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【0から練馬にJクラブを創る物語】#2 理念を決める
▽前回の記事はこちら
今日はクラブの理念を決めた時の話。
前回書いた、クラブを創ろうと決めてから何をしたかの話に続く内容です。
ここはとても大事な話だなと思って別の記事として書きました。
NERIMA CITY FCの理念が決まるまで
クラブの理念。ここは一番時間をかけたと思います。
なぜならサッカークラブを成長させていくのは、どこまでいっても”人”だと思っているからです。
選手・コーチ・スタッフ・ファンetc…
どれだけ多くの、共感者と協力者を集められるかがクラブの成長速度に影響を与えていると考えているからこそ、多くの人が共感してくれるような理念を持ってクラブを創るべきだと。
ただ、だからと言って万人にウケやすいような理念に合わせていく形はしたくなく、自分の原体験から見出された想いと多くの人が求めているであろうこととの共通項を見つけ、なるべく体重が乗っかっている言葉で理念を決めようと理念を決める作業に取りかかりました。
▽ Philosophy(クラブ理念)
![](https://assets.st-note.com/img/1725175598467-4yfkhyWyvU.png?width=1200)
まずなぜこのクラブを創ろうと思ったのか。
自分の動機を深堀った時に、
結論「夢中と心のつながりを感じられる居場所を創りたいから」という想いに気づきました。
なぜか、それは自分がサッカークラブという居場所の存在に救われた経験が
あるからです。
サッカークラブを創ろうと思うキッカケとなった原体験
![](https://assets.st-note.com/img/1725174405718-6ivjSxO1UJ.png?width=1200)
僕は中学時代まで実家で過ごしていたのですが、父親がいわゆる亭主関白気味で仕事のストレスを家庭に持ち込むような人間でした。
思春期含め多感な時期もあり、当時の自分は学校から家に帰ってきても父親とはなるべく口を交わさずに自分の部屋に閉じこもっていたりと、なかなか家庭に居場所を感じることができていませんでした。(とはいえ、好きなことを自由にやらせてもらっていたのでとても感謝はしています。相性はあまり良い気がしませんが笑)
ですが、そんな当時を振り返ってみると「幸せな15年間だったな」という感情で満たされています。
なぜか。それは当時自分がプレーヤーとして所属していたサッカークラブと、週末大好きでスタジアムに応援していたJリーグクラブ(ジェフ千葉)といういずれも”サッカークラブという居場所”が自分の当時のシアワセに大きく影響を与えているからでした。
サッカーがもたらす熱狂に自然体の自分が引き出され、その感情をその場にいる他の誰か(チームメイト・サポーター)と共有することで感じる心のつながり。
そんな居場所が学校・家庭に加えてもう一つの居場所(サードプレイス)として存在していたからこそ、精神的にも当時なりに安定して日々を過ごすことができていました。
サッカーがなければ、今頃どうなっていたか。どんな未来を選択しようとしていたかは考えると少し怖くなる時があります。僕はそれだけサッカークラブという居場所に救われました。
だからこそ、僕はサッカークラブを夢と感動が引き出されるもう一つの居場所(サードプレイス)として定義し、この想いを理念として体現していこうと考えました。
より、人との繋がりを求めだす世の中が来るのではないか
近年はAI、IT と、物質的にはとても便利になったんだろうなと思います。それも凄まじいスピードで。
おそらく今後もこの分野は発展していくと思いますし、世の中で便利なものが増えていくのはもちろん良いことです。
ただ、失っているモノもあるんじゃないか。
AI、IT分野を中心に身の回りのモノがどんどん効率化・合理化されていくからこそ、何か大切なモノを失っているような感覚が最近すごく頭の中にあるんですよね。
例えば、SNSの普及、コロナウイルスによって広がったリモートワーク、オンライン会議など。人同士のコミュニケーションがこうした効率・合理的なツールの誕生によって、表面上の人間関係が増え孤独を感じる人間が増えているような気がしていて。(そもそも孤独が悪いことなのかについてはここでは触れません。)
他には、都心部の街並み。
なんだか日に日にチェーン店が増えている気がします。マニュアル通りの接客、ロボットが運ぶ料理、無人レジでの会計。確かに、便利なことは確かなんだけど、何か満たされない。
最近、友人とご飯に行く時の会話でも感じるのですが、お店を選ぶ時に、自営業のお店や、少し小汚い街並みの居酒屋、例えば吉祥寺のハーモニカ横丁や新宿ゴールデン街、老夫婦が営む定食屋のような。そんなお店に足を運びたいといった会話が増えた気がする(これは僕の周りの話なので偏りがあるとは思います)。
