まるこ。

恋愛実現党党首。 乙女時々毒舌。 恋愛小説を書いてます。

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記事一覧

民主主義と自由主義

明日のお昼には何が食べたいですかと聞いて 100人中51人が幕の内弁当と言ったらば、 残りの49人も幕の内弁当を食べなくてはいけないのが民主主義。 100人中51…

まるこ。
2か月前
1

幸せのカケラ(終)

≪エピローグ・侑輝の章≫ 『なっちゃん?』 僕がふと真夜中に目が覚めると、ベッドの横になっちゃんが立っていた。 『どうして?あれ?どうやって?』 と半分寝ぼけて聞…

まるこ。
2か月前

幸せのカケラ⑫

≪国崎の章≫ 『さっき、何を言いかけたの?』 と僕は奈津美さんの 帰天式の後、車で絵里奈を送りながらそう聞いた。 『さっきって?』 『ほら、陽向が来る前に、僕と別れ…

まるこ。
2か月前

幸せのカケラ⑪

≪陽向の章≫ 木曜日のお祈りの時間、俺は、神津川のことだけを祈っていた。本当はちゃんとお祈りの言葉を唱和しなくてはいけないんだけど、俺の心が神津川のことしか考え…

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2か月前

幸せのカケラ⑩

≪春菜の章≫ 『見てるっつーの』 アタシは空の上から、国崎さんと奥さんと子供を見ていた。 『アタシが死んでから離婚したってしょうがないっつーの』 と、声に出して言…

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4か月前

幸せのカケラ⑨

≪国崎の章≫ 『この間電話くれた?』 と、久々に会う絵里奈は喪服を着ていた。もちろん僕も喪服で、 共通の知人の帰天式に来ていた。 『うん、したよ。』 『かけ直そうか…

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7か月前

幸せのカケラ⑧

≪陽向の章≫ 俺は、階段の上から、カフェの方に歩く神津川を見つけて大声で呼んだ。 俺の声は風にかき消されて神津川には届かなかったようで、 神津川は 早足 でカフェを…

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8か月前

幸せのカケラ⑦

≪国崎の章≫ 『神津川?あぁ、マジで父さんに会いに行ったんだ。』 その夜、僕は久しぶりに陽向に電話をした。 『陽向・・元気か?』 『え、なに、突然。元気だよ。って…

まるこ。
8か月前

幸せのカケラ⑥

≪侑輝の章≫ 男子トイレのドアを開けたら、床にはいつくばって 雑巾をかけている人がいた。 『あ、ごめん。』 反射的に言ってから頭にはてなマークが浮かぶ。 あれ、ここ…

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9か月前
2

幸せのカケラ⑤

≪国崎の章≫ 『陽向君 のお父さん、選挙に出るんだ? 』 次の日の挨拶街宣が終わる頃、 また 陽向の友達の女の子がやってきた。 『そうですね。』 『なんで?』 『え?』…

まるこ。
9か月前
1

幸せのカケラ➃

≪春菜の章≫ アタシは雨の中、高速をとばしていた。 緩やかなカーブと下り坂の続く道を、彼のことを考えながら走っていた。 少し前に彼が言った言葉、彼がそれを言った時…

まるこ。
10か月前
2

幸せのカケラ➂

≪国崎の章≫ 『陽向君の お父さんだよね!?』 と、僕 の前に来た女の子がいきなり言った。 駅でのあいさつ運動が終わって、 旗を片付けている時だった。 『アタシ、陽向…

まるこ。
10か月前

幸せのカケラ②

≪絵里奈の章≫『奈津美!』 と、私は新宿の駅の雑踏の中で、なぜ彼女の姿が目に入ったんだろう、 と思う前に彼女の名前を呼んでいた。 ちょっといぶかしげに振り返った彼…

まるこ。
10か月前
1

幸せのカケラ➀

プロローグ・侑輝(ゆうき) の章  2015年7月、僕は海を見ながら、なっちゃんと話をしていた。 荒い波がよせては、かえ している。 僕が育った街の海とは違う音がす…

まるこ。
10か月前

2021/11/30

あの日 あの人は 「気になってたけど 行ったことない店に 行ってみても良い?」 って私に聞いた。 いつか あの人は 違う誰かとあの店に行った時に 一番初めに一緒に行った…

まるこ。
10か月前

2021/12/13

私がカウンターで 手続きをしていると 斜め後ろから こんにちはって声をかけてくる。 背の高いあなたは 私の顔を覗きこむようにして笑ってる。 あの瞬間が 私はけっこう…

