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舞台『中村仲蔵』広島公演2日間の感想覚書

⭐︎3/23 最初の方に観劇したお席、最後の方に広島公演での地方ネタ、カーテンコールの様子など追記しました!

※藤原竜也さんのファン目線で書いてます。
※思いつくままに書いてます。
※ネタバレめちゃくちゃあります。
※松井今朝子さんの『仲蔵狂乱』、初世中村仲蔵自伝『月雪花寝物語』、三代目中村仲蔵自伝『手前味噌』の内容についても触れています。

広島公演2日間行ってきた感想を書いています。スマホのメモそのままです。

⚫︎お席(竜也さんFC先行にて購入)
1日目…二列目どセンター。近くて嬉しい!!ただ前の方の頭で演者さんの足元は若干見えづらい。

2日目…三列目(一列目が無いので実質二列目だけど)やや上手寄りの通路側。こちらの方が演者さんの表情や舞台全体の様子もすごく見やすかった!!

・「幼少期をスルーはできないと思うけどどうするのかな?」と気になってたけど、晩年の仲蔵の回想っていうやり方で、ベタだけど時間割かずにちゃんと情報伝えられてたな。さらっとすぎて物足りなさもあったけど、時間にも限りがあるし仕方ないかな。
グレイヘア仲蔵、みんなボンベロ思い出すって言ってたけど私は真っ先に『1/f YURAGI』で謎のビジュアル系みたいな恰好させられてる竜也さん思い出したよ…笑 アイメイクも相まって余計に。あんな髪型してなかったっけ?笑
写真集はちょっと笑ってしまうんだけど(コラ)グレイヘアの仲蔵はかっこよかった。(あんなかっこよくて良い声なのに役者人生終わらせるには早くない…?)

・若き日のナカ坊、「はいはい!はーい!」って言いながらトタトタ走り回ってるのかわいかった。私も汗拭いてほしい()
竜也さん、今のお歳になってもああいう元気な弟分的な役もハマるの何なんだろうなー、竜也さんがいつまでもかわいいからだろうなー(自己完結)

・高嶋のお兄ちゃんの團十郎かっこよかったなあ…!オーラが凄かったし、懐の深さまで感じられた。みんなが憧れる人という役どころがぴったり。歌舞伎の場面もどれも素敵でした。

・仲蔵の受けた性暴力について。
八百蔵は今回の舞台では一方的に好意を寄せて事に及んだ悪役的に描かれてるけど、実際はその後も仲蔵との仲は良くてアニキ的存在だった。ただ仲蔵16歳の頃、吉川に気に入られた仲蔵に八百蔵が激怒し5人がかりで仲蔵を気絶するまで手篭めに…という惨い目に遭わせている。
(ちなみに仲蔵は八百蔵以前にすでに13、4の頃に市川久蔵という人に手篭めにされてる。怖くて誰にも言えなかったという)
舞台版で楽屋嬲りの場面にも少し出てきた『越王句践』(「舐めろ!」って言われてたやつ)実際は、全裸にされてからその場の全員のを舐めさせられるとのことでもっと酷い。
男社会、しかも閉鎖的な世界ならではの性暴力が横行している…。
性暴力という一面だけを取っても、若い仲蔵がどれだけ傷ついたことか察するに余りある。
なので舞台版でも相当酷いことはされてるんだけど、それでもかなりライトに見えてしまうほどだった。希死念慮に囚われるほどの仲蔵の苦しみ、もう少し掘り下げてくれてもよかったような。
(ちなみに仲蔵が入水自殺を図ったものの助かったくだり、史実はちょっと間が抜けてて笑えるのでみんなぜひ『月雪花寝物語』読んでほしい笑 いや追い詰められた末の自殺未遂を笑っちゃいけないんだけど、すべらない話に出れそうなくらいおもろい笑)
ともあれ、この一件で仲蔵が大きく変わったことは間違いないだろうな。
ドラマ版・舞台版、そして松井今朝子さんの『仲蔵狂乱』でもここで仲蔵を救う存在を登場させてドラマチックに脚色しているおかげで、臨死体験を経て生まれ変わった仲蔵が生き生きと描かれていて物語にも深みが生まれているので良いなあと思った。今回の舞台では新左衛門さん。ドラマ版の謎の侍もかっこよかったけど、役者の性を捨てられない仲蔵を自覚させる存在、そして仲蔵を見守る存在でもある新左衛門さん、さらに物語を深くさせてくれてたと思う。
「私はなにゆえ、そのような目を…」あの、無自覚に仲蔵の職業病=「役者の性」が出てしまっている場面すごく好き。
養父母を亡くした仲蔵を見守る人はもはやいなかったけれど、仲蔵は気づかずとも三味線を弾きながら遠目に見守り、静かに去っていく新左衛門さん良かったなあ…。

