見出し画像

顔はキャンバス、コスメは絵の具(ポイントメイク編・後編)

はじめに


豆苗を育てていると、時の流れの速さに驚くことがある。

ついこの間スーパーで買い、はじめてハサミを入れ、豆苗を刈りつくしたはずなのに。
気がつけば豆苗は生い茂り、きっと明日か明後日には燃えるゴミとして捨てられる。

不思議なものだと思う。
ただそれは何も豆苗に限った話ではなく、私の過ごす一日一日の時間、その時間に対する感覚の鈍さが豆苗という形で可視化されたに過ぎないのだ。

何が言いたいかと言うと。

前回の記事から約1年が経った。

この1年の間に使うコスメは変わったし、メイクの方法も変わった。

豆苗の日々の成長にすら鈍感な私には、自分の顔面についても特段の変化を見出せないけれど、顔も多分変わっているのだろう。
変化しないものはないのだ。多分。

そんな変化を間に挟んでまで「ポイントメイク編」を続けるかどうか迷ったが、前回の最後に「後編に続く」と書いちゃったし、久しぶりにnoteを書きたくなったので、書くことにする。

例のごとく長いです。


アイライナー

ヒロインメイク ソフトディファイン クリームペンシル 03チェリーブラウン 

ペンシルアイライナー。
私が使っているのは03チェリーブラウン。

「クリームペンシル」という名の通り、書き心地はソフトでなめらか。
色についてはよくわからない。「チェリー」と言うほどチェリー味は感じない。普通の赤っぽい茶色。

アイラインは難しい。少なくとも、私にとっては。

顔面の都合上、パキッと発色するリキッドアイライナーを使うとアイラインだけ浮いてしまう。

思うに、リキッドアイライナーは切れ味が良すぎるのだ。
上手く引けば引くほど、「肌」と「アイライン」の境界がくっきりし過ぎる。

そのため、強調したいのは目なのに、明らかに目尻だけが存在感を放つという現象が起きる。助けてほしい。
同様の理由で、黒などの暗い色もNG。

この製品はペンシルらしく、ほどよく肌に馴染みつつ、細い線もきれいに引ける。色も絶妙なブラウンなので、目の際の影を延長するような感じで、悪目立ちしない。
持ちも良く、9時間ほど泣きも笑いもせずパソコンを見つめ続けていても落ちることは無かった。

私は生まれた時から一重で、おそらくこれからも一重であり続ける。

これは一重に共通した形質かわからないのだが、私の目はまぶたがまつげの際にかぶさっている。いわゆる目の際、まつげの根本の部分が隠れているのだ。そのため、メイク動画で頻出しがちな「まつげとまつげの間をアイライナーで埋める」という使い方をしたことがない。

私にとってアイラインとは「目尻を延長するもの」である。

なので目の際の引きやすさとかは分からない。黒目下に引いてみたら普通に引きやすかった。

つり目もたれ目も分からないので、自分の目尻を延長する気持ちで書いている。あとは風の吹くまま、気の向くままに。

好きな人と遊びに行くときは喜びで長く引く。
それ以外の用事は悲しみで短く引く。

マスカラ

ettusais(エテュセ) アイエディション(マスカラベース)

透け感のあるブラックのマスカラ下地。
繊維入りでナチュラルにまつげが長くなる。

目の形状のせいか、それとも前世に罪を犯したせいかわからないが、マスカラを塗るとパンダ目になる。どんなに「落ちない」とされるマスカラを塗っても目尻に色が写りまくるので、諦めて囲み目メイクということにしていた。

エテュセのマスカラ下地に出会うまでは。

なんと言っても落ちない。少なくともただ生きているだけでは落ちない。のみならず、マスカラ下地の上に塗ったマスカラも落ちない。どういう仕組み?
流石に泣いたら上に重ねたマスカラは落ちるが、エテュセ単体では落ちない。

エテュセに出会って囲み目を卒業した。

「落ちない」という一点だけで私にとっては表彰ものだが、それ以外の点も優秀。
繊維が入っているため、まつげが長くなる。しかし液はサラッとした感じで、薄いブラックなので、何度重ねてもナチュラル。単体の使用だと少しツヤのあるセパレートまつげに仕上がって非常に上品だ。

特に下まつげへの使用を強くおすすめする。いや、上まつげにも使ってほしいけど。
この製品は下まつげも強調したいけど上まつげと同程度まで強調すると下まつげボンバーになってしまう……という絶妙な悩みを鮮やかに解決してくれる。

