OpenAI o1を用いて翼の設計を自動で行う「camfer」：AIとCADの融合
この記事の要約
・OpenAI o1を用いた翼型デザインの事例を紹介。
・動画はY Combinatorのo1を使用したハッカソンの内容。
・SolidWorksのコパイロットのように機能する。
・ユーザーが条件を入力するチャットボックス（camfer）がある。
・単なるプラグインではなく、UI上で自動クリック操作を行う。
・数学の計算においてo1が偏微分方程式を解く機能を持つ。
・AI for Scienceの進展により、エンジニアリング分野での設計もAIが活用される可能性が高まる。
こんにちは、Martinです。OpenAI o1を用いて有名なCADソフトウェアのソリッドワークスで翼型をデザインした話を聞いたので、調べてみました。これはあまり聞いたことのない設計での事例で興味深いと思います。
動画では10:23〜の部分です。Y Combinatorのo1を用いたハッカソンでおそらく上位に入ったのでこの動画で紹介されたのだと思われます。
一体なんなのか、と言うことですが、動画内では「SolidWorks」のコパイロットのようなものです（it’s actually kind of like a co-pilot to uh solid works）と表現されています。
UIとしては、この右側のcamferと言うチャットボックスにたとえば速度、迎え角、揚抗比、設計して欲しい翼型の数を条件として入力する形になっています。
システムとしては単なるソリッドワークスのプラグインではなく、「SolidWorks」を開いてUI上で人間のようにクリック操作を開始する仕組みを採用しているようです。つまりここのUI操作の部分はo1ではなくGPT-4oなどのマルチモーダルのモデルを使用したということでしょうか。（あるいはマルチモーダル対応のo1を先行体験させてもらったか）
it essentially opens up solid works for you and and then just starts like clicking around in the UI pretending to be a person nice
「SolidWorks」を開いてUI上で人間のようにクリック操作を開始する仕組みです。
o1を使ったのがどこの部分なのかと言う話ですが、以下によると設計の前の数学の計算で使ったということでしょうか。
There what was really cool earlier they flashed the math Trace so o1 was actually able to write all of these equations all these partial differential equations and solve basically naive Stokes questions to actually solve airfoil.
さらにすごいのは、以前に画面で表示された「数学のトレース」です。o1はこれらすべての方程式、つまり偏微分方程式を記述し、ナビエ–ストークス方程式を解くことで翼型を設計できるという点です。
自分もo1-previewに同じ文章を入れてみましたが、計算をはじめてはくれませんでした。
おそらくcamferの内部でo1やGPT-4oを繋げたCoTの推論が走っており、自動で計算などを行うシステムになっているのだと思われます。
創薬などの分野をはじめとして、AI for Science（科学のためのAI）が盛り上がってきていますが、こういったエンジニアリング、工学分野での設計もAIでできることが増えていきそうです。
最後に該当箇所の字幕の原文と翻訳の全文（GPT-4oによる）を載せておきます。
(10:23) y there’s another one that was similar in here in terms of reasoning for a one I think har you work with uh camper yep so want to tell us what camper does uh it’s I mean the tagline is Dev for cat but basically they um let you create cat designs with just natural language like you just type in like you know something that you want to design and it just like spits out like a cat design for you so can you design me five air foils optimized for 50 mph with a minimum drag to lift of 15 at a 5° angle of a attack that’s very specific y normally this would require a actually a mechanical engineer to be running all the simulations and solving through the equations and what you’re seeing why it’s like flashing is like running all the multiple simulations four of them at the same time so it’s actually kind of like a co-pilot to uh solid works yeah they actually built there like initially they were going to build this as a plugin to solid works but they went for like the even harder technical approach which was like now this is just like a executable that runs on desktop and it essentially opens up solid works for you and and then just starts like clicking around in the UI pretending to be a person y nice and you saw there what was really cool earlier they flashed the math Trace so 01 was actually able to write all of these equations all these partial differential equations and solve basically naive Stokes questions to actually solve air foil that is really cool
(10:23) ここにも01による推論に関して似た例がありますね。キャンパーと一緒に仕事をしたと思いますが、彼らが何をしているか教えてくれますか？
ええ、彼らのキャッチフレーズは「CADのためのDev（開発者）」です。基本的には自然言語で入力するだけで、CADデザインを作成できるツールを提供しています。たとえば、「50mphに最適化された5つの翼型を、抗力と揚力の比率が15以上で、攻撃角度が5°になるように設計してほしい」と入力するだけで、デザインが出力されます。これは非常に具体的ですよね。通常、これには機械工学のエンジニアがすべてのシミュレーションを実行し、方程式を解く必要があります。しかし、今見ているもの（画面が点滅している理由）は、同時に複数のシミュレーションを実行しているからです。これは「SolidWorks」のコパイロットのようなものですね。
(10:58) 彼らは当初、これを「SolidWorks」のプラグインとして作ろうとしましたが、もっと難しい技術的アプローチを選びました。それは、デスクトップ上で動作する実行可能なアプリケーションとして構築し、「SolidWorks」を開いてUI上で人間のようにクリック操作を開始する仕組みです。
素晴らしいですね。さらにすごいのは、以前に画面で表示された「数学のトレース」です。01はこれらすべての方程式、つまり偏微分方程式を記述し、ナビエ–ストークス方程式を解くことで翼型を設計できるという点です。これは本当にクールですね。
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