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複利とガチャとネイピア数
まったりとYouTubeを観ていて
トリビアがあるYouTubeを観ていて、夜更かししてしまうことがよくあるが
こんな数学ネタもそんな動画たちだ。
たまたまネイピア数$${e}$$の話が冒頭。
おお、話には聞いていたがわかりやすい!
と感動したのでメモっておく。
複利とネイピア数の関係
元金$${M}$$ を月利$${p}$$で$${n}$$か月借りたときの元利合計は$${M_n=M(1+p)^n}$$ で青天井となる。($${\lim_{n\to \infty} M_n=\infty}$$)
上でp=1の月利を支払い回数で分割して考えると、$${M_n=M(1+1/n)^n}$$ で収束する!($${\lim_{n\to \infty} M_n=Me}$$)
(補足)上で複利とネイピア数の関係を調べたのはヤコブ・ベルヌーイ。さらに指数関数を$${e^x=\lim_x{\to \infty}(1+1/x)^x}$$ で定義したのはレオンハルト・オイラー。
このこととネイピアの対数の業績を合わせると、指数より対数の方が先に発明されたということができる。
学校教育でお金の計算が大事というからには
複利とネイピア数の関係も中高生のうちに叩き込んでおくべきだし、
そして以下の人生で重要な事柄を考えられるようにする。我々大人もだ。
老後のお金をどう準備すべきか。
ローンで家を買うことの是非。
奨学金を借りてまで大学に行くべきか。
ガチャとネイピア数と…
動画でも複利と同様の導出で理解できる!
この問題にネイピア数が出てくることも、なんとなく理解ができる。
・秘書を1人雇いたいとする。
・n人が応募してきている。nという人数は既知である。
・応募者には順位が付けられ、複数の応募者が同じ順位になることはない(1位からn位まで重複無く順位付けできる)。
・無作為な順序で1人ずつ面接を行う。次に誰を面接するかは常に同じ確率である。
・毎回の面接後、その応募者を採用するか否かを即座に決定する。
・その応募者を採用するか否かは、それまで面接した応募者の相対的順位にのみ基づいて決定する。
・不採用にした応募者を後から採用することはできない。
・このような状況で、最良の応募者を選択することが問題の目的である。
最適な戦略は、組み合わせの計算により(導出は記事内参照)
nが大きい場合、最適ポリシーでは最初の n/e人の応募者をスキップし(eはネイピア数)、それ以降に面接した応募者がそれまでよりよいと判断したら採用する。
nが大きくなると最善の応募者を選択する確率は1/e すなわち約 37% になる。応募者が100人でも100,000,000人であっても、最適ポリシーに従えば約 37% の確率で最善の応募者を選択できる。
確率が1/e と聞いて、動画の「1/n のガチャ外れを1度も引かない確率」と一致することから、何となく関連あるのではないかと妄想しただけだ。
ネイピアってこんな人
高校数学の教科書では、$${e}$$を「自然対数の底」として解説しているが、
決して「ネイピア数」と言わない。
むしろ大人になってから「ネイピア数」という呼称が一般的で、「自然対数の底」ってむしろマイナーな呼称だとわかった。
対数の考案者としてのネイピアはもっと評価されてよい。
小中学生から上のような動画に触れることができる今は、恵まれているなぁ。