薄いブラックでコーティングしてツヤを出しつつ、繊細に長さを出してくれるので、自然に美人度がアップする。

私は上にも下にも使う。ほぼ毎日欠かさず使う。

私を前世からの業であるパンダ目から救ってくれたので、心酔している。

ちなみに私はまつげを上げないのでカールキープ力については言及を控える。
また、色展開については、ラベンダーブラックとバーガンディーのものもある。

こちらコームの形状がブラックのものと違う。
具体的には、目の粗いコームと目の細かいコームで諸刃の剣状態になっている。
バーガンディーを持っているが、色味が可愛いのでおすすめ。
赤っぽい目元にしたいときや、赤っぽいマスカラの下地として使うといいと思う。

ettusais(エテュセ) アイエディション(マスカラ)G01 ダスティパープル/G02 サンディグレージュ

エテュセに救われた私は、カラーマスカラを求めてさまよっていた。

元々青みピンク系のアイシャドウを使うことが多かったので、ブラウンはなんとなくしっくりこず、かといってブラックのマスカラを使うと目の印象が強くなり過ぎてヴィランになる。

そのため私は、アッシュ系のマスカラを求めていたのだ。

今はアッシュ系が定番化してきているが、私が探していた当時はプチプラのグレーマスカラは希少で、そんな時に発売したのがG01 ダスティパープルとG02 サンディグレージュだった。
パープルのマスカラも大好物なので2本とも即買いした。

コームはやや太く毛は密。
太く短いタイプなので、個人的にはちょっと塗りづらい。
目尻の部分など、繊細な技術が要求される場面ではもどかしく思うことも多い。液はややもったりとしているため、一回でしっかりつく。

G01 ダスティパープルは暗めの青紫のマスカラ。
サンディグレージュにも言えることだが、それほどはっきり色がわかるわけではない。
あくまで普段使いできる範囲で、暗めのベース+ニュアンスとしてのパープルやグレー。

光が強く当たると、「カラーマスカラかな?」と分かる程度。
この発色具合は各人の好みによって評価が分かれると思う。
ちなみに私的には100点です。普段使いしたかったので。

G02 サンディグレージュはアッシュ系のマスカラ。
こちらも落ち着いたくすみカラー。まさに顧客が求めていたもの。

ちなみに、このマスカラはゴールドのカラーパールが配合されているらしい。
基本的にゴールドは感じないが、サンディグレージュを塗った日に友達に「緑色のマスカラ塗ってる?」と聞かれたことがあるので、光の加減で若干ニュアンスに影響を及ぼすのかもしれない。

ダスティパープルは青み系のアイシャドウと相性抜群。
ミステリアスでクールな雰囲気のまつげになる。
サンディグレージュは普段使いにちょうどいい。ブラックより柔らかく、ブラウンよりクール。くすみカラーのため雰囲気が出てお気に入り。

ヒロインメイク マイクロマスカラ アドバンストフィルム 01 漆黒ブラック/02 ブラウン

ヒロインメイクのマスカラは種類が多い。
私が愛用しているのはロングタイプ。

ロングタイプなだけあって、まつげが伸びる。前述したエテュセのマスカラ下地を塗っているせいでもあるが、それにしても伸びる。

コームは細長く、目尻や下まつげもきれいに塗れる。

ブラックとブラウンの2種類を持っているが、色については特に言うことはない。ブラウン×青み系アイシャドウも結構いいと思った。

かっちりメイクは主にこのマスカラ。
普段はブラウン、殺意に燃えているときはブラックという使い分け。

ブラウンは柔らかくまつげの印象を強めてくれて、ブラックは著しくまつげの印象を強めてくれる。
アイシャドウがシンプルなときや逆にガンガンに濃い印象のときはブラックがいいと思う。

目尻と下まつげを中心に塗る。
コームが細いので縦にしても塗りやすい。
最近は束感を意識して複数のまつげを統合する勢いで塗っている。

自分の目のコンセプトを「鋭さ」にしているので、まつげを上げることはしない。
一度まつげをギャンギャンに上げてみたら「鋭さ」が衰えたのでやめた。あと目の印象が強くなり過ぎて怖くなった。
イルカが流線形のボディで水中の抵抗を減らしているように、私もまつげを上げないことで目の鋭さを確保している。

あと、すだれまつげが好きだ。
少しうつむいた目元に長いまつげがかぶさり、瞳に影が落ちるのが最高に色っぽいと思っている。

そういう人に私もなりたい。

なのでまつげは上げない。

チーク

ちふれ パウダー チーク  300 パープル系パール

チークが苦手だ。
未だに正解が分からない。過剰も不足も分からず、鏡の前で戸惑ってしまう。
これはニュアンスを変えるためのハイライトを兼ねたチークだが、私は単体で使っている。

色はシアーなラベンダー。それほど色はつかないが、つけ過ぎる心配がないし、何より肌に透明感が出る。

チークを塗るとなんとなく肌が汚く見える気がして嫌だったのだが、これはそこまで汚くならないので気に入っている。
頬の高い位置にななめに入れる。少しツヤが出てきれいになる。

ハイライト

セザンヌ パールグロウハイライト 01シャンパンベージュ

素直に塗ると顔が著しく発光する。
蓋などで軽く粉を落としてから塗るのが吉。

ハイライトに対して良い/悪いの尺度を持ったことがない。
それは、使ったアイテムの少なさに要因がある気がするし、私の生来の雑さが要因な気もする。
光に光以外の価値はなく、落ちやすさとかも意識したことがないので不明だ。

