のうち2作品が同じ制作会社(P.A Works)によるものである点を踏まえた上で、やりたい事がはっきりしない(動画制作なのかチアリーディングなのか)方となってしまうのが残念な一作である。
キャラクターの個々の事情が分かりにくいというのも、群像劇となる本作には致命的ではなかったか。(パルクール少女の変遷とか特に)
(敢えて名は伏すが)先行作との類似は指摘しないが、せめてオリジナリティは明示してほしかったというのが偽らざる感想である。
視聴完了
「グレンダイザーU」
「dアニメストア」で視聴。日本のテレビアニメ・マンガ「UFOロボグレンダイザー」(1975〜1977年)を原作としたオリジナル作品。
「近未来の地球を舞台に、外惑星連合軍の侵略の脅威から異郷の星を守る亡国の王子の戦いを描く」SFロボットアニメ。
全13話(未完?) 公式Webサイト
【あらすじ】
中東地区リヤドの砂漠地帯に不時着した未確認飛行物体に搭乗していた青年は記憶を失っていた。
光子力研究所副所長「右門源蔵」(うもん・げんぞう)の息子「右門大介」(うもん・だいすけ)として、兜財団の代表者「兜甲児」(かぶと・こうじ)監視のもと密かに保護されていたその青年は、3ヶ月後、甲児が操縦するスーパーロボット「マジンガーZ」を見て突如、過去の記憶を取り戻す。
故郷であるフリード星を破壊し尽くした恐怖のスーパーロボット「グレンダイザー」を太陽に投棄るために強奪した、惑星大罪人にして亡国の王子「デューク・フリード」が大介の正体だったのだ。
デュークを追って地球に飛来する未確認飛行現象「ベガ星連合軍」の円盤獣。だがその目的は地球侵略を意図する以外の何ものでもなかった。
兜甲児とマジンガーZが迎え撃つも、科学力で圧倒するベガ星の円盤獣の前になす術なく敗北してしまう。絶望が地上を支配しかけたその時___デューク・フリードの掛け声に応じてグレンダイザーが復活し、ベガ星連合軍の前に降臨する。(1話)
グレンダイザーでマジンガーZの窮地を救いベガ星連合軍を打ち負かしたものの、過去の記憶のフラッシュバックにより前後不覚となったデュークは、機体ごと何処かへと姿をくらませる。
たどり着いた絶海の孤島「逢神島」で、後を追ってきた甲児に故郷の星「フリード星」で起きた悲劇について語るデューク・フリード。
暴走するグレンダイザーを制御できず、結果として両親や婚約者をはじめ多くの人々を次々と手にかけた自分に恐れを抱くデュークに対し、次に暴走することがあったら過たず殺してやると甲児は請け負う。
そこにデューク抹殺とグレンダイザー奪還の勅命を受けた、ベガ星連合軍に寝返ったフリード星の戦士「カサド・ゼオラ・ホワイター」が現れる。
時同じくしてグレンダイザー殲滅のために全兵力を投入するベガ星連合軍の猛攻を防ぐ活躍を見せたデューク・フリードとグレンダイザーは、一躍地球の守護者として祭り上げられる。
一方、グレンダイザーとの戦いに敗れ光子力研究所に監禁収容されたカサドは、ベガ星連合軍の最高指導者「ベガ大王」の「グレンダイザー奪還」指令を実行する機会を伺っていた。
そんなある日、デュークに助けられた彼の幼なじみ「ナイーダ・バロン」が光子力研究所に保護される。再会を喜ぶ二人だったがナイーダの真の目的は、グレンダイザーに殺された弟「シリウス・バロン」の仇を取ることにあった。しかしそれは洗脳によって植えつけられた偽の記憶。
彼を亡き者にせんと迫るナイーダの刃を敢えて受け止めるデュークに、彼を愛していたという記憶を取り戻したナイーダは、自責の念から特攻して果てる今際の際にある真実を告げる。(2〜4話)
