【業務委託の限界】自分の商品を売りなさい
業務委託型で仕事をしていると、ある一定のレベルで壁にブチ当たる。
そして、その壁は分厚く、なかなかそこを突破できず、会社の成長は止まる。
今回は、業務委託型の限界とその打開方法を書き綴っていく。
なぜ業務委託には限界があるのか?
業務委託の仕事は、基本的には「頼まれた仕事をこなす」というスタイルだ。
最初は、多くの仕事を受注することが利益に繋がる。
やりきれないほどの仕事を抱えて、はじめて仕事を断ることができる立場になる。
自社の需要に合わせて価格を上げ、仕事の受注量と利益を最適化する。
業務委託型の会社は、これを繰り返すことで利益を拡大していくのがセオリーだ。
次に、業務委託にあたる人員を増強する。
人員を増強して、より多くの受注量に耐えられるようにする。
しかし、ここで一つ、罠がある。
人員を増強すればするほど、なぜか利益率が下がっていく。
人員を増強すると、当初からいた優秀なメンバーだけで仕事をしていた時ほど、効率良く、品質の良い仕事ができなくなる。
逆に、優秀な人材だけに狙いを定めようと厳しく取捨選別していたら、いつまで経っても人員を拡大することができない。
業務委託型の会社は「社内教育による高利益率化」と「人員拡大による低利益率化」を繰り返しながら成長していくということになる。
そして、業務委託型の会社は、どこかで飽和する。
無限に人員拡大ができるわけではない。
無限に仕事を受注できるわけではない。
組織が巨大化すればするほど、必要な運転資金、労力、コストは増える。
業務委託型の飽和点は、経営者の能力に依存する。
飽和点を迎えると、経営者は悩む。
そして、多くの経営者は、そこで止まる。
先に作って、それを売る
そもそも、業務委託というのは「他社のために働く」というスタイルだ。
どれだけ高利益率化を目指しても、最終的にエンドユーザーから貰う対価の価格を決められるわけではない。
どうしても「忙しくして働いた分が利益」という側面から抜け出せない。
労働集約型と言える。
労働集約型を抜け出すためには「自分の商品」を持つ必要がある。
業務委託として、他社のためにつくった商品ではない。
自社が販売するための「自社商品」だ。
自社商品は、販売価格を自分で決められる。
そして、商品の仕様も自由に設定できる。
仕様が一定のものをつくるのは、効率が良い。
教育コストが大幅に下がるからだ。
品質も安定する。
販売価格と仕様が一定のものを販売するのは効率が良い。
既に「目に見えるようになっている商品」だからだ。
業務委託の仕事を受注するよりも、飛躍的に営業活動のレベルが下がる。
つまり、売上高を飛躍的に伸ばす可能性が有る。
こうして「業務委託型の会社」は「自社商品を販売する会社」へ成っていく。
建築会社がハウスメーカーへ。
自動車パーツ製造会社がカー用品メーカーへ。
ソフトウェア受託開発会社がソフトウェアメーカーへ。
清掃会社が清掃用品メーカーへ。
他にも数えきれないほど、例がある。
むしろ、最初からメーカーであった会社の方が少ないのではないだろうか?
メーカーとして成り立つ難しさ
会社を経営する難易度は、業務委託型よりメーカー型の方が遥かに高い。
・販売に先行して生産をする資金
・販売に大きく先行して消費する商品開発費
・適切なニーズを捉えた商品開発力
・商品のクオリティを担保する技術力
・販売経路を拡大する営業力
・販売力に直結するマーケティング力
・購買意欲を支えるブランディング力
・大量の顧客に対応するカスタマー・サポートセンター
一部、業務委託からの脱却を目指して、自社商品の開発へチャレンジする会社もいる。
しかし、最初は必ずと言って良いほど、失敗に終わる。
それでも、諦めずに改善を繰り返し、必要な人材を集め、資金をショートさせずに力強く前進し続けた会社のみが成功する世界線だ。
ヒットメーカー成りするとどうなるか?
以下、私の取引先の実例をいくつか挙げる。
・大きな自社ビルが建つ
・広告に芸能人を起用する
・入社エントリーが急増する
・研究開発費が大幅に増える
・自社内部の業務レベルを引き上げる
・既存外注先の業務レベルを引き上げる
・上場の準備をはじめる
これは、夢のある話だ。
全ての人がゴールドラッシュで金を狙わなくても良い。
金を狙う人に雇われるのも良い。
金を狙う人へアイテムを販売する商人でも良い。
しかし、どんな関り方であろうと「自分の商品を開発しようとしている人」は、全力で応援し、仲間になった方が良い。
夢を持って前へ進む人は、尊くて眩しい。
サポートに感謝申し上げます。 執筆活動のクオリティアップに精進致します。