見出し画像

偽装フリーランス問題

2024年11月1日から「フリーランス新法」が施行される。
ここ数年、フリーランスが急増していることに関係しているだろう。
これに比例して、偽装フリーランス問題も新たなステージに入っている。
今回は、この辺りのことについて書き綴っていく。


偽装フリーランスとは?

社会保険等の経費をカットするために、「社員」としてではなく「フリーランス」として人を雇うことを「偽装フリーランス」と呼ぶ。
会社は、「給与」ではなく「外注費」として経理処理する。
外注先の人の社会保険料を負担する必要はない。
結果、人件費が安くなる。
こんなカラクリだ。

しかし、これが一筋縄ではいかない。
業界によっては「フリーランス」、つまり「個人事業主」として働くことが当たり前のようなケースもある。

例えば、建設や建築の業界。
「親方」と呼ばれる元請の下に、外から見ると「個人事業主」か「社員」か分からないスタッフがいたりする。
このような人は、「一人親方」と呼ばれることも多い。

この10年程、「一人親方」と呼ばれる働き方は、締め出されてきている。
国から、どこかの企業へ社員として働くように、圧力が掛かっている。
企業には、「一人親方」を社員として雇うように、圧力が掛かっている。
もちろん、それは社会保険料を徴収するという目的が強いと思われる。

――― フリーランスを社員のように扱うこと

国はこれを無くしたい。
企業はこれを活用したい。
各フリーランスにも、それぞれの事情がある。
しかし、とにかく、これが「偽装フリーランス問題」だ。

ちなみに、数年前。
地域情報誌の求人広告で「国民年金スタッフ」という単語を目にした。
通常のスタッフより、少し高めの給与が記載されていた。
これも、労働条件次第では、偽装フリーランスと言える。

新フリーランスの傾向

フリーランスと言うのは、本来は「請負型」として仕事をするものだと思っている。
元請の会社へ出社して、元請の誰かから指示を受けて、その指示の通りに作業を行う。
これは、フリーランスと言う働き方ではない。
自分自身を派遣スタッフとして派遣しているだけだ。
そして、このパターンを国は「偽装フリーランス」として摘発したいと考えている。

一方、新しくフリーランスをはじめた若い世代。
不思議なことに「自分を派遣する」という働き方もフリーランスだと認識している人が多い。
つまり、自分が「偽装フリーランス」であることに気づいていないということだ。

――― だから、フリーランス新法

表向きは、フリーランスを守るためのもの。
しかし、今後は益々、「偽装フリーランス」が増えることになると思う。

フリーランスの人へ

個人的には、フリーランスと発注企業の両者が労働条件に納得していれば、社員であろうと、個人事業主(外注)であろうと、どちらでも良いと思っている。
しかし、フリーランスの人は、知っておくべきことがあると思っている。

まず、社会保険。
特に、厚生年金。
退職金にも同じことが言える。
これらに相当するものを自分で用意しなければいけないということ。
そのためには、思った以上に稼いでおかなければいけないということを知っておくべきだと思う。

もう一つ。
元請の指示系統に体を拘束される働き方をしていると、ビジネスは伸びないし、十分に稼げるようにはならないということ。
現実社会は、ドラマ「派遣の品格」のようには行かない。
仕事は「請負」として正しく受注しなければ「企業努力による利益」は発生しない。
この意味が分からないのであれば、今一度、勉強をするべきだ。
もしくは、どこかの会社で「社員」として働くことをお勧めする。


いいなと思ったら応援しよう!

そこらへんの経営者
サポートに感謝申し上げます。 執筆活動のクオリティアップに精進致します。