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貯蔵フリークと考える「しわしわジャガイモ」

私は「しわしわジャガイモ」が好きだ。

「しわしわジャガイモ」とは、ジャガイモを収穫したあとに熟成をさせたもの。見た目はしわしわだったり、少し芽が出ていたり。でも、一口食べると水分がある程度抜けるからなのか、場合によっては糖化が進むからなのか、そのギュッと濃縮された味わいに驚く。

ジャガイモ貯蔵フリーク誕生

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何を隠そう、しわしわジャガイモと同じくらい「ジャガイモの貯蔵」が好き。むしろ、ジャガイモが好きな理由のうちの一つが貯蔵だとも言える。

ジャガイモの貯蔵はむっちゃくちゃ難しい。玉ねぎもらしい。

そんな、ジャガイモ貯蔵との出会いはオランダだった。

バラか、木箱か、バッグか、スチールコンテナか

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「バラ?木箱?」とはじめに聞かれた時は、その意味がまったくわからなかった。誰がジャガイモの貯蔵の話だと思うだろうか。

バラ貯蔵とは、収穫したジャガイモを貯蔵庫の中でそのまま積み上げること。木箱は文字通り木箱に入れること。オランダはこれが一般的。バッグもある。日本はスチールコンテナとかプラスチックコンテナが多いかな。

My貯蔵庫を持つこと

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オランダ農家はMy貯蔵庫を持っているので、数多くの貯蔵庫を見せてもらった。強制換気が基本で、システムなどを使って管理する。これは各生産者がいい状態で貯蔵をしておいて、高く販売できる時期に出荷するためだ。

ベルギーの生産者に貯蔵庫に聞いたら「収穫後すぐに販売の貯蔵庫に持っていくよ」と言っていたので、オランダ独自なのかもしれない。

ジャガイモビジネススクールと貯蔵の練習問題

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そうそう、ジャガイモビジネススクールに参加したときも、「貯蔵」だけで約1日が費やされ、温度管理の考え方などみっちり指導を受けた。

オランダのロス率は、全貯蔵量の4〜5%。中国が20%、チリが10%らしいのでだいぶ少ないようだ。

乾燥させてから冷やすという話で(ざっくり)ひたすら以下の公式を連呼していた講師。

イモの温度>貯蔵庫内の室温(空気の温度)=乾燥!

温度、湿度設定条件が提示され、イモ内の水分量がどの程度になるか?
時間帯別の設定温度はどうすべきか?

そんな練習問題を世界中のジャガイモ関係者(生産者、育種家、農協のような組織の職員、ジャガイモ機械メーカー社員など)とひたすら解いた。貯蔵庫のデザインについてのディスカッションもした記憶がある。今思えば不思議な時間だ。

ただはっきりと覚えているのは、講師が「humidity(湿度)」を「humanity(人類)」って言うものだから、あたまの中で湿度が踊り出してしまって大変だったこと。

貯蔵にはまって、なぜかジャガイモポストハーベスト学会のようなものに話参加し、2日間ジャガイモの収穫後についての研究発表を聞いた。無駄に貯蔵知識だけが蓄積されているが、まったく実生活に活かせない。

貯蔵のアレコレ

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ちなみに「貯蔵」もさまざま。日本だと雪で貯蔵してじっくり甘みを出すとか、収穫後にロスを少なくする工夫をしながら貯蔵して、年間通して供給できるようにしているとかいろいろな目的ややり方がある。当然、気候や設備など制約がある中で工夫を凝らしている。

しわしわジャガイモフリーク(生産者など)たちに、北海道などのすごいジャガイモ貯蔵庫を見てほしいなーとも思う。貯蔵に真剣に向き合うかっこよさ!

個人的には、世界のジャガイモ貯蔵庫を見てまわりたい。中国北部のジャガイモ産地も気になるし、チューニョなど加工して貯蔵をしてきたペルーの今の貯蔵方法とか、ジャガイモ生産が増えているアフリカの国々とかどうなっているんだろうとか。または、貯蔵せずに食べ切ってしまうのか、とか。あー気になる。

最後はしわしわマゼランで締めよう。

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