#005① 母子手帳を受け取った翌日に 【高齢出産育児日記】〜流産のおはなし・前編〜
#003でクラウチングスタートかましてた息子が、つかまり立ち出来るようになりました。
私がコタツでテレビをみてると、ごっつん防止のハチさんクッション背負ったドヤ顔の息子が隣で赤ちゃんせんべ食べてたり私のパーカーのヒモ食ってたりで、8か月児、何か楽しいです。
ただ、左手をテーブルにつき右手を私の肩に置いて顔を覗き込んでくる姿が完全に「今日ちょっと残業たのまれてくんないかね」の時の上司だし、いつから横にいたんだろうっていう、あの雰囲気もまさに上司。
なので私はオーバー気味にため息ついて
「‥‥分かりました」と言い
(あぁ、今日も残業か・・・転職しようかな)
と肩を落として白目を剥きながらデタラメにPCをパンパン叩くと息子が狂ったように
「ェケケーーイッ(゚∀゚)」と笑います。
『社畜ごっこ』という遊びです。
よかったら是非。
私がはじめての子を流産したのは10週目前。
「9週の壁は超えられそうだよ!」と病院のベッドで夫にラインを打ち、翌日には頼んでいた母子手帳が手元に届きました。
母子手帳をめくりながら「あぁ、私は母親になるんだ」と
気を緩ませた翌日の2020年12月4日金曜日。
エコー検査で赤ちゃんの姿がなかなか見つけられない様子の先生。
数分後やっと確認出来たものの、画像は見せてもらえず。
いつも検査後に数枚もらえるエコー写真が楽しみだったのにそれも無く、嫌な予感がして心がザワつく。
先生は
前回から赤ちゃんが成長していないから、来週の月曜日まで様子を見て再度確認しましょう、それでもやはり成長していないとなれば『流産』と確定します。
と言いました。
病室へ戻り、看護師さんに恐る恐る尋ねる。
「数日後にやっぱり元気だったよ!って事、あるんでしょうか?」と。
その返事は、私を気遣った看護師さんが精一杯濁した『NO』でした。
私はこの2日前、全く食べ物を受け付けなかったのが何だか食べられる気がして、栄養士さんにお願いし食事を再開してもらっていました。
夫に「久しぶりに食事ができた。つわりのピークが過ぎたのかな」とラインしていた事を思い出し、悲しいのと辛いのと情けないのとゴチャゴチャになってひと晩中泣きました。
つわりが軽くなったのは赤ちゃんが弱っていたからなのに、私は呑気に食事がおいしいとヘラヘラ喜んでいたのです。
どこに、誰に、どんな感情をぶつけたらいいのか分からず気が狂いそうでした。
夫に「帰りたい、辛い」と泣きつき
看護師さんに「退院したい」と泣きつき
何かあったらすぐに病院へ戻ってくるからと先生に無理を言って外泊許可をもらいました。
そうしてアパートに戻り夫の作ったスープを飲んで眠り、翌日もほんのつかの間でしたが親子の時間を過ごしました。
外の景色を見せ、パパの声を聞かせて、沢山話しかけました。
〜つづく〜
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