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【岩石マニア】石垣島巨石めぐり 番外編|by 鈴木邦彦@石垣島|石垣島十名山(後編)

【石垣島巨石めぐり】をご覧いただきありがとうございます!ギャグ漫画家兼 クライマー兼 岩石マニア の鈴木邦彦と申します。

さて、石垣島でさまざまな新しい巨石を探すうち、島内の山や沢もあちこち歩き回る日々が続きました。マーペーを崖側から登ったり、アマユナーの滝を下って遊んだり‥。石垣島の複雑に入り組んだ地質・岩質がつくりあげた山々は、巨石と同じように、力強く奥深い美しさに富んでおります。

島の山めぐりを通して、その美しさにすっかり私は魅了されました。

しかしどうにも、石垣島でのアクティビティや観光スポットは海のものに寄りがちです。人々の興味もやはり海に寄りがちに感じます。四方をこれだけ美しい海に囲まれているので、当然っちゃ当然かもしれませんが‥。

少しでもこの島の山の魅力をより多くの方に伝えられないかと思案し、及ばずながら、石垣島十名山を選定してみることにしました。

もちろん異論やご意見は大歓迎です。これをきっかけに石垣島の山好きの方と語り合える機会ができると大変光栄です。

前回の記事はこちら>>石垣島十名山(中編)


◼︎石垣島十名山、選定の基準

十名山の選定基準は、日本百名山にほとんど準ずることにします。
つまり「品格・歴史・個性」と標高です。標高は石垣島十名山においては、キリよく200m以上といたします。

以下が選定基準の詳細です。

  • 山の品格 - 人には人格があるように、山には『山格』のようなものがあるとし、誰が見ても立派な山だと感嘆する山であることを、第一の基準とします。

  • 山の歴史 - 昔から人間との関わりが深く、崇拝されている山であるというような山の歴史を尊重し、第二の基準とします]

  • 個性のある山 - 芸術作品と同様に、山容・現象・伝統など他には無いような顕著な個性をもっていることを、第三の基準とします。

上記の基準に加えて、観光的に開発されつくして「山霊のすみかがなくなっている」ような山は選ぶわけにはいかないとされています。(今後も、石垣島の山々が乱暴な開発で無闇に切り拓かれないことを祈るばかりです。)

標高の基準によって、市民に愛される前勢岳(197m)や、アカフチのシーサーとティラ石の伝説で知られる大浦山(192m)、また天然記念物に指定されている大マンゲー(103m)といった名峰は、今回は泣く泣く外させていただいております。。予めご容赦くださいませ。

それではさっそくご紹介してまいりたいと思います。


石垣島十名山7 金武岳:201m

観光地として有名な玉取崎からまっすぐ上にそびえる単独峰。

単独峰というのはそれだけで素晴らしい山格を備えていると感じます。
玉取崎の知名度も加味して、十名山に加えさせていただきました。

明確な登山道はほぼ消失してしまっており、薮の中を急登して山頂へ向かいます。

岩質は野底マーペーなどと同じ凝灰岩です。
山頂付近には巨岩が顔を出している岩峰です。

頂からは、玉取崎からの眺望をさらに広域に広げた光景を楽しむことができます。

画像:YAMMAPより引用

石垣島十名山8 ぶざま岳:322m

於茂登山系の西端に位置していて、地質的には花崗岩とその風化土壌からなっています。

この山から南東に流れる白水川は豊富な水量を有しています。
名蔵川の水源のひとつとなっていたり、田んぼに使われていたりと島の暮らしとは切っても切れない川です。
川の上流の沢は幾重にも入り組んでおり、滝も多く、沢歩きに最適です。
また山の中腹部は「川平湾展望テラス」として観光地となっております。
島の人々に深く根付いた山と言えます。

山名の「ブザーマ」は方言で「尾」を意味し、於茂登山系の西端に位置することから名づけられたとされますが、「ブザーマがしっぽの方言」というソースが見受けられません。
尾(ビ)+ 様(サマ)でしっぽのよう、という語が転訛したのでしょうか?詳しい方いたら教えてほしいです!

画像:YAMMAPより引用

石垣島十名山9 屋良部岳:216m

崎枝半島最高峰。

山頂には二つの天然のテラスがあって、御神崎や竹富島などの島々を見渡すことができます。
登山道は非常に登りやすく、道も整備されており、15分程度で山頂にいけます。野底マーペーと並び、石垣島でもっとも登られている山だと思われます。

岩質はマーペーと同じ凝灰岩。同じ野底層の山で、山頂付近の岩の質感はそっくりです。山頂の岩は「トロルの舌」なんて、ハイカラな名前で呼ばれています。

山頂までの登山道こそ歩きやすいものの、麓付近の周囲は未開のジャングルで覆われており、安良岳と並んで石垣島最後の秘境とも称されます。
崎枝は今後もリゾートホテルとか造らないでほしいな!

画像:YAMMAPより引用

石垣島十名山10 ウマヌファ岳:450m

石垣島の標高第3位の岩峰。

第2の高峰である桴海於茂登岳を、さらに奥に進んだ場所にあります。久宇良岳とどっちを十名山に加えるか悩みましたが、標高の差でこちらになりました。

「ウマヌファ」とは、地元の言葉で「馬の鞍」のことといいますが、鞍をファと呼ぶソースがなかったです。詳しい方教えてください。

南側の山麓から望む山容は台形状になっていて、馬の鞍に似ていることからこの名がついたと言います。桴海於茂登岳を馬の頭と見立てているのかもしれません。

山頂付近は原生林やリュウキュウチクが生い茂っており、登山はけっこう大変です。

画像:YAMMAPより引用

まとめ

これにて石垣島十名山が出揃いました。

  1. 於茂登岳

  2. 桴海於茂登岳

  3. 安良岳

  4. 前嵩

  5. バンナ岳

  6. 野底岳

  7. 金武岳

  8. ぶざま岳

  9. 屋良部岳

  10. ウマヌファ岳

ぜひ、全制覇を目指してみていただけると嬉しいです!

また、山頂を目指す以外にも沢や薮を歩くのもおすすめです。深く美しい石垣島の原生林は、ありありとした生命のエネルギーを感じさせてくれます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

漫画家 鈴木邦彦


▼「石垣島巨石めぐり」記事集です!


この記事を書いた人

鈴木邦彦
ギャグ漫画家/クライマー
日本最南のギャグ漫画家として活動。
また、ボルダリングジム&ガイド「TOP OUT」運営。
石垣島のボルダリングエリアの新規開拓や、山や滝へのトレッキングガイドも行う。

■連載中
八重山日報「アフロくん」
月刊やいま「まじむん日記」
月刊まーるマガジン「マーロくん」
フリーファン「くにくにのぐだぐだ」など。
4コマ漫画がメイン。

経歴
国民体育大会スポーツクライミング競技 出場多数。
野底マーペーを崖側から登頂。
野底ボルダー最難ルート「ティンガーラ」初登。
2023年 40歳にして沖縄県総体スポーツクライミング競技 男子総合準優勝。
スポーツクライミングにおいて日本代表選手を含む多くの選手の指導経験を持つ。
座右の銘は「下には下がいる」。

Instagram:@topout.guide


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