仏談 -赦して!閻魔さま! 2-
◍2週間後(二七日) 裁判官:初江王(しょこうおう)
さて三途の川を渡り終えると、二番目の法廷に到着する。この裁判官は生前の盗みについて白黒はっきりさせる。前週に秦広王の裁きを受けた死者が、三途の川を正しく渡ったかが審議されるとともに、生前関わりのあった動物が呼ばれて、人物についての証言を詳しく聞くらしい。なんでもこの初江王は、動物が好きで好きで仕方ないらしいのだ。現世に例えると坂上忍さんみたいなものか?(違うな) また王のお付きの童子が持っている巻物には全ての人の善悪が全て記されているから言い逃れできないらしい。知らんけど。
◍3週間後(三七日) 裁判官:宗帝王(そうたいおう)
ここでは邪淫(じゃいん)の罪を裁かれる。生前浮気や不倫をしていないか、不倫や横恋慕、あってはならないみだらな性行為などをしていなかったか。そんな取り調べには猫と蛇を使うらしい。邪淫を犯していた男に対しては猫が 悪さをしてきた男根を喰いちぎり、同様に女には大蛇が襲いかかり、淫欲に溺れ続けた女陰に蛇が入りこんで責めるというとんでもないことが、白昼堂々と繰り広げられるのである。
いやいや猫に食いちぎられるのか・・・。これは嫌だなぁ(笑) しかしみだらな性行為って・・・大体みだらじゃないのかなぁ? 逆にいえば『みだらでない性行為』というものがあるのだろうか。まず目標に向け、年間活動工程を決める。礼儀正しくあいさつを交わした後、『それでは定刻になりましたので、始めさせていただきます。本日の実施内容ですが、まずは・・・』みたいな感じで始まり、終了後は反省会をして次回にいかすことも忘れてはいけないし、色々な項目についてのグラフ化、当然議事録も残さないとダメだ。と、そんな訳ゃないな。
◍4週間後(四七日) 裁判官:五官王(ごかんおう)
五官王(ごかんおう)という裁判官により、生前人を傷つけるような言動をしていないか、嘘をついていないかについて裁判を受ける。故人の罪の重さを天秤にかけてはかるのだという。
唐突だが、全ての人はこの世に生まれる時に2人のスパイを両肩に埋め込まれている。SF映画みたいだが、とにかく埋め込まれた本人さえ気づかない。当然リアルな人間ではないから目には見えない。もちろん『小さい』というものではなく、現実世界では実態はなく、いざ裁判となってはじめて表舞台に出てくるなだ。
目に見える形になる時には童子の姿をしているのだが(左肩には男の子、右肩には女の子)、本裁判において、その童子に死者の生前の言葉について全て報告させるのである。なんと恐ろしい。こうしている私の肩にも2人のチクリ童子が住んでるんだなぁ。 《 続く 》