はじめての歌舞伎座
歌舞伎座の6月公演『六月大歌舞伎』を
観に行きました(しかも初日!)。
歌舞伎座に行くのも
歌舞伎を観るのも初めてでしたが、
初心者なりに
非日常の空間を楽しんできました。
🐣
歌舞伎を観に行こう
今回の観劇の大きなきっかけとなったのは、
大学の講義です。
高校日本史で江戸時代あたりに
ちらっと登場した歌舞伎ですが、
大学生になって、講義で
その歴史や演目の種類を詳しく知る機会があり
せっかくなら実際に観てみよう!と
思い立ちました。
直近で観られる六月大歌舞伎の演目は、
『義経千本桜』『妹背山婦女庭訓』など
聞いたことのある
(けどストーリーは分からない)ものばかり。
初めて行くにはちょうどいいかも、
と思ってチケットを取ることにしました。
チケット購入
まずは5月中旬に、
オンラインでチケットを買いました。
売り切れては困るので、
発売時刻を30分くらい過ぎたあたりで
気がついてログイン。
一番安価な3階席の後ろ側(¥4,000)は、
すでに会員先行?とかで売り切れ。
次にお安い3階席の前側(¥6,000)で
観ることにしました。
買うときに座席を指定できるのですが、
どこがいいのか分からず
とりあえずまんなかに。
後から、右寄りの方が
花道が見えてよかったか...とも思いましたが。
チケットは電話でも買えるそうで、
それだと見やすい位置などを
相談できるそうです。
完全にオンライン化されてないところが
どの年齢層にも優しい。。
前日
歌舞伎座に行ったことすらないので、
ネットでよくよく調べました。
どうやらイヤホンガイドを事前に
予約できると知り(常連さんでも使うらしい)
オンラインで買っておきました。
現地で買うよりも少しお安かった。
受け取り用のメールが届くので、
それを劇場で見せるだけ。便利です。
歌舞伎の演目では、題材や言葉遣いが
現代と違うところばかりですが、
解説があればうんと観やすくなるはず!
次に心配だったのが、服装。
歌舞伎を観に行く人はきっちり、
着物を着ているイメージがあったけど、
ラフすぎない格好なら良いと知り一安心
(ラフすぎてもいいのかも?)。
そして一番の心配は!もちろんごはん!
今回の公演は
昼の部だけで3つのお芝居があり、
ひと幕ごとに休憩時間(幕間)が設けられています。
その間に昼食を取れるとのこと。
本当の意味での「幕の内弁当」です。
お弁当を持ち込んでもいいし、
歌舞伎座の中でも買えるということでしたが、
イチオシされていた木挽町広場で
歌舞伎座に入る前に買うことにしました。
電車での行き方も調べて、準備万端です!
当日
地下鉄日比谷線の東銀座駅で降りました。
「歌舞伎座」の表示にしたがって進み、
改札を通るとそのまま
木挽町広場に出ました。
さっきまで地下鉄駅にいたのに、別世界!
まずは発券機へ行って
チケットを受け取ります。
お弁当処 やぐら
次は様々なお弁当が並ぶ売店へ。
歌舞伎座では幕間に座席で
お昼を食べられるので、
お弁当は膝に乗る
ちょうどいいサイズのものばかり。
なんだか気になる名前の
「ビーフヘレカツサンド」や
おいなりさんとも迷ったけど、
ちらし寿司にしました。
いくつかはすぐに売り切れていたので、
お目当てがあるなら
早めに行って買っておくのがよさそう。
これでお昼ごはん確保です!
(食べ物のことは書くと止まらない)
木挽町広場を見て回りたくもありましたが、
公演時刻が迫っていたので
エスカレーターで正面玄関へ向かいました。
正面玄関から入る前に
イヤホンガイドの受け取り場所がありました。
メールの指示に沿って受け取り完了。
豪華な玄関から入って、
3階の座席へ向かいます。
舞台全体が見えていい感じ!
さっそくイヤホンガイドの電源を入れると、
開演前から一演目の解説が始まっています。
ちょっとした待ち時間も楽しい。
上州土産百両首
解説を聞くまでは知らなかったのですが、
O・ヘンリーの『二十年後』を原作にして
昭和時代に初演された作品。
高校か中学かの国語の教科書に載っていた
印象的な小説だったので、
歌舞伎ってそんな演目もあるのか!とびっくり。
来る前にも大体のあらすじを予習していたのに
なぜか気づかなかった。。
『上州土産百両首』では、
舞台を江戸(と群馬)に移し
登場人物もボブとジミーから
正太郎と牙次郎へ。
元のお話を知っているとはいえ、
最後までドキドキしながら観ました。
歌舞伎ならではの
廻り舞台(床がぐるぐる回るやつ)
を活かした壮大なセットは
やはり見ごたえがあります。
タイトルもちゃんと回収され
(歌舞伎にも伏線回収とかあるのね)、
この時点でテンションが上がる!
