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【詩】路上シンガーと春風
駅のロータリーに
響く若い歌声
掻き鳴らすギター
まばらな拍手
夢追う若者
日曜日の日差しに照らされて
春風に髪を乱して
心無い罵倒は聞こえない
冷たい視線は感じない
夢追う若者
私の心はしんとして
震えることを忘れた
流行りの歌の
歌詞は思い出せない
もう若くない
日曜日の日差しに目を伏せて
春風に追いやられて
心無い罵倒に身をすごめて
冷たい視線にゾッとした
もう若くない
日差しは夢追い人のために照り
風は夢追い人のために吹いた
私は目を閉じて
歌声から逃げるように
足早に歩いた