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【明日方舟】水月与深蓝之树 追忆映射:ミヅキ『童年的终结』翻訳

是否终有一天,我们会起身反抗交予我们无解谜题的——
答えのない謎を与えてきたモノに反旗を翻す、僕たちにそんな日は来るのだろうか

Part1

腐化之心也好,不融的冰山也好,蔓延的枝条也好,如今都不复存在了。
腐化の心も、不融の氷山も、蔓延の枝条も、今となっては全て消えて無くなった。

始源的命脉已经彻底失控,在趁伊莎玛拉与水月两败俱伤,祂将初生逐一吞噬之后,“存续”成为了唯一的真理。祂将一切生命皆悉换算成资源,忠实地执行着包容与管理。万物是如此井然有序——因为几乎所有拒绝归于此秩序之中的事物都已被抹除,海洋在顷刻间没过了脚下的土地,人类连最后的壁垒都未能修建起,泰拉如今已是海嗣的理想生态居所。
始源の命脈は既に完全に制御を失い、イシャームラとミヅキも敗北を喫した。「それ」が初生を次々と呑み込んだ後、”存続”が唯一の真理となった。そうして「それ」は一切の生命を悉く資源へと変え、忠実に資源の包摂と管理を執行している。万物はこうして秩序の中へ取り込まれた。すなわち、秩序に従うことを拒んだモノはみな排除され、海が大地を一瞬でも通過することは無くなった。人類最後の砦は未だ修復叶わず、テラは今となってはシーボーンの理想の住処となった。

在这广阔理想居所的一隅,曾被称为水月和博士的海嗣藏匿于某个溶洞中,躲避着秩序对他们的吞并。在这样的生态中,姓名亦是无序,怀念亦是无序,伤感亦是无序。
この理想郷の一角にあって、かつてミヅキとドクターと呼ばれていたシーボーンは、彼らに併呑され秩序へ取り込まれないために、とある洞窟内に身を潜めていた。そんな生態系の中では、名前も、追憶も、感傷も乱れていく。

其他人怎么样了?阿米娅和凯尔希......罗德岛的同伴们怎么样了?人类还有没有别的幸存者?就连挤出这样的念头都有些奢侈,或许只有进食的时候,思考才终于有权额外消耗一些养分,占用一些空间。
他のみんなはどうしているのだろうか?アーミヤとケルシー……それからロドスの仲間たちは?誰か人間の生存者はいないのか?そんなことを考えることすらも些か贅沢なのだろう。もしかすれば食事の時にだけは、思考は余分な栄養を消費し、生き残ること以外を考えることが許されるのかもしれない。

“博士”无言地啃食着水月刚从身上切断的附肢。起初,他总是会在进食时流泪、呜咽甚至歇斯底里地痛哭。但这些情绪和行为显然并不利于生存,尽管花了些时间,他还是克服了。又或许,被迫闭塞的环境和长久以来的沉默与麻木已经彻底将他围困了。
”ドクター”は無言でミヅキが身体から切り離した一部に齧り付く。最初は、いつも食事の際に涙を流し、嗚咽が漏れ、時にヒステリックに号哭することもあった。けれども、そんな感情と行動が生存に寄与しないことは明白であた。彼は、いくらか時間はかかったものの、その情動を抑え込むことに成功した。

水月无法安慰“博士”。他当然知道,自己最初向博士提议吃下自己的血肉来维生是多么过分的行为,可他更不能接受博士的死亡。
そんな状況において、ミズキには”ドクター”を慰める方法がなかった。当然のことだが、ドクターに自分の血肉を食べて生き延びようと初めに提案した時点で、それが行き過ぎたものだということは理解していた。けれども、もはやドクターが死ぬことを受け入れることが出来なかった。

但所有的花草、蕈类,甚至就连水源都已经被改造为命脉的一部分,无不闪烁着象征祂所编织秩序的点点荧光,更不用说那些曾是动物的海怪们。已经不再有“正常”的食物了,整个泰拉都已经融入了发光的海洋本身。
全ての花草が、キノコが、果ては水源に至るまでの全てがもはや命脈の一部へと変わり、海の怪物は言わずもがな、全てが「それ」が織りなす秩序を象徴するかのように点々と点滅している。そこにもう”普通”の食べ物は存在せず、テラのあらゆるものが光輝く海へと融合していった。

水月利用残存的力量勉强可以将自己摄入的那些特殊的组织分解为单纯的养分,即是说,他或许是仅剩的“安全”的食物了。
ミヅキは残された力を以て摂取した特殊な組織を単純な栄養素に分解するのがやっとであった。それはつまり、”安全”な食物は彼以外残されていないということだった。

水月也没有想到那时博士竟接受了他的提议。是因为在极度的饥饿中,求生的本能一时压倒了身为人类的尊严吗?是因为不愿意在水月面前死去,辜负他赴死为自己捡回来的这条命吗?
ミヅキもその時はドクターが自分の提案を受け入れるとは予想していなかった。極度の飢餓状態にあったから、生存本能が人間としての尊厳を一時凌駕したのだろうか?ミヅキの前で死に、彼がドクターに与えようとした生を逃すことを恐れたからか?

