【24年10月14日】ザ・カブキ
11年ぶりに観た「ザ・カブキ」
東京バレエ団の「ザ・カブキ」(M.ベジャール)、11年ぶりに観てきました。
「現代の東京」のシーンであるプロローグが、以前まで見てきたものと美術などの演出が変わっていました。
電動キックボードが舞台を行き来して、より「現代」に。
しかしもともとが80年代の作品なので、やはりこのシーンはどうしても現代というよりも…初めて観たときから正直言うと少し「ダサく」感じてしまうのです。キーボード叩いている振付とか騒がしい映像とか、80年代の共同幻想としてのトーキョーというか…。80年代、私は子どもだったので、リアルなところはよくわからないのですが。
ともあれ、好きな作品です。忠臣蔵の世界に現代の若者が交錯するので複雑ですが、踊りなのでストーリーにとらわれなくても楽しめます。誰かに感情移入して観る感じは私にはありません。それでも、赤穂浪士の討ち入りから切腹までのラストの踊りは、この作品の見どころの一つだと思います。あと、由良之助の長いヴァリエーション。
舞台のおもしろさ
劇場を出て、なんとなく出待ちの観客たちにまぎれて過ごしていたら、バレエの先生にばったり会いました。
「宮川さんの由良之助、どうでした?」と聞かれて「んー、おとなしい印象でしたね」と答えました。あとで宮川新大さんのインタビューを見つけて読んでみたら、「僕の由良之助は、おそらく歴代の由良之助とは違うタイプになると思います」とあり、なるほどと思いました。
同じ曲、同じ演目でも人が変わればまた違う作品になるところが、舞台のおもしろさでもあります。
撮影:丸橋ユキ