--
ここで30分ほどの休憩。
12時半、ごはんの時間だ~
幕間にもイヤホンガイドは続きます。
今回は、三演目で襲名を披露する方の
インタビュー。
どんな気持ちで演じているかとか、
ここに注目してほしい!とか
役者さんの言葉を聞くと
これからの演目がさらに楽しみになります。
ラジオのような感覚で
イヤホンガイドを聴きながら
お弁当を食べ終わり、
そうこうしているうちに二演目。
義経千本桜
歌舞伎の三大名作とも呼ばれている
『義経千本桜』。
今回は「所作事」といって、
舞踊仕立ての演目です
(すべてを演じるのは長すぎるため
場面を抜粋して上演している)。
さっきまで江戸時代だった舞台は、
桜満開の華やかな雰囲気に。
一演目は1時間半と長めでしたが、
二演目は30分。
赤いひな壇に唄方やお囃子、三味線が並び、
演奏の様子がよく見えます
(一演目は黒御簾の中で演奏していたので
音しか聴こえていませんでした)。
長唄も、ガイドのおかげで
なんとなく意味が分かる。
見ていて気分が明るくなるような、
役者の美しさに目をひかれるひと幕でした。
--
次の休憩は20分。
1階まで降りてみることにしました。
3階からはちょっとだけ見える、
花道のあたりがどうなっているのか
よく見てみたかった。
ここから観るとさらに迫力がありそう。。
2階には日本画がたくさんあって
建物としても面白かったです。
歌舞伎座名物?「めでたい焼き」は
満腹のため諦め。
座席に戻ると、
チョン、チョン、と
拍子木の音が聞こえてきました。
三演目の幕開きです。
妹背山婦女庭訓
大化の改新を元にした演目。
今回は、蘇我入鹿の妹、の恋人!
に恋しちゃった乙女・お三輪ちゃんが主人公。複雑~
この演目では
途中で役者さんたちが役を離れて
襲名披露の挨拶をしていました。
お芝居の途中に突然、
小道具を後ろに置いて履物を脱いで
口上が始まるというのは
独特で面白いと感じました。
しかも、「私、襲名しまーす」と
自分で宣言するだけではなく、
先輩の役者が
「東西東西~(こいつ襲名します)
隅から隅まで、ずずずいーっと~
(これからも!よろしく!)」
と紹介するスタイル。
今回は8歳の役者さんの初舞台でもあり、
ハキハキと話す姿を
お客さんは微笑ましく見守っていました。
劇中口上が終わると、
また役に戻ってお芝居再開です。
お三輪と蘇我入鹿妹バッチバチ💥
みたいな展開はないのですが、
お三輪の恋を阻もうとする人が
いっっっっぱい出てきて
ツッコミどころ満載でした。
難しい言葉は思ったよりも少なく、
ここ笑いどころ!という場所は
セリフもゆっくり分かりやすく
会場には笑い声が上がっていました。
お三輪ちゃんは
なかなかうまくいかない恋に
衰弱していき、嫉妬に狂い、
そしてまさかの展開に。。
襲名と初舞台を祝うような
豪華メンバーでの演目で、
昼の部を最後まで満喫しました。
11時から始まって、15時半まで。
ちゃんと観ようとすると集中力が必要で
いい時間を過ごしたなと感じました。
お年寄りは意外と寝てた。
鑑賞してみて
思っていた以上に面白かった!!
今まで触れてこなかったことが
不思議なくらいです。。
客席の年齢層は高めでしたが、
古文を習ったことのある人なら
全然楽しめる内容だと感じました。
もっと若者がいてもいいはず!
また、上演中に驚いたのが、
舞台に向かって「○○屋~!」と
叫ぶ人がいたことです。
「ブラボー」と舞台に呼びかけるおじさんは
ミュージカルなどで見たことがあったけど、
歌舞伎のこれはなんだろうと
気になって調べてみました。
🔍歌舞伎 おじさん 叫ぶ
きちんと解説がありました。
「大向う」と呼ばれる常連客です。
歌舞伎役者の家ごとに屋号があり、
大向うはお芝居の見せ場になると
屋号や役者の名前を叫んでいるそうです。
台本に沿った声掛けをすることで、
舞台が引き締まる!際立つ!
とのことでした。
実際に行ったからこそ、
座学だけでは分からない
歌舞伎座の雰囲気やスケールを
体感することができました。
学生には気軽に足を運べるような
値段ではありませんが、
ディズニーやライブよりは安いし()
一度に3、4時間も観られるのってすごいし
また演目や役者さんをチェックして
行ってみたいと思います!
当日券だと「一幕見(読んで字のごとく一幕だけ後ろの方で観ることができる)」
という選択肢もあるのでそれも気になる。。
とにかくおすすめです!
--
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
想像していた何倍も面白かったので
熱が入って書きすぎました。。
祖母が大好きだった歌舞伎、
体験を共有できた感じがして嬉しい。
一人でも楽しめた!
おひとりさまパワーアップです!
見出し画像:
歌舞伎座の1階から📸