不,原因根本就不重要,只要博士还能活着......
いや、もはや理由は重要ではなかった。ただドクターが生きてさえいれば……

但是这样的日子是否有尽头,他们还能撑多久呢?水月在心里暗自苦笑着。愿在不同的时空之中,博士不会和自己一起沦落到这一万劫不复的结局。
しかし、そんな日々に終わりは来るのだろうか?いったいどれだけ続くのだろうか?ミヅキは心の内で苦笑した。叶うならば、異なる時空で、ドクターが自分と共にこの破滅の結末を迎えないように、と。


Part2

祂正在思考,祂曾思考,祂将要思考。祂也将在同一个瞬间得到数个不同的答案,并能够在得出答案之前就拥有答案。祂已得升华,时间能够束缚的仅有祂的肉身,而不包括祂的思考。
現在、過去、未来。どの時点でも「それ」は常に思考していた。同時に、瞬時に、「それ」はいくつもの異なる解を導き出そうとし、また解を導く前に解を得ることが出来た。「それ」は既に一段階上の生物へと昇華していた。時間は「それ」の肉体を不変のものとし、ただ思考だけが巡っているのであった。

不知何时起,这些思考以一种概率性的状态出现在水月的脑海中。就好像此刻的祂本身,也正以一种概率性的状态与他同在。
ある時のこと、それらの思考がミヅキの頭の中に確率的に現れた。その時、まるで「それ」自身も確率的にミヅキと共にあるようだった。

若有人能明确地知晓关于未来的答案,倒是能借此让自己得以始终做出正确的选择。但只要还身为被拘束于这个维度的生物,思维和肉身就无法逾越时间的枷锁。
仮に将来の問いに対する明確な答えを知る者がいるとしたら、それによって常に正解の選択肢を選ぶことができるのだろう。しかし、この次元に縛られる生物である以上、思考も肉体も時間の束縛から逃れることはできない。

对水月而言,那些模糊的概率所通往的岔路只有在做出选择之后,才能清晰地以记忆的形态呈现为当下的其他可能性,而届时早已不存在重新选择的可能性,它所带来的或许只有悔恨或侥幸。
ミヅキにとって曖昧な確率が導く分かれ道は一度選択した後に、現在の別の可能性として、記憶という形で初めてようやくはっきりと出現するものだ。そうして、分かれ道が現れた時には再選択の可能性はとっくに消えてしまっていて、そこにはただ悔恨か、或いは僥倖だけが残されているのだ。

水月拒绝那种悔恨与侥幸。祂与祂的力量也并没有什么了不起的,如果从现在的视点遥望去,祂也不过就是未来的一种可能性罢了,而且是一种违背了自己初衷的可能性——那显然并不能算是人类的理想终局。
ミヅキはその種の悔恨も僥倖も拒絶した。仮に現在という視点から離れてみれば、「それ」と「それ」が持つ力は何ら驚くものではなかった。「それ」は未来の一つの可能性でしかなかった。ただしそれは、本来求めていた可能性——人類の理想的な終末などでは決してなかった。

但做出了某些选择让祂的可能性诞生的,想来也是某处的自己与博士,怀抱着某种理由或苦衷被迫做出的决定。因此亦没有必要以敌意相待,只当是一名做出了不同选择的友人,总会在事后为自己提供一些模糊的参考就行。水月甚至在某次玩游戏时灵光一闪,为祂起了一个名字。
ただ「それ」が生まれる可能性のある選択肢が現れれば、どこかで次もまた自分とドクターが、何らかの理由や苦渋の想いを抱えながらそれを選択することを迫られる。そうであるならば「それ」と敵対する必要もなく、ただ異なる選択をした友人として、その後の自分について曖昧に伝えればいいのだ。そう考えたからか、ミヅキはあるゲームをしているときにすら閃光を放ち、「それ」の名前を思いついたこともある。

而当水月向博士说起这些,并能够把数个险些成为现实的故事与博士分享,共同面对大海之外的难题时,已经是许多年之后了。
そして、ミヅキがそのことをドクターに打ち明け、またほぼ現実となりかけているいくつかの出来事を共有し、大海の外に存在する困難に立ち向かうことができたのは、それから既に何年も経過してからであった。


