今さらながら刺身を語ろう 1
漁師の息子である私が はばかりながら魚、中でも生の魚について改めて、また極めて勝手に語りたいと思う。オッホン。
しかし何かを食してコメントを言う仕事の人たちは、生の魚介類を食った時に決まっているかのように『甘ぁい』と言うのはなぜか(笑)? 正直旨味というものは理解できるけど、離島で漁村生まれの私であっても 刺身を食って甘いとは感じないのである。そんなに甘いか? ホントか? もしかしたら彼らは魚食った際に『甘い』と言えば、単純にイケてるコメントになるって思ってるだけなんじゃないのか?
魚にまつわる知識を評価する『おさかな検定 = トト検』と呼ばれるものがあるけど、実際ネットに出ている過去問を見て唸った。私の知識は設問に頻出する その魚の分布域や漁獲量、はたまた語源なんかではない。大半は魚の性質や料理法、要するにどうやって捕まえるか、また美味いか不味いかという限られたものだからである。しかしネット上に流れる解答を眺めながら、正直それ知ってどうすんの? と思ってしまう、嫌な性格の私である(笑)
そんな私が独自に新しい尺度で、魚の知識を以下の5段階に分けてみたので見てほしい。
■5級
サカナジュニア。豪華な舟盛りを目にしてもどんな魚が盛られているのかは気にならないタイプ。単純に高い値段がついているから フグ(テッサ)やマグロの大トロが大好きって言いがち。
イワシとキスの違いなら見分けられるレベル。
■4級
サカナプライマリー。ひれに毒のある魚を知っていたりするから、磯なんかでは役に立つこともあるが、基本魚をさばいたり料理をしたりはあまり期待できない。『タイは有名かもしれないけど、世間の評価ほど美味くない!』みたいな 知った風なことを言いがち。
カサゴ(ガシラ)とオコゼの違いを見分けられるレベル。
■3級
サカナアドヴァンス。長年釣りが趣味って人はここに入る。『魚を〆る』という理由や方法を知っているし、マイ包丁を持っていて自分でも魚をさばき、ついでに魚介類のうんちくを傾けがち。
カンパチ、ブリ、ヒラマサの違いを一瞬で見分けられるレベル。
■2級
サカナオタク。魚のレア度や商品価値を知っているから、店で売られている魚が高いのか安いのか、また珍しいのか否かもわかっている。シーズンになると手開きでキビナゴの刺身を作ったりしがち。
老成したハタ類の魚種について、根拠のある推察ができるレベル。
■1級
サカナパラノイア。研究者レベルだ。生活には全く不必要なレベルの知識を持っている変態であり、漁師でも学者でもなく一人で悦に入るだけのおかしな奴。当然サカナくんはここに入る。食べる事より知ることや確かめることが優先しがち。
魚体に棲みつく寄生虫の名称や特徴をほぼ言い当てられるレベル。