こんなに会社に貢献できる!広報スキルが役に立つ「広報以外の業務」
“なんでも屋”と揶揄されがちな広報。社外広報と社内広報だけに専念したいと思う広報担当者は多いはずですが、それぞれの会社の事情により「それ広報の仕事?」と思う業務もしばしば回ってきます。特に中小企業の広報ならあるある。でも、それを楽しんでやってしまうのも広報の性(さが)なのです。
こんにちは、株式会社丸信で広報を担当している田中(@marusinofficial)です。当社のスピリットの10番目「すべてに感謝し、仕事を楽しむ」が芯から染み付いてしまっているようです。
それ広報じゃ無くても出来んじゃん、と思うような仕事が、意外と広報しかできない、あるいは広報がやった方が遥かにクオリティが高い、ということが最近分かってきました。広報に限らず、特定の仕事を長く続けると、気付かぬうちにいろんなスキルが、しかも高いレベルで身につくもんです。せっかくなので、そんな広報スキルを生かして、もっと会社に貢献してみませんか。いやいや、そんな暇ないよ、という広報担当者は多いと思いますが、きっと社内の依頼主は困っているはず。
そんな社内の困っている人を助けて、会社に貢献できるのではないか、という広報スキルを紹介します。
【情報収集力】世の中の動きを社内共有
毎日のルーティンとして、新聞各紙に目を通しています。西日本新聞、読売新聞、日本経済新聞など。月間「広報会議」や雑誌サブスクの定期購読や、時間があるときに経済番組もちょこちょこチェック(そのためにBDレコーダー買ってもらった)。
基本は媒体研究ですが、その中で当社の営業が知っていた方が良い記事やニュースがあれば、当該ページのリンク等を貼って全国80名くらいいる営業に一斉メールしています。取引先企業が取り上げられていたら担当営業に個別に連絡することもしばしば。
朝の広報ルーティンから営業が使える雑談ネタを提供して、営業活動に貢献。感謝の言葉は数えるほどしかいただいていませんが(´;ω;`) きっと役に立ってるはず。営業トークの“掴み”で役立てて!
【企業PR力】採用活動での会社説明
採用も広報も外部に情報発信するという意味では、かなり近い立ち位置にいます。個人的には採用と広報は同じチームで動く方が、特に中小企業ではメリットが多いと思います。
そんなことを社長にちょくちょく訴えていたら、今年度から採用兼務になった訳ですが、実際にカジュアル面談を担当したら会社の良いところ、大変なところがスラスラしっかり説明できて自分でもびっくり、隣にいた採用専任者はさらにびっくり。
幾度となくメディアの方に説明してきた会社の概要や事業内容、広報ネタを探すために社内を駆けずり回って手に入れたさまざまな情報が、採用コンテンツや求人ページ原稿、面接等でとても役に立つことが分かりました。採用チームの皆さん、これからは広報レベルの企業PR力が基準になります、ヨロシク。
【文章力】挨拶文や記事などのライティング
イベント告知や工場竣工、季節のあいさつ文、チラシや冊子、ブランドブックのリード分など、かなりの頻度でライティングの依頼が入ってきます。社内のみならずお客様から依頼が来ることも。
広報担当者が必ずしもライティングが得意とは限りませんが、当社の場合、マスコミ出身者が2人いるので挨拶文など朝飯前です、たぶん。WEB上に落ちているたくさんの参考文があれば、たいていの文章は書けます。最近はChatGPTの方が良い文章を書けるかもしれませんが…。
マスコミ出身者がいなくても、多くの場合、広報担当者は社内で誰よりも情報に接しているし、嫌でも文章を書く機会は多いと思いますので、必ず上達するし、社内ではさまざまなライティングでお役に立てるはずです。自信を持ちましょう。
【構成力】動画構成やチラシ等のクリエイティブ
会社のことを広く浅く知っている広報だからか分かりませんが、チラシや動画などに関する「構成」の相談はよく来ます。新しいところでは、先日開催した自主展示会の会場で流す経営理念や新しいロゴを説明する動画、SDGsの取り組みをまとめた動画、会社紹介動画など。それ以外にも環境配慮資材やカーボンゼロ印刷に関する営業提案ツールとしてのチラシの構成も過去に担当させていただきました。
そもそも当社の広報チームは些細なこと(!)でもプレスリリースを配信するので、その都度、担当者や担当部署にヒアリングを行うことから、リリース時点では社内でもっとも情報を持ち合わせていたりします。また、広報が手掛けることで誰もが理解できるワードを使った見出しや文章になるので専門的になりすぎずない内容にすることも可能。