「ルビーナ様は生きています」というナイーダの言葉に衝撃を受けるデューク・フリード。幼なじみを失った傷心を癒す間もなく、今度はデュークの妹でフリード星第一王女「グレース・マリア・フリード」が円盤獣を強奪して地球に亡命してくる。
地球を科学力の劣った未開の惑星と決めつけるマリアに黙っていられない甲児は、逢神島から来た巫女「牧場ヒカル」(まきば・ひかる)や光子力研究所所属で甲児のパートナー「弓さやか」(ゆみ・さやか)らを巻き込んで様々な勝負を挑む。
そこに現れたベガ星連合軍の円盤獣に一致団結する地球人たちの姿を見たマリアは少しだけ考えを改める。
その頃、ベガ星連合軍の戦術主席参謀「ルビーナ・ベリル・ナイト」と彼女の双子の姉にしてスターカー騎士団所属の戦士「テロンナ・アクア・ベガ」が地球にやって来る。
“白銀のテロンナ”の二つ名で、正々堂々を是とする「スターカー」の戦士テロンナは、さっそくデューク・フリードに決闘を申し込む。
テロンナ操る巨大ロボット「アクアダイザー」の挑戦を迎え撃つグレンダイザー。
惑星大罪人の汚名がカサドに着せられた濡れ衣だというデュークの抗弁を俄かに信じることはできないが、直接交えた剣から彼の人柄が昔と変わっていないことを感じたテロンナは一旦引き下がる。(5〜6話)
ベガ星連合軍との戦いに向けた地球側の調査研究が急ピッチで進められていた。
逢神島の地下深くに眠る超古代遺跡から発掘された三つの石碑はグレンダイザーに関係していることが判明し、地球とフリード星には何らかの過去の因縁があると推測されるが詳しいことははまだ分からない。
逢神島の巫女・ヒカルもまた遺跡に眠る三つのサポートメカの搭乗資格者を探していて、マリアやさやかの他に、密かに光子力研究所から連れ出していたカサドにも声をかけていた。
新たに出現したベガ獣に苦戦するグレンダイザーをサポートするため、超古代遺跡のマシン兵器「マリンスペイザー」で出撃したカサドは、正体を隠したままデュークと共闘する。
残るサポートマシン「ダブルスペイザー」「ドリルスペイザー」に加えて、フリード星の技術を取り入れた新型マジンガーZがロールアウトし、ベガ星連合軍との戦いへの備えが着々と進む中、歯止めのかからない地球側の戦力増強に弓教授は懸念を示す。
一方、円盤獣からのメッセージを受けて単身、浅草へ向かったデュークは同じく単独行動をとっていたルビーナと再会する。
フリード星での真相を語り苦悩するデュークに一定の理解を示し寄り添うルビーナは、かつての婚約者だった彼が、姉のいう通り何も変わっていないことを確信する。
個人的な誤解を解いた二人だったが、両陣営にとってそれが新たな火種になることは想像に難くない。(7〜8話)
敵方との密通行動を問題視した弓教授により監禁処分を受けるフリード星人デューク・フリード。だがそれは同時にグレンダイザーの活動凍結を意味していた。
新型マジンガー完成を急ぐ光子力研究所。そこにベガ星連合軍の超長距離ビームが発射され、同軍による近接戦闘部隊の総攻撃が開始される。
戦場と化す光子力研究所に監禁されていた大介は、父・源蔵に助けを借りてグレンダイザーで出撃。
彼の前に現れたテロンナとの一騎討ちとなったデュークは、逢神島に墜落する。
陥落寸前となった光子力研究所では未完の新型スーパーロボット「マジンガーX」が起動し最後の抵抗が試みられる。
その頃、逢神島ではデュークがテロンナを手助けするためにグレンダイザーを離れた隙に、隠れ潜んでいたカサドが機体を乗っ取ろうとしていた。
デュークへの嫉妬心や劣等感から、狂気に陥るカサドに同調するように暴走の兆しを見せるグレンダイザー。フリード星の悲劇の再来を阻止せんと、デュークとテロンナは一時的に共闘する。(9〜10話)
