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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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#アニメ

「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい・特別編集版」(2024年)は、同名テレビシリーズをキャラクター視点で再構成したアニメ映画。この手の総集編映画にありがちな観客サービスの新規カットもなく、ただ淡々と物語のダイジェストに徹した作りはかなり残念。パンフレットすら作られないとは

山本倫生
2日前
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「がんばっていきまっしょい」(2024年)は、同名小説を原作とした長編アニメ映画。過去の経緯から何事にも真剣になれない主人公の物語の行き着く先は「スタートライン」であり、まだ何も始まっていないうちから(話が)終わってしまう邦画の悪弊をアニメで見たいとは思わない。絵は綺麗ですけどね

山本倫生
2か月前
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「ふれる。」(2024年)は、互いの心の声を伝達できる不思議な生物に“触れた”三人の青年の日常を描くアニメ映画。中心となる不思議生物の設定が不明瞭なため、テーマを絞り込めないストレスが最後の最後まで続く。「ふれる」が居なくても物語が成立するのなら映画にする意味なくね?と思ったり…

山本倫生
3か月前
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「めくらやなぎと眠る女」(2022年)は、村上春樹の短編小説を再構築化した長編アニメ映画である。実写撮影をベースとした「生気のない」アニメーションでヤマもオチも意味もない辛気臭い不条理劇をやられると考えるより先に頭が休止状態になってしまうので何かを言うことができません。理不尽だ

山本倫生
3か月前
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「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー〜どきどき♡ゲームの世界で大冒険!」(2024年)は同名テレビアニメの劇場版。スタッフ編成が変わったせいか妙に真剣というか真面目ぶった作劇に違和感を覚える。映画館という“場”を意識した遊び心がもう少しあっても良かったかと思ったり思わなかったり。

山本倫生
3か月前
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「きみの色」(2024年)は、偶然知り合った男女3人の日常を描く長編アニメ映画。絆や友情はもちろん仲間かどうか分からない少年少女のかけがえの無い日々には「奇跡」の入る余地もなく。刺激や感動を求める観客向けに作られた映画ではないので鑑賞には注意が必要である。水金地火木土天アーメン♪

山本倫生
4か月前
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「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re;Re;」(2024年)は、6月公開の前編に続く総集編の完結編にあたる中編アニメ映画。テレビシリーズ後半4話分を再編集しているためボリューム不足の感は否めないが、喜多ちゃん(キャラ名)ファンにはたまらない構成がそれはそれでまた良いかもと思ったり

「数分間のエールを」(2024年)は、映像クリエーター気取りの高校生の日常を描く中編アニメ映画である。心身を削り血を流しながらそれでも報われない創作者に「応援してる」「負けるなよ」とあくまで上から目線の主人公のメッセージがどこまで観客の心に響くのか。興味深いところではある。

山本倫生
6か月前
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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション〜後章」(2024)は同作の前章に続く二部作の完結編に当たるアニメ映画。侵略者は敵ではないという種明かしは想定通りだったが、リセットマラソン的なトリックはよく考えると本編とは関係ないのではと思わなくもなく。消化不良感は半端ないかも?

山本倫生
8か月前
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「トラペジウム」(2024年)は、目的のためなら手段を選ばないアイドル志願の女の子の生き様を描くアニメ映画。「仲間」や「友達」を軽々しく口にする手前勝手で空虚な主人公像は目新しいというよりはどこか違う世界の生き物みたいにしか見えず、感動の青春ものとして見るのは無理筋というもの。

山本倫生
8か月前
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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション〜前章」(2024年)は同名マンガを原作とした全2部作アニメ映画の前段に当たる。突如出現した非日常に「慣れてしまった」世界に忍び寄る危機を盛り上げる段取り感は気になるものの、キャラクターの魅力を前面に出す演出でまずは及第点か。

山本倫生
10か月前
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「ウィッシュ」(2023年)はディズニー長編アニメーション最新作にして原点回帰を思わせる堂々たる“ディズニー映画”として大人も子供楽しめる……かどうかは観客次第という感じの微妙な作品。併映の短編映画も含めて創業100周年の告知以上の「何か」が感じられないのは如何なものかと。

山本倫生
1年前
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「鬼太郎誕生〜ゲゲゲの謎」(2023年)は水木しげるの超有名キャラクター誕生秘話を描く長編アニメ映画である。子供向けアニメに横◉正史とか○本清張的なドロドロした昭和の雰囲気を漂わせたストーリーが醸し出す異様な迫力に目を瞠るものがあるが、肝心の鬼太郎誕生には全く触れてなくて困った…

山本倫生
1年前
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「窓ぎわのトットちゃん」(2023年)は、黒柳徹子の自伝小説を原作とした長編アニメ映画。普通とは少しだけ感覚のズレた子供から見た“戦争”が、瑞々しく描けば描くほどより陰惨になっていくと知りながらこの映画を「感動作」として世に問う制作者の厚顔ぶりに驚き呆れる一作だ。