まるこ。
10か月前
民主主義と自由主義

民主主義と自由主義

明日のお昼には何が食べたいですかと聞いて
100人中51人が幕の内弁当と言ったらば、
残りの49人も幕の内弁当を食べなくてはいけないのが民主主義。
100人中51人が幕の内弁当と言ったらば、
残りの49人は各自好きな物を食べるのが自由主義。
初めから何が食べたいか聞かないで
100人に幕の内弁当が配られるのが社会主義。
と、書いたわけですが、さて、これのどこが問題か、ということを
発展させていきま

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幸せのカケラ(終)

幸せのカケラ(終)

≪エピローグ・侑輝の章≫

『なっちゃん?』
僕がふと真夜中に目が覚めると、ベッドの横になっちゃんが立っていた。
『どうして?あれ?どうやって?』
と半分寝ぼけて聞くと、人差し指を唇にあてて、
『しーっ』
と、言った。
それからゆっくりと僕を抱いてキスをした。
『・・・泣いてるの?』
なっちゃんの流す涙が、頬を伝わりしょっぱい
味のする キスだった。
『さようなら。侑輝くん。
大好きだった。本当に

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幸せのカケラ⑫

幸せのカケラ⑫

≪国崎の章≫

『さっき、何を言いかけたの?』
と僕は奈津美さんの 帰天式の後、車で絵里奈を送りながらそう聞いた。
『さっきって?』
『ほら、陽向が来る前に、僕と別れてからよく考えるって。』
『あぁ、あれね。ねぇ、それより、陽向が言ってたことどう思う?』
『え?あぁ、友達が奈津美さんと一緒にいるってヤツ?』
『そう。ってゆうか・・私も一回奈津美に会ったのよ。新宿で。でもあの時、不思議な気がしたのよ

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幸せのカケラ⑪

幸せのカケラ⑪

≪陽向の章≫

木曜日のお祈りの時間、俺は、神津川のことだけを祈っていた。本当はちゃんとお祈りの言葉を唱和しなくてはいけないんだけど、俺の心が神津川のことしか考えられなくなっていた。ごめんなさい、神様。でもお願い。お願いします。どうか、どうか俺と神津川を引き離さないで。神津川がいなくなったら俺は生きていけない。いや、それは大げさかもしれないけど、俺は・・俺は・・。気がついたら礼拝室には俺しかいなく

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幸せのカケラ⑩

幸せのカケラ⑩

≪春菜の章≫

『見てるっつーの』
アタシは空の上から、国崎さんと奥さんと子供を見ていた。
『アタシが死んでから離婚したってしょうがないっつーの』
と、声に出して言ってみる。もう届かないのに。
『アナタのせいで離婚したわけじゃないよ。きっかけだったけど、もしも、アナタと国崎
さんが出会ってなくても、あの二人は離婚する予定だった。もう使命が終わったからね。』
天使が私の横でやっぱり下界をのぞき込みな

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幸せのカケラ⑨

幸せのカケラ⑨

≪国崎の章≫

『この間電話くれた?』
と、久々に会う絵里奈は喪服を着ていた。もちろん僕も喪服で、
共通の知人の帰天式に来ていた。
『うん、したよ。』
『かけ直そうかな、と思ったんだけど、
IT 弱者のアナタのことだから、スマホで間違えてタップしちゃったのかな、と思って。急用ならまたかけてくると思ったし。』
『超、超、IT 弱者の僕だけど、間違えてタップしたわけじゃない。
陽向がさ。離婚しても法友

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幸せのカケラ⑧

幸せのカケラ⑧

≪陽向の章≫

俺は、階段の上から、カフェの方に歩く神津川を見つけて大声で呼んだ。
俺の声は風にかき消されて神津川には届かなかったようで、
神津川は 早足 でカフェを通り過ぎようとしている。
俺は、階段を二段飛ばしで駆け降りると 、
全速力で神津川の背中に向けて走った。
その気配を察したのか、神津川が振り返る。
『陽向君!?』
大きな目を見開いて俺を見る。
『か、神津川・・。よぅ、久しぶり。』

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幸せのカケラ⑦

幸せのカケラ⑦

≪国崎の章≫

『神津川?あぁ、マジで父さんに会いに行ったんだ。』
その夜、僕は久しぶりに陽向に電話をした。
『陽向・・元気か?』
『え、なに、突然。元気だよ。ってか、学祭の準備でへとへとだけど。』
『いや、ならいいんだ。』
『父さん、学祭・・来れないよね?』
『あぁ・・うん。ちょっと無理かもな』
『わかってっけどさ。言ってみただけ。
支部 長やってたと思ったら 、今度は 選挙に出るっ
ていうんだ