マジンガーXの獅子奮迅の活躍によりかろうじて陥落は免れたものの、光子力研究所は甚大な被害を出していた。
月面基地への殴り込みをかけるため、密かに準備を始める甲児たち。
一方、円盤獣やベガ獣では成果が出ないと判断したベガ星連合軍は、月からの超ベガ曲射砲の超長距離攻撃に戦略を切り替える。
手始めにベルリンを消滅させたベガ星連合軍は、他の主要都市への攻撃を示唆しつつ、グレンダイザーとデューク・フリードの身柄引渡しを要求する。
地球を人質にとるというベガ星との決定的な破滅を防ぐため、「ベガ王家とフリード王家の結びつき」を以って戦いを終わらせようと画策するルビーナ。
だがルビーナの書状は、テロンナによって書き換えられてしまい、契約の地に赴いたデュークは、ルビーナに変装したテロンナと婚姻の契りを結んでしまう。
ことの進展を知らされたルビーナは姉を糾弾するが、同時に彼女がデュークを愛していたことも知っていたために心のどこかでは理解を示していた。
愛憎渦巻く月面に降り立つグレンダイザーと三つのサポートメカが合体した「コズモスペシャル」+マジンガーX。
いよいよ最終決戦と思われたその矢先、ベガ星側の銃弾によりルビーナが倒れてしまう。(11〜12話)
姉を庇って凶弾に倒れたルビーナはデュークの腕の中で息絶える。
怒りに我を忘れるデュークに呼応するようにグレンダイザーが暴走を始める。その時がきたらデュークを殺すと約束した甲児に決断の時が迫るが……。
マジンガーX対グレンダイザー!その戦いの結末は?
そしてデューク・フリードの運命は……?(つづく?)
【評】
往年の名作アニメを現代の解釈と技術でリメイクする企画の難しいところは「変えるべきと変えてはならない要素」の取捨選択にあると思われる。
往年のスーパーロボットものでも「マジンガーZ」(1972年)や「ゲッターロボ」(1974年)ほど知名度の高くない(しかし人気がなかったわけではない___特に海外でのカルト的人気が本作制作の原動力になっている___)本作はリメイクよりもリブートするのが適当という制作の判断は正しいと思う一方、方向性が定まらなかった感の否めない残念な部分も少なくない。
一人の男(王子様!)を愛してしまった双子の姉妹の悲劇を描くのに1クール(13話)は明らかに尺不足であり、そこに(視聴者の大半が期待するであろう)ロボットの活躍が無理矢理入れられたことで、どちらつかずの中途半端な幕切れを迎えてしまった。
まだ明かされていない謎を数多く残しながら、続きを想定したようには見えない結末を迎えたことが一層悔やまれる、残念な作品である。
オリジナルのグレンダイザーにそれほど思い入れがないという筆者の立場を差し引いても、それなりの及第点が出せる魅力的なアニメであり、決して悪い作品ではないと記しておきたい。
テレビシリーズが無理でも劇場版で完結編を作るくらいはしてほしい。
視聴完了
「ラーメン赤猫」
「dアニメストア」で視聴。同名マンガ原作のアニメ化作品。
「現代日本を舞台に、“猫”(類)たちだけで運営されているラーメン屋に就職した人間の女性の日常のあれこれを描く」お仕事系日常ギャグアニメ。(ホロリもあるよ!)
全12話(完結) 公式webサイト
【あらすじ】
猫だけで営業されているラーメン店「ラーメン赤猫」(らーめん・あかねこ)にようこそ!
忙しない現実を一時忘れて、“犬派”であることを正直に申告して採用となった人間のアルバイト店員「社珠子」(やしろ・たまこ)と、個性豊かな猫(類)たちの日常をのぞいて行きませんか?
