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読書記録(森のなかの海 上・下)
宮本輝さんは相性が良い作家さんですね。
とても読み易く、読むのを中断するのが難しい。
彼の作品はミステリー小説のような謎解きの雰囲気があるものが多いのかな。
この小説もそんな感じのする作品です。
森のなかの海は随分前(たぶん10年以上前だね)に読んで以来、2度目のチャレンジ。
阪神淡路大震災で人生の歯車が狂ってしまった人達、時代の流れやお家の事情などに翻弄されて人生を過ごさなければならなかった人々の話。
何歳になっても人は成長できる、生きているうちは成長し続ける、そういう想いを抱かせてくれる作品でした。
最近は人の死を身近に感じることが多く、登場人物の若い女の子が、口にした言葉が印象に残りました。
『自分はさして好きだというわけではなかったが、自分を好きになってくれた人間がこの世から突然いなくなったことは、とてもつらかった。』