・八百蔵然り新左衛門然り、イッチーと竜也さんが舞台上で並んでるの胸熱だった…!
イッチー、実はかつての最推しで写真集もカレンダーも持ってて、笑 今でも出演作やSNSは目を通しててゆるく推し続けてる。一時期似たような役しか来なくて、プライベートでも色々あり低迷していた感があったけど、ここ数年で大人の色気のあるいい役も来るようになり、器用な人ではないけどすごく真摯で努力家だから実力も伴ってきたと思う。
『リバース』での竜也さんとの初共演もめちゃくちゃ嬉しかったけど、特に『太陽は動かない』では竜也さんと並んでも対等な立場に見えるオーラのある役者さんになったなあ…と勝手にしみじみしてた笑
そしてついに初の舞台上での共演!!嬉しいけど、芸歴の差こそ無けれ圧倒的に舞台経験は竜也さんよりイッチーのが少ないから、少し心配でもあった。が!杞憂も杞憂、ご本人の巻き舌気味の元々の口調(川崎の狂犬の名残笑)がべらんめえ調と絶妙に合っているし、声も良いし、仕上がった肉体そして堂々とした立ち居振る舞いで高嶋さんや竜也さんと並んでも全く飲まれていない。役どころが仲蔵より目上の存在だったり憧憬の対象だから、竜也さんとの絡みで見劣りしていたら台無しになるけど全く心配無かったなー!
三味線もお見事でした。イッチー確かギターすら弾けないのに、フレットも無い三味線なんて本当に大変だっただろうな。
あー、裏でお二人がどんな話してたのか気になるよー!飲みに行ったりしたのかなー、どこかでそんな裏話聞けるかな…笑 切に再共演願います!!!

・定九郎かっこよかった。白黒の衣装に赤い血糊のコントラスト、たったひとつの台詞で魅せる格好良さ。仲蔵苦心の末に作り上げた定九郎が未だに継承されていることも、それを竜也さんが演じてくれたことも奇跡だな。(ちなみに仲蔵が定九郎の演出を考え、演じて、ウケなかったと勘違いして大坂に旅立っちゃうけど結局評判良かったことがわかり、しれっ〜と帰ってくるというちょっとお間抜けなくだりが3代目中村仲蔵の『手前味噌』に書かれてます。いやほんとこの人面白すぎる。笑)

・外郎売は期待していた通りすごかった。あれ、カンペ見ながらでも難しいのに(演劇部時代みんなで苦戦してたのが懐かしい)完璧に頭に入れた上で淀みなくペラペラと、しかもあれだけ情感豊かに…あんな薬売りさんいたら買っちゃうよ、確実に。
仲蔵にどんどん視線が集まっていく演出、引き込まれていく私たち観客の心をそのまま表現しているようで良かったな。
竜也さんは劇団員でもないし滑舌ではあまり苦労なさってそうにないし、外郎売をちゃんと読まれたのはもしかしたら今回初だったのかな?実際の仲蔵自身はやっていないはずだけど、台詞で魅せる竜也さんの真骨頂が生かされるいい見せ場だったと思う!

・三番叟も華やかで素敵だった。お稽古大変だっただろうな、とかあと少しで舞台終わっちゃう(泣)とか色々複雑な気持ちが入り混じりながら観てた。
ラストでお俊が出てきたところ、仲蔵は名題役者になって「御恩に報いることができた」という晴れがましい気持ちの中に、やはりそれでも「しかしまだこの先がある」という思いもあったのかな。
観客としてはどうしてもお俊と蜷川さんを重ねずにはいられなかった。竜也さんは仲蔵を演じ切ったとき、どんな思いで大楽を迎えられるのだろう。

・蜷川さんといえば、三笑が灰皿投げるくだり笑った笑 1日目、「え、今投げたの灰皿?まさかね…」と思ってたら「灰皿投げるのやめてもらえますか」で爆笑。全体的に、思ってたより笑いの多い舞台だったな。たくさん笑わせてもらって楽しかった。
ただ、笑うとこじゃない場面でも笑ってる人がいたりして気になったけど…。舞台全体的に笑いがもう少し少なめで、仲蔵の影の部分をもっと出してもよかったんじゃないかな?と思った。(確か舞台やるって発表されたときに源さんが「影の部分を…」って言われてたから、もっとそっち寄りを期待してしまってた。蓬莱さんの演出だから笑いが増えたっていうのもあるのかな)
楽屋でさんざんいたぶられて自殺未遂にまで追いやられたのに、あっさり許しすぎてない…?ってのもちょっと気になった。お俊にも相当酷い折檻受けてるのに、最後まで母親思いのナカ坊で通ってたのもなんだか…。
と言ってもあの短い時間では細かいところまで描ききれないだろうから仕方ないとも思うけど。
源さん、今回はお岸や吉川の存在をバッサリ無くしたり、幼少期を軽い回想で済ませたり、観客にわかりにくそうなところはコン太夫に語らせたりと工夫して、削るところを潔く削られてるなと思った。仲蔵、面白いエピソード多いから脚本でどこを使うかすごく悩まれたと思う。
でも仲蔵について知れば知るほど面白エピソード多すぎてもったいないんだよなあ…!削らなくていいように大河ドラマ中村仲蔵・主演藤原竜也でやりませんか?仲蔵の人生のドラマチックさとか、小説より奇なりな面白エピソードの数々はほんと「持ってる人」だなと思う。大河にぴったりじゃないか…!!!

