ケンペのBASF原盤のブラームス交響曲全集のリマスタリングについて

普段なら怪しい電子工作の記事などを上げてるが、今回は個人的に好きな指揮者のリマスタリングCDの事を書いてみる。自分がルドルフ·ケンペを知ったのはいつだろうか?もちろん自分が産まれた時には既に亡くなっており、何故この指揮者に興味を持ったのかは定かではない。もしかしてCDよりも先に評伝本「指揮者ケンペ」を読んで興味が出たのかもしれない。この指揮者の演奏(正確には録音された音盤)には不思議な所があり、聞いた人を引き付ける何かがあり、細かく聞くと強引な解釈な部分もなくはないが割とそれが目立たないと言う稀有な指揮者である。
さてケンペのBASF原盤だが、約25年前だろうか。スクリベンダムと言うレーベルから、ケンペ&ミュンヘンフィルがBASFに録音したブラームス交響曲全集がリマスタリングされて発売されたので渋谷のHMVに買いに行った記憶がある。肝心の音だが、高域が突っ張ってる感じで聞いてると耳が痛くなった。がっつりノイズ除去をしたのか、ヒスノイズはしないが音に厚みが感じられなかった。以後、ケンペ&MPOのブラームス交響曲全集が出るごとに購入するハメとなる。次にARTSから出た2枚組全集を買った。2枚組に交響曲全曲を入れたのでハイドンの主題による変奏曲がなくなった。スクリベンダムがキンキンな音だったのに比べART盤はソフトな音質に。むしろ今度はソフト過ぎて満足出来なかった。後、バジェット盤だったせいかジャケットの作りが雑なのも気になった。
その後、結局テイチクの国内盤に落ち着いた。灯台もと暗しである。このテイチクの盤はリマスタリングがブーム?になる前のものだが、ヒスノイズも少なく安心して聞いてられる。この後も色んなレーベルがリマスタリング盤を出している様だが、自分はその後レコードの方に興味が移ってしまった。レコードでケンペの録音を聞いてしまうと何枚もリマスタリングCDを買っていたのが馬鹿みたいに思えてくる。テイチク盤(上記テイチク盤CDと同じマスターテープを使用してると思われる)でも聞くには十分だし、海外盤(アカンタ盤)は音の線が細く感じられるが。今まで触れて来なかった、ケンペ&MPOのブルックナー交響曲4&5番も同様だ。やはりケンペはレコードで聞くべきだ。
ついでに言えばテスタメントのケンペBOXも持っていてスクリベンダムやARTSに比べるとマシなマスタリングをしているが、これもレコードで聞いたほうが音楽を楽しめる。
ここまで書いて来て写真が一枚もない。CDはレコードを入手した後に転売してしまったからだが。恐らく他のケンペファンも中古CDショップでリマスタリング盤を買って聞いて 求めてた音じゃない、と嘆いてるかも知れない。経験を積むには良いかも知れないが財布には優しくない。

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