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おコメのデンプンをα化するための条件を再考する

玄米の炊飯実験をしてきて、「不思議な現象」とか、「再現性が無いかもしれない」とか、なかなか整ったデータが得られないことを以前の投稿で書きました。


なにか、まちがってる?

炊飯実験といっても、「炊飯前の玄米の重量」と「炊き上がった後の玄米ご飯の重量」を比較して美味しいポイントを見つけようとしているだけです。難しいことは一切無い。

ふっくらと炊き上がって美味しく出来た!という時、炊き上がり直後の玄米ご飯は、炊飯器の釜の表面の様子はこんな感じです ↓↓↓

炊飯前後に重量をチェックするという、こんな単純な作業を繰り返しているだけなのに、なぜこんなにも回を重ねる毎に異なる値が出てしまうのか? 本当に理解不能。

「こんな実験を続けても意味あるの?」と思ったり、「再現性が無いかも」なんて弱音を吐きながらも「そんなことあるはずないけどなぁ」という気持ちもあったり、何度も何度も疑問の間をグルグルと往復しながら、自問自答を重ねてきました。

高速で測定する装置のこと

「何か前提条件が間違っているのかも?」という思いで、いろいろな情報を漁りネット検索していました。

その中で「RVA」という装置のことを思い出しました。
(※RVAとは「Rapid Visco Analyzer:ラピッドビスコアナライザー」のことで、日本語に訳すると高速粘度分析装置。)
米や小麦を始めとするデンプン類の粘度計です。主にテクスチャーや食感の評価に利用されますが、デンプンの分子状態を推定することができます。

以前勤めていた会社では原料受入の現場では、日々トン単位で入荷される原料米の品質検査として測定結果が使われていました。
大量の米のうちの少量を抜き取って測定していたのですが、そんなに大きなブレは無かったのです。

粉末なら4分間

そして、ネット検索で得た【RVAの測定チャート】(加熱時の経時変化)をじっくりと眺めていると、気づいたことがありました。測定開始から終了までに要する時間が「20分間」。

つまり、測定誤差を小さくして再現性のある結果を得ようとすると、「高速で処理しなければいけないのかも?」という小さな気付きが浮かんできました。

そして、この場合の「高速で」という意味は、「強火で加熱する」条件と言い換えることができると解釈しました。

実際、測定チャートのグラフをよく見ると、加熱している時間はたったの「4分間」だけです。あとは、温度をキープ(95℃で7分間)して、その後4分間かけて50℃まで冷却しています。
さらにグラフを詳しく見ていくと、「糊化開始から最高粘度に到達するまでの所要時間が約3分間」であることが分かってきます。
この測定に使われるのは「粉末」の試料という条件。
玄米の粒」か「米の粉末」かという違いがあることを考慮するにしても、やっぱりかなりの短時間のうちに「一気に糊化(α化)し吸水する」ことがイメージできます。

このような温度条件で測定すれば、測定値は整ってくると想像しました。

強火で加熱

ということで、「強火で加熱」すれば上手くいくという仮説を立ててみました。

最新式のIH炊飯器とか土鍋が必要?
玄米食を始めた2022年の夏に圧力鍋も買ったけど、普通の炊飯器との差が出なくて長い間放置したままになっているなぁ。圧力鍋の火力って。。?

足かけ3年という結構長い時間を費やしてきましたが、「やっとここまで辿り着いた」という心境です。実験条件を決めるのに何年かかっとんじゃ!というもどかしい気持ちもあります。安定した条件に早く辿りつくにはこれだけの予備実験が必要だったんだという回想もあります。いずれにせよ、期待は高まります。
「いよいよ始められる」「やっと始められる」という感じ。

RVAについて

ここで一度、知名度の低い装置「RVA」について解説を添付しておきます。
あまり聞きなれないと思いますが、興味ある人にはきっと有効な情報になるはずですので。
RVA装置とは、……↓↓↓

https://www.aichi-inst.jp/shokuhin/other/up_docs/news1805-2.pdf

https://www.aichi-inst.jp/shokuhin/other/up_docs/news1208-2.pdf

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