本作は「新しく雇われたパート従業員が正社員として迎えられる」までを描く、穏やかな物語である。(1〜12話)
屋台時代からの暖簾を引き継ぎ、先代の味を守り続ける職人気質の店長「文蔵」(ぶんぞう)
ラーメン赤猫のCEO(最高経営責任者)として接客から経営まで全てを取り仕切るオールラウンダープレイヤーで、かなりの資産家「佐々木プリン」(ささき・ぷりん)
接客担当でホールのアイドル、ちょっとだけあざといのが玉に瑕(だけど仕事には真摯)な「ハナ」
気は優しくて力持ち。いざという時は(主に見た目で)頼りになる製麺担当のトラ「クリシュナ」
人間並みの強靭な内臓を持ち、常に飄々としたチームのムードメイカーだが重度のゲーマーなのが玉に瑕の「サブ」
広告代理店の孫請けブラック企業で心身ともにボロボロになった過去を持つ、店で唯一の人間「社珠子」
【評】
同じ場所を舞台に人間や猫たちの悲喜交々の日常を描く「グランドホテル形式」の作劇が効果的に機能した快作である。日本のアニメでこの形式の物語は(管見の及ぶ限り)珍しいため印象に残った。
「猫が営業しているラーメン店」という一見突飛と思わせる設定も、実は緻密に作ってある(この世界では猫にも「人格」が認められている云々)ため、安心して見ることができる良作なのである。
美味しそうなラーメンに可愛らしい猫という不快な要素0パーセントな30分は「深夜アニメ」として必要十分にしてむしろお釣りがくるくらいではないだろうか。配信視聴者には分からない感覚である。
不作揃いの今季アニメでほぼ唯一の良作である。
視聴完了
「先輩はおとこのこ」
「dアニメストア」で視聴。同名マンガ原作のアニメ化作品。
「現代日本を舞台に、特殊性癖の男子中学生と彼に好意を抱く二人の男女の恋愛模様を描く」学園日常系ラブコメアニメ。
全12話 公式webサイト
【あらすじ】
「まこと先輩……好きです!」
一年の後輩女子「蒼井咲」(あおい・さき)から告白を受けた、花も恥じらうセーラー服の高校2年生「花岡まこと」(はなおか・まこと)にはある“秘密”があった。
まことは“女の子が好むような”可愛いものが大好きな「女装男子」だったのである。(後に、服装を自由に選べる校風の学校にまことの父親が編入手続きをしたことが判明する)
しかし……憧れの女子の先輩に告白したはずの咲は「男の子も女の子もいけるんです!」と、何故かまことに食い下がる。以来、何となくつるむことになる二人。
そんな咲にまことの幼なじみで同級生の「大我竜二」(たいが・りゅうじ)が迫る。彼女の本気を確認したいという竜二もまた、まことに幼なじみ以上の感情を隠していた。
かように内外に特殊な事情を抱えるまことも、学校の外では年相応の男子学生の格好をしていた。彼の母親は「男の子」なのに女の子のように振る舞う息子に神経を尖らせるような人だったからである。
そんなある日、竜二の遣いでまことのノートを届けに花岡家を訪れた咲を、まことの母が“息子の恋人”だと勘違いしてしまう。
母親に本当のことを明かせぬまま、夏休みを楽しんでいたまことたちの話題は休み明けの創立記念パーティーのことに移る。咲たちに付き添われキラキラのドレスを買って期待に胸を膨らませていたまことは、母親に「女の子もののハンカチ」を見つけられ、思わぬ窮地に立たされる。(1〜2話)
「ハンカチは蒼井(咲)さんのもの」と咄嗟に嘘をついてしまったまことは、母親への後ろめたさから、学校でも男子の制服姿で過ごすようになる。
「(男の子として)僕と付き合ってくれないかな」と告白するまことだったが、咲には本当のことを言って欲しいと拒まれてしまう。
学校のロッカーにしまい込んだ私物を処分してパーティーに出席したまことは、やはり自分に嘘をつくことができないことに気づき、ウィッグを手にとる。
可愛いものが好きだという自分が好きと改めて自覚したまことに、周囲からも次第に理解が寄せられる。そんな状況に竜二と咲は言葉にできない苛立ちを感じ始める。
そんなある日、テストで赤点を取った咲の勉強を見るという名目で集まった三人は、竜二の家で一夜を過ごす。
「咲は本当にまことのことが好きなのか?」まことへの感情の正体に気付き始めた竜二や、(まこと)先輩が特別でないことに不満を抱く咲にとっては長い夜となってしまい……。(3〜4話)
