卵と鶏
「マーケティング」とはあまり関わりがない世界でいままで働いてきたので、マーケティングについてゆっくり考えた事がなかったのですが、マーケティングがいかに大きな役割を担っているかということをひしひしと感じています。
マーケティングは知名度と信頼感を醸成するアートだと思っています。「こうすれば、必ずこのような結果が出る」というものではないからです。特に一般消費財ではないB2Bの世界では、ターゲットとする会社規模や業界が限られているために、他社や過去の成功事例がどれほど参考になるのか疑問です。意思決定に関わる人間に興味を持ってもらいコンタクトできる状態にするためのチャネルとコンテンツは短いサイクルで変わっていきます。これはアートです。アートに投資するのは、確かに難しいですよね。つまり、マーケティングの予算が取れない。予算が取れないと、セールスを働きかける先が枯渇し、実績が作れないので、マーケティングの予算が取れない。…という状況を目の当たりにしています。B2Bをやっている会社では同じようなことを感じている会社さんもあるのかな、と不安になります。なんでこんなにマーケティングにお金をかけてもらえないのか。せめて、効果のあるマーケティング方法を模索するための最初の投資だけは目をつぶって出してほしい。と思いつつも、何もしないわけにはいかないので、予算ゼロでできる事はやっていくしかありません。
私はずっと大手金融機関の法人営業だったため、あまり新規顧客の獲得という営みをしておりませんでした。顧客は常にそこにいて、その時々のテーマで何かしらのビジネスがあるってそれをこなしていくという立ち位置でした。ですので、自社の名前を知ってもらうとか、自社への問い合わせやコンタクトを増やして社会との接点を作るという必要性が最初からなかったのです。
ところが、今は中規模な会社にいます。正確には、海外の大企業なのですが、日本では全く知られていないのでスタートアップだと思われることが多いです。つまり、自社の知名度が全然ない。私のポジションはこのビジネスを日本で広める事。良いプロダクトだと思っているのですが、なかなかプロダクトの話まで進めることができません。顧客との接点が少ない。なぜだ。マーケティングが足りないからだ。そして、マーケティングをやる人も組織もいない、というか、やるとしたらセールスの私がということになる。そういうことです。
マーケティングの予算をくれというと、数字を作れといわれる。それ逆じゃないですか?自分の知り合い、人脈はすべて当たりつくしたところで当たる壁。それを超えるマーケティングをやらないといけない。予算ゼロで?
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