額と鼻根と頬の高い位置に塗る。
ルーティン化されているが、ハイライトが示す驚くべき効果というものを感じたことがない。

しかし、メイクにおいて肌の質感、陰影のつけ方等の「土台の力」が要求されるように、ハイライトによる「光の効果」も地味ながら全体の印象アップに役立っているのだろう。

残念ながら私には微妙な質感や印象の違いというものが分からず、目覚ましい効果を上げるもの(アイシャドウ、リップ、マスカラ等)に飛びついてしまう。

まだまだ修練が足りない。

シェーディング

ナチュラルマットシェーディング 02クールトーン

クールトーンのシェーディング。
グレーがかった色味のシェーディング、かすかにピンクっぽさも感じる。
そこそこ薄づきなので、つけ過ぎる心配がない。

シェーディングについても、ハイライトと同様、良し悪しがわからない。
そもそも塗っていて、ちゃんと色が乗っているかもわからない。
一度シェーディングした部分を爪でひっかいてみたら、爪の間に茶色の粉が付着していたので、おそらく色がついていることはついているのだろうが。

私の顔面にはフェルマーの最終定理を書き切れそうなほど余白があるので、顔の周縁をガンガン削る。

今思ったけど自虐のしすぎはよくないね。
明らかにルッキズムを内面化している。
なんにでも「最高!」と言ったり、自分の全ての行動に「天才!」と言ったりすることに虚しくなるたちなのだが、自ら進んでコンプレックスを再生産する必要もあるまい。

私の顔面は美しいゆとりがあるので、そこを陰影で飾り立てる。

効果があるかはよくわからない。
ただ、つけ過ぎるよりはマシであろうと思う。

気が向いたら眉頭~鼻根のあたりにシェードを入れる。
鼻回りにシェーディングを入れると、確かに顔が締まるような気がするのだが、同時に顔面の情報量が多くなり過ぎる気がして最近は控えている。

アイメイクが薄いときや、ナチュラル美人を目指すとき、少しハンサムな雰囲気に仕上げたいときは入れるようにしている。

リップ

ケイト リップモンスター 05 ダークフィグ/12 誓いのルビー/13 3:00AMの微酔

遠からん者は音にも聞け。近くば寄って目にも見よ。
これこそコロナ禍に産まれしケイトの怪物、リップモンスター。

正直落ちにくさは気にしたことがないのでわからない。
べっとり色がつくタイプではないのでそれほど目立たないが、マスクをして飲み食いを挟み会話をする状況だと、時間経過に従ってやや色あせる気がする。
色の落ち方はきれいなので、特に目立つことはないように思う。

何といっても色が絶妙。

一番使用頻度が高いのは3:00AMの微酔。青みと白みを感じるくすみピンクで、「ピンクは使いたいけど明るいピンクは似合わない」という悩みを解消してくれた。
濃い色を塗る前の土台としても優秀。濃い色と肌色の架け橋になってくれる。

単体で使うと可憐で、サブとしても優秀なので、明らかに減りが早い。
以前は「リップモンスター」と言えば品切れというイメージだったが、最近は流通が安定しているようだ。良かった。

誓いのルビーはワインレッド。悪女みたいな唇になる。
単体でつけるとシンデレラの継母みたいな顔になるので、私は3:00AMの微酔の上に重ねて使っている。
どこか妖しい雰囲気になって良い。モノトーンメイクと合わせると、顔が冷たくなって素敵。

ダークフィグは都会的なブラウン。
ブラウンリップに憧れがありつつも似合わないことは目に見えていたので手を出してこなかったが、ダークフィグはいけた。
くすみ、赤み、青みがありつつ、ブラウンとしての要件は満たしているので、「青みがないと無理だけど薄暗いブラウンリップを使いたい!」という要求にぴったりはまってくれた。
濃く塗りすぎるとさすがにちょっと浮くが、もともとがシアーな質感なので、サッと塗ると一気に雰囲気を変えてくれる。
オシャレな唇になるので大助かりだ。

エクセル リップステディ SD01ブライズメイド

最近発売のリップステディ。SD01ブライズメイドは雰囲気のあるピンクベージュ。発色は控えめで、元の唇の色に左右されそう。
プランプ効果があり、塗ったあと少しスース―する。
そこまで激しい清涼感ではないが、苦手な人は苦手だろう。

色がいい。上品でどことなく浮世離れした色。
主張する色ではないが、ナチュラルに雰囲気が出て良い。
他が濃い目のときに抜け感を出すために使うのも、良いし、ワントーンメイクっぽく色を合わせるのも素敵だと思う。

おわりに


前回、前々回にも増して長くなった気がする。
好きなものについて語るのは楽しいから仕方ない。
なんか自分語りの比率が多い気もするけれど、多めに見てほしい。

これがまっとうなコスメレビューとして機能しているかはわからないが、これを見て購買意欲が刺激されたら幸いだ。

あといい感じの青み系チークあったら教えてください。

おわり

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集