追試の重圧から解放された咲は、バスケ部の助っ人として試合に出るまことの応援に一緒に行った竜二から「本当にまことのことが好きなのか?」と改めて問われる。
そういう「師匠」(竜二)はどうなんです、と質問で返す咲に「好きだ」と即答する竜二。
そんな二人のやりとりを遠目で見ていたまことは、竜二と咲の関係を勝手に慮ってしまう。(「竜二の好きな人ってもしかして……?」)
私だけを見てくれる「特別な人」が竜二の特別でもあると知った咲は、「先輩のこと、諦めることにしました!」と、まことに笑顔で宣言するのだった。
意識的に咲が二人を避けるようになったそんなある日、まことたち2年生に進路調査票が配られる。女の子になりたいのか、男の子として生きるのかと思い悩むまこと。そこに「どっちかじゃないとダメなんですか?」という咲の問いかけが重なりまことの悩みは更に深まっていく。
一方、竜二もまた、まことに告白するかどうかで悩んでいた。それぞれが将来に向けた選択に悩む中、文化祭の準備が進められていく。(5〜6話)
生徒手帳に挿まれた“まことの写真”をまこと本人に見られたことに激しく動揺する竜二。
幼い頃からまことへの想いを募らせながら、一方で同性に惹かれる自分に戸惑い混乱する竜二は、些細なきっかけから暴力事件を起こしてしまう。
結果として竜二を追い詰めてしまったと自分を責めるまことに、竜二は自分の想いを初めて伝えるが、まことは気持ちの整理が追いつかず、その場では応じられない。
まことと竜二が新たな関係に発展していたその頃、咲は祖母が倒れたという知らせを受けて病院に向かっていた。
幸い大事には至らなかったことに安堵した咲は気が抜けてしまったはずみで足を負傷してしまう。
学校周辺に不審者が現れたという事案が発生し、急ぎ下校した咲は、誰もいないはずの家を誰かが覗いていることに気が付く。怖くなってつい竜二に連絡して来てもらった咲は、「先輩(まこと)と上手くいかなかったら付き合いませんか?」と唐突に“告白”する。
しかし咲の本意が読めない竜二は軽くいなすことしかできなかった。
一方「僕とキスしたいの?」といつになく真剣に問うてくるまことにはなぜか動揺してしまう竜二は、クリスマスは二人で過ごそうと約束を交わす。(7〜8話)
クリスマス当日。一緒に過ごすはずだった学者の父親が仕事で海外へ戻ったために一人でプラネタリウムへ行くことになった咲は帰り道、通りすがりのタクシーの乗客を見て慌てて追いかける。タクシーに乗っていたのは離婚して家を出ていった咲の母親だった。
一方、竜二の家へ向かっていたまことは、母親を追っていた咲と遭遇し、そこで蒼井家の事情を知ってしまう。思わず咲を抱きしめるまこと。その現場を出迎えに来た竜二が目撃したことで、二人の関係は次第にギクシャクしたものになっていく。
結局、一年の締めくくりの日に「終わりにしよう」と竜二から別れを切り出し、二人の関係は解消となった。(9話)
再び友人の関係に戻ったものの、互いに話しづらくなってしまったまことと竜二。どうすれば良かったんだろう……という二人の気持ちを知った咲は、それぞれと待ち合わせして互いを引き合わせようと企む。
話し合おうとする二人を見届け帰宅した咲は、とある事情から一時的に退避した神社で離婚して出ていった母親の「石川千尋」(いしかわ・ちひろ)と再会する。
もう一度やり直したいという母に会うことを禁じる祖母の「蒼井雅子」(あおい・まさこ)に反発する孫の咲。結局、雅子は咲が元・母親と会うことを認めるしかなかった。
咲が母親との関係を修復させていたその頃、修学旅行に行くことになったまことは、修学旅行が終わったら「母に本当のことを言う」と竜二と咲に宣言する。
かつての友人ともう一度「友達」になったり告白したいクラスメートの仲立ちをしたりとそれなりに充実した修学旅行から戻ったまことは、母親の「花岡美香」(はなおか・みか)に真実を告げる。
しかし、母は息子の真実から目を逸らそうと必死で抵抗する。どうして母さんはあんなにまで頑ななのか?途方に暮れるまことに父親は「母の父(つまり祖父)に会え」と告げる。(10〜11話)
父「花岡孝浩」(はなおか・たかひろ)に言われるまま、岐阜県某所に一人で暮らす母方の祖父「川崎英一郎」(かわさき・えいいちろう)を訪ねるまこと。
英一郎もまた、まことと同じように「(女の子が好むような)可愛いもの」を嗜好する男性だった。
