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【漫画紹介】ワンルームエンジェル|リナ@石垣島|漫画ノオトVol.5

こんにちは✳️
12月になり、ようやく涼しくなってお鍋やシチューが美味しい気候になりましたね🍲♡

12月といえば、多々あるXmasソングよりも、ユニコーンの「雪が降る街」が流れる私です☃️

♪あ〜と、な〜んにち〜か〜で〜
ことしもお〜わる〜から〜♪

12月の脳内エンドレスソングです♡
絶対に雪降らないけど♡☃泣


さて、今回はそんな脳内で
今の時期に読みたい&読んで欲しいなーという作品をオススメさせて頂きます☃📙

『ワンルームエンジェル』
作者:はらだ
全1巻完結

こちらの作品、ジャンルはBLです。
界隈では有名な作家さんで、普段は諸々ドギツい内容の作品が多いです。笑
闇系仄暗漫画好きの私には大好物の作家さんです♡笑
ギャグに振り切った作品もあり、そちらも好きです♡

ですがこの作品は、普段の作風を知ってると
「え?これホントにはらだ先生の作品?」て意外に思ってしまうような作品なのです。
BLジャンルですが、R18でもないし男女問わず読める内容になっていますのでご安心を♡
(因みに普段の作品はガッツリR18です笑)


あらすじとしては
。。。
30代で生きる意味も価値も見出せず惰性で日々を過ごすしている幸紀(こうき)。
ある日、バイト先のコンビニで絡まれたチンピラにうっかり刺されてしまい、その瞬間、天使に出会う。
幻かと思った天使は、退院後帰宅するとなんと家に居着いている。
「自分が何故ここにいるのか記憶がない」
「おまけに飛べないから帰れない」
と言う天使に対し、戸惑い(迷惑し)つつも、天使の記憶が戻り、飛べるようになるまで居候させる事に。
綺麗な顔で性格が悪く毒舌な天使と、悪人顔だけど性根は優しい幸紀との共同生活が始まる。
そんな天使との生活の中で、少しずつ生きている意味を見つけて行く幸紀。
そしてある日、ふとしたキッカケで天使の記憶、飛べない理由が明らかになってーーーー。
。。。
といった感じです。

無気力三十路男が主人公です。
瀕死の状態で天使に出会う。

読みドコロ・感想としては
「人はみな、誰かに優しさを与えて、与えられて生きている」
という事です。

まるで映画を観ているかの様なストーリーで、テンポの良い会話と展開に引き込まれつつ、主人公達の想いに共感しながら、笑ったり、泣いたりしながら(私は毎回号泣です笑)、終わりには笑顔と優しい気持ちが溢れてくる。
そんな作品なのです。
読了後に、全ての内容を知った上で2回目を読むと、その伏線と物語の完成度に改めて感服するので、是非2度読みして欲しい作品です。

天使は、人間の感情がダイレクトに流れ込んできてしまう性質を持っていて、その感情がネガティブだと羽が抜け落ちてしまうという繊細(厄介)さ。
主人公の幸紀は、ネガティブ思考の持ち主なので、その思考や言葉ですぐに天使の羽が抜け落ちてしまいます。

言うことが卑屈な幸紀と、自分本位で物事を淡々と言い放つ天使

生意気で毒舌ながらも、その実フラットな物言いで幸紀の想いや言葉を受け止めてくれる天使。
そんな天使と一緒に過ごす内に、少しずつ前向きになっていく幸紀。
そんな中、ある事がキッカケで、カッとなり天使の羽をごっそり抜けさせてしまう行動をとってしまいます。

自分の思考や行動で、自分よりも傷付く相手がいるという事を思い知る。

「自分ではない誰かが、自分の事で自分よりも傷付いてしまう」
その事実に、過去の出来事と重ね、深く傷付き反省する幸紀。
そして時同じくして、天使の記憶に関する出来事が明らかになります。