・竜也さんって仲蔵の生まれ変わりなんじゃないかなってついつい思っちゃう。共通点も多いし、若い頃のイタズラがレベチなところもそっくりで笑ってしまう笑
逆に真反対な部分もあるんだけど、それも含めて。仲蔵は声が良くないことと、血筋がものをいう世界で実力のみで底辺から這い上がらなくてはならないという点で苦労をした。だから竜也さんは仲蔵が持っていなかった美声を持って生まれ、下積み無くシンデレラボーイ的デビューを果たすという真逆の環境に、見えない力でもって置かれたんじゃないかな、なんて。仲蔵の生まれ変わり、もしくは仲蔵が亡くした息子の生まれ変わり。それでも厳しい師匠に心身ズタボロにされたり笑、引き摺り下ろされないよう常に邁進し続けなければならないしんどさは同じなんだけど…
まあこじつけだけど、仲蔵について知るほどについつい竜也さんと重ねてしまう。

・まだ書き足りないけど、うーん…。また加筆するかもしれない。
しかし何と言っても藤原竜也に「役者は演じてなんぼだ!!」と叫ばせてくれた源さん、末代まで感謝します。「役者馬鹿」が「役者馬鹿」を演じる、そんな奇跡を見せてくれてありがとうございます。この先竜也さんにもし万が一何かあって役者を辞めることになったとしても、(そんなことは無いことを祈るけど)14歳の何も知らない少年だった竜也さんを引き寄せたのと同じ見えない力で、きっと何度でも引き戻されるんだろうなあ。芝居の神様が竜也さんを離さないはず。

・舞台を観に行く前に松井今朝子さんの『仲蔵狂乱』、初世中村仲蔵の『月雪花寝物語』、3代目中村仲蔵の『手前味噌』(初世仲蔵に関するところだけ)を読んでいたのだけど、もうその時点で、苦労人で、なのにお人好しでちょっと間が抜けてて、役者馬鹿な中村仲蔵のことが大好きになってしまってた、魅力的すぎて。からの観劇だったので、好きな人が好きな人を演じてくれる嬉しさありがたさをしみじみ感じた。
歴史上の人物を推すのなかなかに大変だし(すでに漱石推してる)もう増やしたくない気持ちもあるけど、これから仲蔵さんについても少しずつ知っていきたいな。
人生でまだ二度しか観たことない歌舞伎や、江戸の風俗にも興味が湧いてきた。あと江戸時代の文章読んだの初めてだったけど、読めるもんなんだなーとわかってよかった。竜也さんのおかげでまた新しいものに触れられて、世界が広がった気がする。ありがたい…!仲蔵さんが昔演じた演目もいつか観てみたいな。

・広島公演2日観に行けたものの、中毒性が高くて2回じゃ全然足りないよ…!と思っていたところで大阪の劇場のお席開放の案内が来たので衝動的に追加してしまった…!今度は娘と2人で観に行ってきます!!!(諭吉が笑顔で飛んでいく絵文字)

⭐︎3/23追記…他の方の感想を見てたら、そういえばカテコの様子とか何も書いてなかったと気づいた…ので少し追記笑

・コン太夫さんの地方ネタ(?)のところは1日目は「お好み焼き」、2日目は「ウニホウレン」(←全国的にはマイナーなのにありがとうという気持ち笑)でした!

・2日目は外郎売のあとの仲蔵さんの胴上げと仲蔵コールは無しでした!うまく胴上げできなかったのかな?笑

・仲蔵「どうでしょう」コン太夫「誰なんだよ!」のくだり、1日目か2日目か忘れたけど「ミスター⁉︎」ってコン太夫さんが言ってて、え、長嶋さんなの?って思った。ミスターのそんなCMとか昔あったのかな?結局誰なのかわからない笑

・カテコは2日間ともに3回だったと記憶してます!
どちらか忘れましたが舞台から一旦はけるときに竜也さんとイッチーが何か楽しそうに笑顔で話してるのが可愛かった♡♡もっと見せてー笑
最後の言葉は両日とも竜也さんからの「本当にありがとうございました!」というような感謝の言葉と、その次に「最後に高嶋のお兄ちゃんから一言!」のフリで高嶋さんの「広島のお客様は神様です!」でシメだったと思います!

・広島公演は花道は無しだったので配信のお知らせ動画で初めて花道使ってるのを見て、全然印象違う!と思った!花道無しの演出は映像に残らないと思うと、逆に貴重かもしれない。大阪はどうなんだろ!?

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