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幸せのカケラ⑥

幸せのカケラ⑥

≪侑輝の章≫

男子トイレのドアを開けたら、床にはいつくばって
雑巾をかけている人がいた。
『あ、ごめん。』
反射的に言ってから頭にはてなマークが浮かぶ。
あれ、ここ、男子トイレだよな。
『あ、ごめん。』
と、その人もオウム返しに同じ言葉を口にする。
『ごめん、ごめん、あまりに汚かったから。』
そう言って雑巾とバケツを持って立ち去ろうとする人が、
なっちゃんだった。
なっちゃんはいつも作務をしてい

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幸せのカケラ⑤

幸せのカケラ⑤

≪国崎の章≫

『陽向君 のお父さん、選挙に出るんだ? 』
次の日の挨拶街宣が終わる頃、
また 陽向の友達の女の子がやってきた。
『そうですね。』
『なんで?』
『え?』
『なんで出るの、選挙。うちらも選挙権あるんだよね。今度から。』
『なんで・・。神様に言われたから。』
『え、マジ?マジでそんな理由なんだ。陽向君 の言うとおりだね。』
『いや・・説明すると長くなるけど・・簡単に言えば、それが今の

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幸せのカケラ➃

幸せのカケラ➃

≪春菜の章≫

アタシは雨の中、高速をとばしていた。
緩やかなカーブと下り坂の続く道を、彼のことを考えながら走っていた。
少し前に彼が言った言葉、彼がそれを言った時の表情を思い出して。
私に言ったあの言葉の中に、少しでも希望を探してみるけど、どうやっても見当たらない。
なんで?なんで?なんで?
グッとアクセルを踏む。
対向車線のライトの眩しさに一瞬目がくらんだ。
後輪が滑ったな、と思った瞬間、

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幸せのカケラ➂

幸せのカケラ➂

≪国崎の章≫

『陽向君の お父さんだよね!?』
と、僕 の前に来た女の子がいきなり言った。
駅でのあいさつ運動が終わって、
旗を片付けている時だった。
『アタシ、陽向君 の友達なんだ。大学で一緒なの。』
『あぁ、そうなんだ。陽向、元気にしてる?』
『うん。今、学祭の準備してる。アタシのうち、
この街だから、朝、 駅に行くとお父さんがいるよって教えてくれたの。』
『あぁ、ありがとう。わざわざ。』

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幸せのカケラ②

幸せのカケラ②

≪絵里奈の章≫『奈津美!』
と、私は新宿の駅の雑踏の中で、なぜ彼女の姿が目に入ったんだろう、
と思う前に彼女の名前を呼んでいた。
ちょっといぶかしげに振り返った彼女は、すぐに笑顔になり
『え、絵里奈!?うっそ、久しぶり・・なにしてんのぉ?』
と人の波を逆流しながら私の方に歩いてきた。私達は
人の邪魔にならない 柱の陰の方に移動しながら
『今から支部に行くとこ』
と答えた。
『あ、そうなんだ。あれ

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幸せのカケラ➀

幸せのカケラ➀

プロローグ・侑輝(ゆうき) の章 

2015年7月、僕は海を見ながら、なっちゃんと話をしていた。
荒い波がよせては、かえ している。
僕が育った街の海とは違う音がする。
詩織。その名前を思い出す度に胸が痛む。
『神様とアタシとどっちが大切なのよ!』
普段大きな声など出すことのない詩織の叫び声が頭から離れない。
僕は神様の方が大切だった。
だからそう答えた。
『冷たい、と思う?僕のこと』
なっちゃ

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2021/11/30

2021/11/30

あの日
あの人は
「気になってたけど
行ったことない店に
行ってみても良い?」
って私に聞いた。

いつか
あの人は
違う誰かとあの店に行った時に
一番初めに一緒に行った私のことを
思い出すだろうか。

私はどうだろう。

またいつか
あの店に行くことがあったら
あの人のことを
思い出すだろうか。

あの人が飲んでいた
生クリームが乗ったコーヒーや
私のミルクティや
壁の不思議な雷神の絵とか。

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2021/12/13

2021/12/13

私がカウンターで
手続きをしていると
斜め後ろから
こんにちはって声をかけてくる。

背の高いあなたは
私の顔を覗きこむようにして笑ってる。

あの瞬間が
私はけっこう好きだったんだよなぁって言ったら
「そんなら今からやりましょうか?」
って言うから
私は照れてそれを隠すように
「ダメ。制服じゃないから。」
って言ったら
「それもそうだな」
って笑うから
待って、ウソ、制服じゃなくて良いよ、
その

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