しいたげられている野菜
野菜も色々だが、可哀想だなぁと思える不憫なヤツも存在していると思っている。いかほど可哀想なのかを10点満点で表してみようと思う。
《玉ねぎ》(可哀想度 3/10)
玉ねぎは汎用性というジャンルに限ると、野菜界における断トツのチャンピオンだ。アイツほど色んな料理に顔を出すヤツはいない。言い換えればどこにでもいるが有難がられない地味な脇役、それが玉ねぎだ。いい仕事はするのに人気は無いというタイプだ。
淡路島のマクドナルドではご当地メニューとして、玉ねぎシェークがあるのだと先輩に言われ、本気にしていた若い頃。思えば私も純粋だった。
でもアイツにだって意地はある。だからみじん切りなんかをしていじめる人間を泣かすのさ。個人的にはアジの南蛮漬けに入ってる玉ねぎはホント好きでいくらでも食える。アジ本体より好きかもしれない。
《キュウリ》(可哀想度 4/10)
ギネスブックに『最も栄養のない野菜』ってことで記載があるらしい。しかしそれって一体なんだろうね。『中身のない人』と言われているみたいで立つ瀬がない。そんなワーストワンがギネスに載るなら他にも『最も子供が嫌う野菜』や『最も捨てられる部分が多い野菜』、『最も腐りやすい野菜』、『最も収穫に手間がかかる野菜』『最も価格が天候に左右される野菜』・・・とキリがない気もする。
キュウリ、酢の物が美味いんだよなぁ。
《冬瓜》(可哀想度 5/10)
大きさの割に冬瓜は安い。地方の道の駅なんかに並んでる冬瓜たちにつけられた値段を見ると、あんなに大きく育ったのに拍子抜けする程の安価がかわいそうだとも思う。鶏そぼろのあんかけなんか、みんなが笑顔になる美味しさなのに!
しかし何であんな値段なんだろう? あれだけの大きさになるまでには手間もかかるだろうし、運送だって大変なのに、なんだか価値を低く扱われているように感じる可哀想な冬瓜。
《カボチャ》(可哀想度 8/10)
炊いたヤツはいいんだ。アレは文句なしで美味い。だからあえて10/10の評価はつけなかった。問題は焼いた時だ。バーベキューの主役は何といっても肉だから、参加者全員が肉を食うためにその場にいる訳だ。だから網の上で豪快に並べた肉を焼く横で、申し訳程度に並んだ野菜たちは肩身が狭い。みんなでワイワイ食べ始めて少し時間が経った時に、主役である肉の焼け過ぎを防ぐために下敷きにさせられたりする野菜、それがカボチャだ。アイツは自らの身を犠牲にして、お肉さまを焦がさないように火焔の灼熱に耐えているのである。考えると泣けてくる。
色々勝手を言ったが、逆に人々に広く普及していて花形の野菜って何なんだろう?
《白菜》
➡︎お鍋では外せない
《レタス&キャベツ》
➡︎サラダ界で他の追随を許さない
《ジャガイモ》
➡︎世界的に見ればコイツで決まりか?
《とうもろこし》
➡︎日本ではおやつの域から出ないが、
東部アフリカでは主要穀物だ
う〜ん、一度野菜たち自身からそのあたりを訊いてみたいものだ。