ETH2.0アップグレード②
今日はイーサリアムアップグレードで既に実装されているビーコンチェーンについて深掘りしていきます。
●ビーコンチェーン
ビーコンチェーンは分割データと投資者の拡張ネットワークを管理・調整します。ビーコンチェーンにより、プルーフオブステークがイーサリアムに導入されます。
・プルーフオブステーク
→PoSとは、暗号資産の取引や送金データを正しくブロックチェーンにつなぐための仕組みの一つです。プルーフ・オブ・ステーク(=掛け金の証明)という言葉が示すとおり、その暗号資産(仮想通貨)に対する掛け金、すなわち保有量が多いほど、データのかたまりであるブロックをブロックチェーンにつなぎこむ役割を得やすくなります。プルーフ・オブ・ステークは、その暗号資産(仮想通貨)を多く持っているほど承認の役割を割り当てられる確率が高まる仕組みです。そして承認作業が完了すると、承認してくれた参加者に新たな暗号資産(仮想通貨)が報酬として付与されます。この承認作業のことを鋳造(mintingないしforging)と呼んでいます。ただし、暗号資産(仮想通貨)を多く保有しているほど承認権限の割り当て確率が高いプルーフ・オブ・ステークは、お金持ちが権限を得やすい仕組みでもあります。これでは不公平ということで、その暗号資産(仮想通貨)の保有量だけでなく保有期間も考慮するタイプのプルーフ・オブ・ステークも存在します。保有量×保有期間の値に応じて割り当て確率を変えるとともに、一度承認作業を行うとこの値を減らす仕組みにすることで、特定の個人や組織に権限が集中する事態を回避しようとしています。
PoSは以前のPoWの問題点を解決すると考えられています。プルーフ・オブ・ワークは、最初に実装された暗号資産(仮想通貨)であるビットコインなどで採用されるコンセンサスアルゴリズムです。ブロックをブロックチェーンにつなぎこむのに適したパラメータを、マイナー(miner)と呼ばれる参加者が競争で計算します。計算競争に勝ち抜いたマイナーがデータ承認を行い、報酬として暗号資産(仮想通貨)を得る仕組みです。つまり、いち早く計算するだけのマシンパワーを持っているほど、この承認作業=マイニング(mining)に有利なのです。PoWの問題点は二つあり、マイニングにより電力消費量が増加し、環境に負荷をかけているという点です。次に、大規模なマイニング体制を整えられるのは大資本を有する組織に限られるため、結果的にマイナーの固定化とマイニングの中央集権化を招いているということです。
プルーフ・オブ・ステークでは、強力なマシンパワーがなくても承認権限を得ることが可能です。また、一度鋳造に成功した個人や組織への割り当て確率を減らせば、マイナーの固定化やマイニングの中央集権化をある程度抑制できます。このように、初めて誕生した暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの運営の中で見えてきたプルーフ・オブ・ワークの問題点を解決するのが、プルーフ・オブ・ステークであると位置づけられるわけです。
ビーコンチェーンを実装し、PoSを導入することで問題点であったセキュリティ面と環境問題の面で克服することができます。しかし、PoSでは「多く」の暗号資産「長期に渡って」保有している方が有利なので、短期間で売却しようと考える保有者が減り、暗号資産の流動性が下がることが懸念されます。
最終的にETH2ではシャードチェーンが実装され、スケーラビリティが改良されます。これらの「シャード(破片、かけらという意味)」は、ネットワークを 64 個のブロックチェーンに拡張するので、ネットワークの容量を増やし、処理速度を向上させます。 ビーコンチェーンは、安全に動作するためにステーキングを必要とするため、シャードチェーンを導入する上で重要な第一歩です。
最終的にビーコンチェーンはシャードチェーンを検証するためにランダムにステーカーを割り当てる役割を担います。これは、割り当てられたステーカーが共謀してシャードを乗っ取ることを困難にするための重要なポイントです。乗っ取りは1兆分の1未満の確率となります。
○アップグレード間の関係性
・メインネットとビーコンチェーン
ビーコンチェーンは、最初は、今日使用する Ethereum メインネットとは別に存在します。 しかし、やがてそれらはつながります。 この計画は、メインネットをビーコンチェーンによって管制制御されたプルーフ・オブ・ステークシステムにマージ(統合)することです。
→マージ(統合)
・シャードとビーコンチェーン
シャードチェーンは、プルーフ・オブ・ステークのコンセンサス形成メカニズムにより、Ethereum のエコシステムに安全に参加することができます。 ビーコンチェーンはステーキングを導入し、シャードチェーンのアップグレードへの道を開きます。
明日はビーコンチェーンがイーサリアムメインネットとどのように統合され、その後に2023年に実装予定のシャードチェーンについて深掘りしていきます
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