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ある日大きな❌❌❌が届いた(56)あと少しの残った問題は?

「お姉さん、この森ってどうやって抜ければいいの?今どのくらいなの?」


薄暗い森の中を相変わらず2人は休み休み進んでいた。途中石や木の枝につまずいて一瞬緊張が走るけど、だいぶこの道にも慣れてきた。

「うーん。花ちゃんはどう思う?どのくらいまで来てあとどのくらいだと思う?」

「えっと、結構歩いてきたと思う。でももう少しかな?」

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「はい、前島さん、目を開けて」


いつも通りの手順でいつも通りの声で中上が花をリードして今、ここに戻してくれた。そしていつも通り、少しの休憩をして今日のセッションについて話し合う。


花が自由に感想を言い終えたとき、中上が言った。


「前島さんは、あとどれくらいで問題解決だと思いますか?」


「うーん、今日の花ちゃんと同じですね。」ってことは、私にとってのおかっぱお姉さんは中上先生なんだ。


「8割くらいかな?と思います。」


「あとの2割は?」


「あとの2割は、ときどきまだ思い出すんです。あの男のことを、ふっと。駅で全然知らない人なんですけど、同じような香りがしたり、似ている人を見ると胸がどきどきするんです。」


中上はメモを取りながら真剣に聞く。前のメモに目を通しながら、何かを中上自身で確認しているようだ。


「そのどきどきは、どんな感じのものですか?前島さんにとって。」


「不快です。急にまだ絶望状態にいたときの自分に引き戻されるような感じです。呼吸がしずらくなって、どす黒いものが体の中で渦を巻く感じになります。」


「うんうん、話しているとその感覚になっていますね。」


「はい、今胸が苦しいです。」


「うん、じゃぁその感覚をしっかり感じて、注目してください」


そういうと、中上は花の手のこうをポンポンポンと軽い力でたたき始めた。

自然と目をつむった花は体の感覚をしくしく味わい、どす黒さから逃げることができない。

だんだん呼吸が早くなっていく。体はしっかり覚えているんだ。花は圧倒されかかっていた。

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