みんながそういったお店に行きたいとなる理由は3つの期待があるからだと思うんです。
・人の温かみに触れられるという期待(優しい老夫婦の定食屋)
・人間味に触れられるという期待(個人経営のマニュアルのない接客)
・予期せぬ人との出会いへの期待(ゴールデン街のように同じお店のお客さんと仲良くなりやすい雰囲気)
いずれもヒトを求めてる。
前述したコミュニケーションのデジタル化についても、わざわざ会いに行って会話をし、五感を共有したりと対面での交流の場が価値が増している気がします。
このように、今後もテクノロジーの発展が進むに連れて、人にまつわる需要が大きくなるような気がしています。(かなりの主観です。)
だからこそ、スポーツないしサッカーが持つ力として、
・一緒にボールを蹴ることで、ヒトと心の距離が自然と近づいていく感覚。(する)
・好きなサッカークラブの試合をスタジアムで見て、見知らぬヒトたちが一つのスタジアムに集い、同じユニホームを着て、一つのチャントを歌うことで心がつながる感覚。(観る)
こうしたスポーツの価値がこれからのヒト消費の需要に応えていくコンテンツとして存在感を大きくしていくのではと考えています。
だからこそ、改めてサッカークラブの価値を
関わる全ての人に夢と感動を与え、そこで引き出された感情を誰かと共有することで、心のつながりを感じられるもう一つの居場所(サードプレイス)
として、このクラブが一人でも多くの人にとって「生きるがちょっと楽しい」と思ってもらえる存在にしたいと。
▽ 引用した過去記事
Concept:Football club As the Third place. サードプレイスとしてのサッカークラブ
![](https://assets.st-note.com/img/1725174405729-LcPBNx5rm6.png?width=1200)
改めて、我々のコンセプトは下記になりました。
Football club As the Third place. サードプレイスとしてのサッカークラブ
Mission:「NERIMA CITYのある日常」でシアワセを
![](https://assets.st-note.com/img/1725174405706-vEwiuWjRLU.png?width=1200)
Missionはこのクラブの使命・存在意義になります。
先述した、サードプレイスとしてのサッカークラブはある意味手段なのかなと考えています。
居場所を創ることで、関わる人にとって何が良いのかを考えたときに、それは日々に幸せを感じられることだと考えています。
理念で「幸せ(シアワセ)」という言葉選びはとてもありきたりに思われるかもしれませんが、あまり具体性のある言葉でこのクラブの存在意義を狭めてしまうのも違うような気がしていて、あえて幸せ(シアワセ)と表現することで聞き手に解釈の余白があっても良いのかなと。
このクラブで誰かの幸せ(シアワセ)を創れるなら、僕が散々話した居場所としてだけではなく、ただサッカーが好きでこのクラブを応援するのが幸せ(シアワセ)につながってる。でも全然良いと思ってます。
このクラブからの幸せ(シアワセ)の感じ方(解釈)までは押し付けたくない。
![](https://assets.st-note.com/img/1725174405680-bJD3qXynZA.png?width=1200)
とはいえ、「僕たちはこのクラブでこんな幸せ(シアワセ)を創ろうとしています」とある程度のイメージは持てるように示した方が良いとは思っているので、
我々がこのクラブを通して満たせるシアワセはこの二つだと定義しています。
①熱狂(夢中)になれるコトがある日常
②人と心の繋がりを感じられる日常
Vision:関わる全ての人に夢と感動を与えるもう一つの居場所をこの街に
![](https://assets.st-note.com/img/1725174405686-duHco5DHZv.png?width=1200)
Visionはこのクラブのあるべき姿、Missionを達成するための手段を意味しており、少し具体性を上げて掲げています。
「NERIMA CITY のある日常」でシアワセを届けるために(Mission)
関わる全ての人に夢と感動を与えるもう一つの居場所をこの街に創る。(Vision)
仲間が増えました。
▽【再掲】Philosophy(クラブ理念)
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改めて、上記をクラブの理念として掲げクラブを始動させました。
運営1人(自分のみ)、選手0人で創設を発表した昨年9月から一年が経ち、今では運営4人、選手22人、パートナー企業3社がこのクラブの理念に共感し仲間に加わってくれました。
次は仲間集めのお話・・・