女性の衣装に身を包むような父親と絶縁した娘が、自分の産んだ息子が今また父と同じ嗜好を持つことへの絶望を知ったまことは、祖父の後悔を糧にある答えを導き出す。
家に帰ったまことは、あらためて美香に「僕は僕のまま生きたい」と告げる。
生き生きとしたまことの学校生活の様子を知った母は、少しずつだが息子への誤解を解き始めるのだった。(12話)
(劇場版へ)つづく
【備忘録】
テレビシリーズの「その後」を描く長編アニメ「映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れ」が2025年(令和7)2月14日(金)公開予定とのこと。参照:公式サイト
【評】
変則的な三角関係を描くにしては、やや重ためのテーマで耳目を惹くタイプのラブコメアニメである。ジェンダー論にありがちな二極化の罠に陥らないためのバランス感覚がうまく機能している作劇はまずは及第点といったところだろう。
(見た目含む)ダブルヒロインと竜二(りゅーじ)くんの恋の行方はどうなるのか(ならないのか)も含めて「続き」を見た上で最終的な評価が決まるものと思われる。
よって現時点での明言は保留とするものである。
視聴完了
「T・Pぼん」第2クール(Netflixアニメ)
「Netflix」で視聴。独占配信タイトル。同名マンガ原作のアニメ化作品。
「現在・過去・未来を舞台に歴史上の重要人物を支援するタイムパトロール隊員たちの活躍を描く」SF(すこし、ふしぎ)アドベンチャーアニメ。
全12話(通算24話)。公式Webサイト
【ここまでのあらすじ】
平凡を絵に描いたような中学生「並平凡」は、ほんの偶然からタイムパトロール隊員「リーム・ストリーム」と共に、歴史上で不幸な死に方をする人たちを密かに助けるため、文字通り時空を駆け巡ることになった。
見習い隊員として最初は頼りなかった凡も、数々の任務をこなしていく中で成長し正隊員として採用されるに至る。(1〜12話)
【第2シーズンあらすじ】
タイムパトロール隊の正隊員となった「並平凡」(なみひら・ぼん)の最初の仕事は、彼の近所で頻発する通り魔事件の犠牲者を救けることだった。
初めての単独任務に張り切る凡だったが、例によって(記憶を操作する)タイムパトロールの装備品「フォゲッター」を作動させるのを忘れて、救助対象者である「安川ユミ子」(やすかわ・ゆみこ)を助手として雇うことになってしまう。
期せずしてパートナーとなった二人は、謎の超空間生物(タイム・パトロールではない)「ブヨヨン」と共に、再び時空間を駆け巡る。(13〜22話)
時空間の歪み「時空痕」事案の原因調査を行なっていた「リーム・ストリーム」が行方不明となったという報を受け、動揺する凡。かつてのパートナーの危機を知りつつ目の前の任務に集中していた凡は、派遣された現場で思いがけずリームの姿を発見する。
しかしリームは、時空間異常の元凶たる「ディメンションボール」に閉じ込められたまま時空の何処かへ姿を消してしまう。(23話)
ディメンションボールは発明者である科学者の制御を離れて時空痕を拡大しながら暴走を続ける。
機械には安全装置が取り付けられており、ある一定の閾値を超えた瞬間に自爆することを知った凡とユミ子は、超空間生物「ブヨヨン」の協力を得て時空を疾走する。
凡たちは時空崩壊を止め、リームの危機を救うことができるだろうか?(24話)
【評】
第1シーズン同様、安定した作りで大満足のシリーズであった。
第2シーズンのトピックは、やはりアニメオリジナル展開となる23話と24話になるだろう。リームがタイムパトロール隊員になった理由を覚えている視聴者はここで伏線が回収されることで大いに満足できると思われる。
重箱の隅つつきとなるが、ユミ子が凡のクラスメイト「白木陽子」の知り合いとして第1シーズンから登場している設定はなんのためなのかがよく分からないことを指摘しておきたい。
第2シーズンの第1話で二人が遭遇した時になんらかのリアクションがあって然るべきと思われたが、特に何もないのには少し驚いた。
制作者が忘れている可能性も否定できないが真相はいかに?
ネットフリックスの「日本アニメ」のジャンルでようやく品質・内容ともにマトモなものが出てくれたことに安堵する一作である。
視聴完了