決められないリーダー
いわゆるリーダーシップやリーダー論というものは 世間に溢れかえっているが、リーダーとして絶対必要かつ最も重要な任務は、チーム内の表面的な笑顔を増やすことではなく『決める』ことだと思う。
不遜な物言いになるが、世の中には部下の顔色を見ているだけで、自分の価値観や考え方に照らして最善だと信じる判断をしない上役が多いと感じる。そんな人物をリーダーに頂く組織は少なくないんだろうけど、最近特に増えてきたなぁと感じるのは以下の2つかなぁ。
1.仲良しごっこチーム
チームの誰もが仕事に多くを期待
していないし、成果を上げようとも
考えない。チームの各メンバーは、
表面的には仲が良く、ギスギスして
いない。
いわゆる『ヌルい』という表現が
ピッタリなお友達組織
2.リーダーは蚊帳の外チーム
チーム内に経験や能力に長けた者が
1人存在するパターン。職位の上では
長はいるものの、その上役が全体を
率いなくても特に問題は起きない。
当のリーダー自身 チームの長である
自覚はなく、全ての判断をそのベテ
ランに委ね、運営には口を出さない
求心力の無いこんなリーダーの下にある組織では、ひとたびトラブルが起きた場合、本来ならば解決のために 原因を見極め その解決策、さらに再発防止などの筋書きを決めなければならないリーダーは、オロオロするばかりで適切な指示一つ出せないということが起きる。
解説すると以下の通り。
上記1の場合はリーダーたる自分が出した指示によって どこかに負担が偏ったり、誰かが不満を持ったりすることばかり恐れているから、適切な指示どころか何も言えなくなり、組織としての解決は不能になる。
全員責任感を持っていないから、リーダーを含め問題が起きたのは自分のせいだとは思ってない。トラブル発生時には、解決のためではなく『誰が悪いのか』だけが議論される。
上記2の場合は チームを実質仕切っているメンバーの考えと違う指示は出せないと思っている職位上のリーダーが、実質的にチームを動かしているメンバーの機嫌を損ねることを恐れている。その人に『うるさいヤツ』と思われてしまうと チーム全員を敵に回すことになりかねないので、結局機嫌取りのようなことしかしないのである。
ではその実質的リーダーを 実際に職位の上でもリーダーに昇格させれば良さそうなものだが、その人事で上手くいった例を見たことがない。仲間内の親分と組織の長は異質なものだ。
要するに1,2のリーダーともに、いてもいなくても変わらない『昼あんどん』にしかならないのである。
反対するものが少なくないような難しい局面であればあるほど、リーダーは『決める』ということを断行しなければならない。問題を解決する場面において 単純に誰かの意見に乗るだけとか、安易に多数決に逃げたりすることはあってはならないことだと思う。
それらは 上手くいかなかった場合にも 自分だけが責を負わずともよい、逃げ道が確保された決定方法だからだ。