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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2021年9月の記事一覧

「岬のマヨイガ」(2021)は東日本大震災の被災者の子供たちが疑似家族として恢復していく姿を描くアニメ映画である。復興支援プロジェクトという美名のもと、観光案内に平凡で退屈なファンタジーもどきのストーリーを貼り付けただけの薄っぺらい映画で、制作者の志の低さに薄寒さすら感じた。

山本倫生
3年前
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「ドント・ブリーズ2」(2021)は2016年公開映画の続編で、前作で生き残った名もなき盲目の老人と彼の娘にふりかかる災難を描くサスペンススリラーである。前作のような秀逸なシチュエーションもなく、また登場人物の誰にも共感できない中で観客の興味は「彼は生き残るか?」に集約されるが…

山本倫生
3年前
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「劇場版GのレコンギスタⅢ-宇宙からの遺産」(2021)は同名テレビシリーズの再編集劇場版第3作にあたるアニメ映画である。主人公とヒロインの関係が明らかになる以外はひたすら移動し続ける忙しなさは本作でも健在で、劇場版だけの観客がどれだけ付いていけるかは神のみぞ知るといったところだ

山本倫生
3年前
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「17歳の瞳に映る世界」(2020)は望まぬ妊娠をした10代の女の子の数日間を描く映画である。基本的に感情を表に出さない主人公が表情を崩す心理カウンセリングの場面(原題はカウンセリングの回答項目)の緊張感が強烈な印象を残す。映画の中で一番邪悪なのは宗教という視点もユニークである。

山本倫生
3年前
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