Part3

玻利瓦尔某处不为人知的海岸边,有两只因拟态而难以被辨认的恐鱼将自己固定在周遭的礁石丛中,任凭海浪拍打。它们似乎毫无对其他生物的敌意,只是长久地伫立着。
ボリバルの人知れないとある海の岸辺。擬態しているせいか、見分けがつかない二匹の恐魚が自己を周囲の岩礁に固定して、波に身を委ねている。それらは他の生物に敵意は無いようであり、ただ長い間そこに立つばかりであった。

罗德岛在哥伦比亚周边还会再停靠一些时日。偷偷溜出来的水月,除了混迹在城市间享受一些不能靠罗德岛的采购项目来体验的地域文化特色,偶尔也会来到这样人迹罕至的地方,抱膝坐在礁石间,聆听海浪的声响,或是恐鱼们无声的交头接耳。
ロドスはクルビアの周辺でもう何日か滞在している。ひっそりとロドスを抜け出したミヅキは、ロドス内では体験することのできない地域の文化的特色を味わうために都市に紛れるだけでなく、時折、そのような人気のない場所に出歩いては岩の間で膝を抱えて座り、波の音に耳を傾けていた。或いは、時にそれは恐魚が発する無音の囁きであった。

你们是在观察云层来判断天气吗?水月能够明白它们两个正在以某种方式仰望天空,可它们的视觉器官构造是如此精密而特别,似乎足以抵达比云层之上更遥远的地方。这种观察的目的耐人寻味,毕竟恐鱼们对天空并无所求。
この子たちは雲の様子を見て天気を判断しているのだろうか?ミヅキは恐魚がどうやって空を見上げているのかを理解できた。おそらくだが、それらの視覚器官の構造は相当に精密かつ特殊で、それゆえに雲の上の遥か遠くまでを見通せるのだろう。それらがこんな風に空を眺める目的は興味深いものだった。何せ空に何らも求めていないのだから。

尽管早已有恐鱼尝试过悬浮在空气中游弋,但翱翔的羽兽群远算不上哺育族群的丰厚资源,而向下俯瞰的视野也对海洋中的生活无益。
長い間空気中を泳ごうとそれらは挑戦したこともあったが、舞い上がる羽獣の群れは同族の食料資源とするには乏しく、そして空から下界を見下ろす視界は海の中での生活には無益なのだった。

不是天气,我们在观察,我们在等待。
天気ではない。我らはあるものを見ている、我らはあるものを待っているのだ。

那两只恐鱼如它们生命中绝大部分的时间一般,纹丝不动地坚守着它们的职责。它们并没有,也不需要多余的发声器官,它们自有方法让族群获取它们想要传递的信息。
二匹の恐魚はこれまでの人生のほとんどがそうであったように、じっと動かずに自らの責務を堅く守っている。それらは余分な発声器官を持たず、必要ともしていない。けれども、それらは同族へと届けるためのメッセージを送る独自の方法を有している。

是什么样的使命驱使着一部分恐鱼演化出如磐岩般的形态去长久地守望云层?水月立刻理解了,这项沉重使命背后的缘由,恐怕并不是和它们用三言两语就能厘清的。
いったいどんな使命が一部の恐魚を岩のような形にして、雲を長時間眺めるように進化させたのだろう?そんな疑問を持ったが、この重大な任務の背後にある理由、恐らくはそれらと二言三言会話をしたところで明らかにはならないだろう理由を、ミヅキはすぐに理解した。

他便没有再多问,站起身准备离去。
もう質問することもなく、ミヅキはその場を離れようと立ち上がった。

就在此时,天空中出现了一些令人难以理解的异状。被击穿的缺口,闪烁的电离辐射,甚至是,未曾见过的——
正にその時、空から理解し難い奇妙な何かが現れた。天蓋の裂け目は穿たれ、電離放射線がちらつく。そんな現象、これまでに見たことがない……

是它们做的吗?不,这两只恐鱼不可能有足够的力量干涉那种距离外的空间,它们的机能只有观察才对。是别的什么人,做了什么?为什么?那个方向难道是哥伦比亚?刚才看见的东西究竟是......
これはやつらがやったのか?いや、この二匹の恐魚だけではこんなに離れた空間に干渉するにはエネルギーが足りないはずだ。やつらの機能はただ観察することだけだ。別のものが、何かしたのか?なんのために?まさかクルビアの向かってる?いま見たモノはいったい何なんだ……

当水月终于回过神来,看向身边之时,那两只恐鱼早已不见了踪影。或许它们是急于回到巢穴向同胞传递信息——这条或许需要它们花费未来数百年去筹备与拓展进化策略的信息。
ようやくミヅキが正気を取り戻したとき、周囲を見渡すと、あの二匹の恐魚はとっくに姿を消していた。おそらくあれらは同胞にメッセージを伝えるために急いで巣穴に戻ったのだろう。きっと進化戦略の準備と拡大に今後数百年を費やすことになるだろう情報を伝えるために……


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