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レトロ建築好きの心が震えたティータイム 自由学園 明日館という重要文化財にて
“自由学園 明日館”
目を引くパワーワード。
創設者の思いを強く感じる名称ですね。
そして、その館の設計者は旧帝国ホテルを手がけた近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライト。現在は重要文化財に指定されています。レトロ建築好きとしては、気にならないわけがありません。
聞き覚えがない方でも、どこかでこの建物を目にしたことがあるのではないでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1712329117049-rKjGmxw9k8.jpg?width=1200)
明日館の食堂でティータイムが楽しめると知り、行ってきました。
この記事はこれまで2回の訪問経験と画像をもとに作成しています。
自由学園 明日館とは
自由学園は、1921年に東京都池袋に創設された女学校です。女性が古いしきたりに縛られていた時代に、自ら考え学ぶ力をつける場を目指して開校しました。今の言葉で表すと、エンパワメントを図るということでしょうか。
生活すべてが学びだという「生活即教育」をモットーに、最初の入学式に集った女学生は26人。生徒の増加により、1931年には現在の自由学園がある東久留米に移転しました。
池袋に残されたこの旧校舎は「明日館(みょうにちかん)」と名付けられ、現在は使いながら保存する「動態保存の文化財」として、運営されています。
施設はセミナーやコンサートをはじめ、結婚式の会場としても貸し出されていますよ。忘れられない思い出になりそうです。
早速行ってみましょう!
明日館の最寄駅は池袋
明日館は池袋駅から徒歩5分ほどの場所にあります。メトロポリタンホテル方面の以下の出口が便利です。
・3番出口:階段
・4番出口:階段、エスカレーターあり
大通りを渡ると、あたりは一気に閑静な住宅街に。明日館までの道のりには、看板がありました。
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ずっと気になっていたあの人(館)に出会ってしまう…!という高揚感と共に近付いていきます。あの角を曲がると遂に…ドキドキ…
ちなみに、明日館に見学者用の駐車場はありません。近隣にコインパーキングが2カ所ありましたが、どちらも商用車やトラックで満車でした。事前に調べていくといいかもしれません。
→三井のリパーク駐車場検索「西池袋2丁目」で検索
明日館の見学料金
到着しました!
入り口で見学料を支払います。
【見学料】
・喫茶付き見学:800円
・見学のみ:500円
ここは「喫茶付き見学」一択でしょう!
見学料を支払ったら、ここを行き来していたであろう女学生たちに思いを馳せながら、回廊を通ってメインの建物に入ります。
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明日館はフランク・ロイド・ライトが設計
この校舎の設計はアメリカ人の建築家、フランク・ロイド・ライト。
軒高が低く、水平線を強調した建物は、プレーリースタイルと呼ばれるライトの代表的な建築様式です。また、窓枠などに見られる幾何学的な装飾も特徴です。
木製の床や椅子、机には、使い込まれた木特有のなめらかな光沢があり、学び探究に訪れる人を受け入れる温かさを感じます。
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また、あちこちに直線を意識した装飾があり、やわらかい雰囲気の中にあっても、ピッと背筋がのびる感覚があります。
いよいよこの校舎の目玉とも言える、ホールの大きな窓に出会います。
ライトは費用を抑えるため、高価なステンドグラスは使わず、木製の窓枠や桟を幾何学模様に配置してガラスをはめ込んだそうです。
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明日館の食堂でティータイム
ホールの小さな階段を登ると、そこはお待ちかねの喫茶スペース。かつての食堂です。
生活即教育をうたう自由学園では、生徒が昼食を調理し、この食堂でみんなで温かい食事をいただいたそうです。
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時は大正時代、自由教育運動の最中。ここに集った生徒たちは一体どんな家庭の子どもたちだったのか。興味がふくらみます。
レトロで落ち着いた空間のようでいて、存在感のある照明や、学校をイメージした家具とは「ちょっと違う」尖った椅子が、思想と相まってこの空間を特別なものにしています。
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早速紅茶をオーダーして、しばしこの場に身を沈めたいと思います。セルフサービスで、注文には入り口で購入した喫茶券の半券が必要です。
【メニュー】
・コーヒー(アイス・ホット)
・紅茶(アイス・ホット)
*焼き菓子付き
シンプルな材料でできた甘さ控えめの焼き菓子が、そっと紅茶に寄り添っていました。子どもにはジュースと焼き菓子のセット(300円)があるので、子連れでも安心ですね。
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明日館ではランチなどを提供するカフェ営業はありません。喫茶を催していない日もあるので、見学カレンダーで要チェックです。
見学の際は、喫茶まで含めて体験したいですね。
ちなみに、東久留米の自由学園には、しののめ茶寮という学生寮を改修したカフェがあり、ランチを提供しています。
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場所に込められた思いに、心が動かされる
自由学園は女学生に新しい教育を施すべく、女性初のジャーナリストで雑誌「婦人之友(当時は「家庭之友)」の創刊者である羽仁もと子氏と夫の吉一氏によって設立されました。
女性が家庭の中だけに収まることなく、一人ひとりが生涯にわたって「自分のいのちのよき経営者」となれるよう、自ら考える力を伸ばすための教育を試みます。
この羽仁夫妻の言葉に胸が震えました。
私は自分のいのちのよき経営者になれているだろうか?
日々直面する事柄の小さな境界線が消えて、自分自身を全体として捉えられたような感覚がありました。そうすると、いのちの使い方が変わるなぁ。
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また、ライトは以下の言葉を残しています。
自由学園にふさわしく自由になる心こそ、この小さき校舎の意匠の基調であります。
「自由な心」グッときます。どんな環境でも、心は自由でいたいものです。そうあるよう努めています。でも、子育てしていると難しいと感じることも。
おっと、話がそれました。
建物はもちろん素晴らしいのですが、内包された人々の思いや志もまるっと込みで一つの作品であると感じました。共感は人を惹きつけますね。
そこで、先の疑問に戻ります。
当時は先進的だったであろうこの学園に集った生徒たちは、どんな家庭の子どもだったのか?
尋ねたところ、最初は「婦人之友(当時の家庭之友)」に関係する方・読者が多かったとのことでした。
婦人之友は「シンプルで心豊かな生活を願う」「よりよい生活を提案し続ける」雑誌です。生活を重視した教育方針に共感した方が多かったのではないでしょうか。
noteのタイトルにもあるように、私は「生活(くらし)」という言葉に響いて仕方がないタイプ。「婦人之友」ぜひ読んでみたいと思います。
女性のエンパワメントのために雑誌や学校を作ってしまうとは、羽仁もと子さんはなんて行動力に溢れた女性なのでしょう。見習いたいところです。
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まとめ
池袋の自由学園明日館は、1921年に創設された女学校の旧校舎です。近代建築の巨匠と呼ばれるアメリカ人建築家、フランク・ロイド・ライトが設計しました。プレーリースタイルと呼ばれる建築様式や幾何学模様の装飾が特徴です。
現在は重要文化財に指定されています。館内の見学ができ、食堂でティータイムが楽しめるので、レトロ建築が好きな方はぜひ訪れてみてください。
できれば、後に予定を入れずに心ゆくまで滞在するのがおすすめです。
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