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ドイツ語の会話力を取り戻すためにやったこと

ドイツ人の友人とのLanguage exchange(以下LE)を続けること5ヶ月。
まだまだ文法的にはブロークンジャーマンの域を出ないが、去年の秋に文さえまともに瞬時に作れない壊れっぷりだったことを思うとだいぶ回復してきた。
本番はここからだが、第一段階は到達できた気がしている。
第一段階とは自分の考えや意志を目標言語だけでざっくりと伝えられるレベル。
英会話のレッスンで考えると「英語だけで英会話のレッスンが受けられるレベル」

この5ヶ月、やってきたことはとにかく「ざっくりとした話題の準備」だけ。
自分が何をしたのかをどう話そうかを考えておく。それだけだ。
単語の暗記、文法の問題集を解く、というようなことは一切やらなかった。
私のドイツ語学習歴は20年ぐらい前に始まり、何年ぐらいかけたかは
覚えていないが英検のような試験のドイツ語検定に4級、3級、2級に合格。
それから10年ぐらい前に準一級を受けたが数点足りずに不合格。
それ以降は特にドイツ語のレッスンは受けず、リスニングを続けるというようなことも一切やらなかった。そのせいで完全に錆びついたのだが(笑)この状態は一般的な日本人の英語力に条件的には近いと思う。

その昔、ネイティブスピーカーのドイツ人男性の先生のレッスンを受けているときには、今よりももっと細かく言いたいことを話そうとしていて私はエッセイのようなものを書いて原稿を準備し、レッスンの前にそれを暗記しようとしていた。
当時はもちろんchatGPTなどはないから自分で訳した。そしてそれを繰り返しみたり読んだりして、先生の前でそれが話せるかをやろうとしていた。でもある日、はたと気づいた。(私、全然、考えてドイツ語を話していない。思い出しているだけだ)と。思い出す回路と、考えて話す回路は全然違う。継続すれば少しは覚えて考えて話す回路に乗ってくれる文なども生まれるだろうが、あまりにも不自然なので
私はこの方法をすぐにやめた。

今回のLEを再び始めるにあたって、私は上記のような昔自分がやった方法を思い出していた。私がここ数十年でみてきた、多言語話者はそんな方法で会話力をつけようとする人はゼロ。みんな「言いたいこと」と「目標言語」を最初から直接繋げて話そうとする。特に初期は短く簡潔に。話す内容も限定する。細かい描写は諦める。大枠を伝えることを優先する。

今回、私はこの「多言語話者たちが見せる型」を完全に真似してみた。
それが上にも書いた「今日は何を話そうか」というざっくりとした話題の準備だ。
久しぶりにドイツ語で話すのでそんなに難しいことを話そうとするのはあきらめた。とにかく「日常的な話題で自分が何をしたか」を描写することを優先した。

そして何が出てきて何が出てこないかを確認する。
咄嗟にでてくる単語、文法はいまでも私の中に残っているドイツ語だ。
とにかく「通じればいい」と話し切ることを優先する。
そしてLEのあとで、chatGPTに自分が今日話した内容を簡潔な日本語でまとめそれをドイツ語訳してもらい、それをノートに書き写す。難しいと感じるともっと簡潔に書き直してもらう。そしてそれをノートに書く。ということを繰り返した。
忙しい日、疲労困憊してる日はできない日もあったが、基本的にはこの流れを5ヶ月続けている。語彙も文法も自分がいいたいことを優先して復習していった。特に語彙は(ああ、そうそう、これこれ)と思い出すものが多かった。文法はもう忘れているものも多かった。(ああ、あんなにがんばったのに(涙))

そしてこのchatGPTに作ってもらったドイツ語訳を私は繰り返し読んだり、音読したり、というようなこともほぼやっていない。それをやり過ぎるとまた「思い出そうとするスイッチ」が入ってしまうからだ。ノートに書き写したものはあくまで備忘録。目を使わずに脳と口を直接繋げる訓練、と言えば、わかりやすいだろうか。
そして最近、その回路が復活し始めている体感がある。

日々、時間は流れ、私の脳の老化も進行する。
さて、ここから私のドイツ語会話力はどのぐらい回復するだろうか。
回復後、進化することはできるだろうか。

私のやる気を支えているのはすごく単純なものだ。
LEのパートナーのSabineに「あのこと話したい!」と思うことだ。





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