それは、とてもやるせない出来事で。
自分や他人への感情のぶつけ方の不器用さ、
それによる気持ちのズレ、
そしてほんの少しのタイミングが重なり、
起きてしまった不幸な出来事。
当事者は、きっと誰も悪くはなかった。
でも周りはそれを許してはくれなくて。
辛くて悲しい人は、”誰か”を責めずにはいられなくて。
その”誰か”を責めることで自分の想いを正当化して、辛さや悲しみを昇華させようとする。
また別の人は、「正義」の名のもとに声を上げ、
それが「悪意」だという事にも、その言葉で傷付く”誰か”の存在にも気が付かない。

そんな、悲しい世界の出来事が、天使の失った記憶の中にはありました。

「優しくしたい」
「愛したい」
「抱きしめたい」
そんな、シンプルだけども純粋な事を、
どうして人は素直に出来なくなってしまうんだろう。

そう感じずにはいられない気持ちになりました。

その後、記憶を取り戻した天使と幸紀は、
2人で少しずつ前に進み、その出来事を乗り越えていきます。
そして、よく笑うようになった天使は遂に飛べるようになり、幸紀の前から姿を消しますーー。

この雪のシーンがとても好きです☃

天使がいなくなって
喪失感で心がツラくて寂しくてどうしようもなくて。
泣いても泣いても元には戻らなくて。
それでも日常はただただ続いていくだけで。
何の為に?誰の為に?
幸紀は再び生きる意味を失いそうになります。

そんな時に、母親を始め、天使と関わりのある人と接することで、その喪失感を受け入れていく幸紀。

幸紀が天使に
「俺みたいなのが生きてて価値がありそうに見えるか?」
と聞いた時に、天使がこう答えます。
「さあ?価値を見出すのは貴方じゃないですか?」
この天使のセリフが、とても心に残りました。

”自分”に、”自分の人生”に価値を見出すのは、
他の誰でもない”自分自身”です。

そんな中で、
「自分が、誰かに与えたもの」
「誰かが、自分に与えてくれたもの」

それはきっと、思ったよりも沢山あって。
そのことに気付けたら
心がしんどくなった時、クサってしまった時にも
「あぁ何だ。私はちゃんと、想い想われているじゃないか」
て、
一歩踏み出せる力になってくれるんじゃないかな。
と思うのです。
その先の道が、どんなにツラくてしんどくたって、
踏ん張って歩いていくしかないんだと。
その先にしかない出来事や想いが、きっとあるのだと。

それだけで、自分の生きている価値を感じられる

そしていつか「その先」でまた会える。
そんな未来があるんだと。


この作品に出会った時思ったのが、
「是非とも映画にして欲しい!!」でした。

映画にはならずとも去年(2023年)に実写ドラマ化しております。

ドラマも当時好評だったのを覚えてます

私はまだ未視聴ですが🪽←
漫画とはまた違った雰囲気で楽しめそうなので、観てみたいと思います♡

因みに、漫画作品終了後の描き下ろし(電子版は特典があります)と、ページ最後のQRコードを読み込む事で見られるオマケがあります🪽
全てを見終わると、本当に心が優しくなってほっこりするので、是非オマケまで楽しんで頂きたいです♡

1人1人が、心の中に”天使”を住まわせていて、
自分や周りの感情や、その場の空気に対して
「天使の羽が抜け落ちてしまわない様に」って
意識して過ごせていけたら、
そこはすごく、自分にも周りにも優しい世界になるんじゃないかな。と思うのです🪽✨️


12月って何かと忙しいから💦
余裕がなくなって、心がギスっとグズっとブギャっと(?)なりがち🫠だからこそ
貴方も作品の天使に触れて、”心に天使がいるつもり”で過ごしてみませんか👼?

これにて
「ワンルームエンジェル」のオススメを締めさせて頂きます📙
最後まで読んでくださり、ありがとうございました🪽
みなさま良い12月(年末)をお過ごしください🪽✨️


この記事を書いた人

リナ
石垣出身。書店員。
幼少期から本も漫画も大好きです。基本は少年青年漫画(アングラ系)好き。
脳内が疲れた時は癒やし漫画と少女漫画♡
動物と子供漫画は秒で泣くタイプ。アニメも好きです。
10月期ではモチロン!大本命で最推しは「チ。-地球の運動について-」
あとは「ダンダダン」と「殿と犬」を楽しみにしてます☻
「あおmade」という名でハンドメイド作家をしています。
Instagram:aone88linux


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