複眼に憧れて
シュレディンガーの複眼へ
近頃はフイルムの入手が困難になり、モノクロネガばかりを使用する傾向にあるが、行動範囲に唯一の現像できる店舗であるカメラのキタムラでは、C41現像でない現像は工場出荷となり、約1ヶ月を要すことになる現実がカメラ趣味を減衰させている。たしかに、私がフイルムカメラを肯定するときよく言うのが、その場で仕上がりを確認できないことによる仕上がりへの想像性なのだが、そうは言ってもカラーネガの現像に要する時間は長くても1時間程度のもの、3日で36枚を撮影し、その結果がそのくらいで見えるというのは1ヶ月にくらべれば遙かに時間は掛かっていないのである。3日程度ならロケーションと露出設定もおおざっぱには覚えていられる期間であるし、撮影と現像の期間の重複もないので混乱も起こりえないわけで。
そうすると、しだいにカメラ趣味の士気も右肩下がりになってしまうというわけだ。今回久しぶりにカラーネガを入手してそういうことを再認識しているところ。まあ愚痴はこのくらいにして、写真を見てくれ。
存在するって面白いことなんだな。
最近はまた多重露光への憧れが再燃して、頻度が上がっている。コマずれ、カブリがあるのはまだ空回しの技術が低いためだ。
多重といってもこれまでのは二重、たまに三重露光も試みたと思うが、次の1枚は五重露光である。
紫陽花と紫陽花と紫陽花と紫陽花と紫陽花。仕上がりはまだ暗かった、あと二度ほど重ねればよかったかもしれない。できるだけゴチャゴチャしてどの像とどの像がひと連なりの景色か分からない写真にしたい。