さらに、媒体研究の中でテレビ番組の編集の上手さにいつも唸っているので、どのように見せるとターゲットに伝わるかは常に考えていたりします。こうしたことを総合すると、広報担当者は構成力が身についているはずです。
【短縮力】長い文章を短くする
長すぎる、詳しすぎるプレスリリースは嫌われるので、できればA4表1面、長くても両面に収めることが求められるので、多くの情報があっても短くまとめなければならないケースも多いでしょう。
当社は印刷会社として自社やお客様のカタログやパンフレット、チラシの制作を請け負うことがあります。WEB制作チームでもコーポレートサイトや商品ページなどを制作しますが、紙媒体はWEBに比べるとスペースに限りがあるため文章も文字数が決まっています。そんな時、制作ディレクターやデザイナーから溢れた文字を何とかしてほしいと依頼を受けることも多いです。あるいは予めスペースが決まっているので「24文字でよろしく」みたいな。
また、コピーライティングもある意味、文章を思いっきり短くするスキルかと思います。こちらも年に何回か依頼が来ます。商品やコンセプトを聞きながら想像を膨らませて考えます。
広報担当者は日ごろからプレスリリースのタイトルで頭を悩ませているので、ひょっとしたらコピーライティングの勉強をしている人もいるでしょうし、秀逸なコピーをメモったりして研究している人もいるかもしれません。
私は通販会社時代に広告クリエイティブを担当していたので、コピーや狭いスペースでの文章作成などの経験が「短縮力」(←そんな言葉ある?)として生かされています。あと、Twitterも短縮力を磨くには有効なツールです。
【手続き力】認定・認証・表彰の申請や申し込み
広報担当者になってから4年。これまで申請に携わったのは、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」「健康経営優良法人」「CSR認定」「環境優良工場表彰」「福岡県SDGs認定」「北九州SDGs登録事業者」「かごしまSDGs推進パートナー」「西銀SDGs認定」「SDGsアワード」「クラウド大賞」「くるめ環境表彰」など。SDGs関連や環境系が多かったりしますが、こうした認定や表彰制度では、会社の特徴やメリットをしっかりと申請書類に記載しないといけないので、ここもやはり、会社のことを広く知っている、言語化してPRできる、といった広報業務で培ったスキルが十分に生かされています。特に入社して間もなくSDGs宣言を取りまとめた経験があったので、それは後々、各種申請に大いに役立ちました。
【聞く力】営業電話の窓口対応
自社のリリースは週1~2回のペースで配信をしていて、場合によっては配信代行サービスを利用しています。すると、まあまあの確率で広告代理店等から広告出稿提案のTELがかかってきます。記憶にあるだけでも、WEB広告、SNS運用代行、動画制作、インボイス対応、M&A案件、倉庫保管代行、ビルメンテ、トイレ改修など。営業電話はアルファベットやカタカナが並んだりして、受け付けた人からするとどこの部門に繋いだら良いか不明だったりすることが多かったので「どこに回したらよいか分からない場合は、広報に回してください」と伝えました。
その結果、広報案件ではない営業電話も多くが広報部門に回ってくるようになりましたが、ここでもまた、広く浅く社内のことを把握している広報だから対応可能だったり、あるいはその営業提案内容が必要か不要かまでもけっこう分かったりします。必要だと思ったら担当部署に回すので、2度手間ではありますが、電話を足らいまわす回数を減らせるので、お互いにメリットがあるのではないかと。もちろん広報の時間は取られますが、ある意味、社内のお役立ち活動です。これからも広報に回してください。
まとめ
学生時代バイト先の料亭で料理長からこんなこと言われました。「目の前に楽な仕事と楽ではない仕事があったら迷わず楽じゃない方を選べ。楽な仕事をすると周りから妬まれるけど、難しい仕事は絶対に喜ばれるし感謝される」。
ここで言う“楽な仕事”が純然たる広報業務(実際には全然楽ではないけど)だとするらな、“楽ではない仕事”が「広報以外の業務」といったところでしょうか。
そうです、感謝されるんです。広報スキルを生かせる仕事があるのなら、広報業務だけにこだわらず、困っている人を助けて「得」を積んでおきましょう。きっと、いいことがあります!
毎日、何かを更新しています。
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