県外出身者の自分が見た沖縄の基地問題 

 「守ってくれてありがとうございます!」
 確かそのようなニュアンスの言葉だったと思う。これは、私が友人と話していた時に、その友人が発した一言である。事の発端は会話の内容が沖縄の米軍基地問題に移った時だと思う。普天間基地の辺野古への移設について話している流れでそのような一言が飛び出したと記憶している。
 「沖縄に米軍がいるから日本が守られている。」
 その言説はまことしやかに世間で支持されている。しかし、古い話になってしまうが、ベトナム戦争の時に嘉手納基地から米軍が出撃することがあった。そして現在に至るまでも沖縄では米軍の兵士らによる犯罪あるいは米軍の航空機の騒音や事故及び部品落下、PFOSによる水質悪化や汚染物質が混じった土壌などの環境破壊、さらには杜撰な管理のために生じた新型コロナウイルスの拡大などの多くのトラブルが起きている。果たして、このような多くの問題を抱えているのにも関わらず、「日本が守られている」と軽々しくいうことができるのだろうか。
 今、振り返ってみると先ほどの友人がこれらの問題を知っていたかどうかはわからない。しかし、在日米軍によって沖縄に住む人々の生活に危険が及んでいることは重く受け止め、改善に向けて動かしていかなければいけないと思う。
 私は沖縄県に生まれた人間ではない。しかし、米軍基地関連の問題が自分の生まれ故郷で起きると想定すると、はなはだしい怒りを覚える。
 さて、今回の沖縄県知事選挙も基地問題、とりわけ普天間基地の辺野古への移設が焦点となるだろう。辺野古に移設するのか、はたまた埋め立て部分を軍事的に活用するのか、そもそも移設自体に反対かということで三人の候補の意見は分かれている。しかし、辺野古に移設したとしても、すでに埋め立てた部分にオスプレイを配置したとしても、完全にそれらの市民生活を脅かす問題は解決したと言えないだろう。やはり、住民の生活を守るためにまずは普天間基地を閉鎖・返還をしたうえで、辺野古への移設は中止するべきだろう。そして、その他の沖縄や日本全国の米軍基地の返還について議論していくべきだと考える。なぜなら、これらの問題は沖縄以外の基地でも起こるかもしれないからだ。そのため、未来ではこのような議論が必要だと考える。
 沖縄の基地問題は単純ではない。過去から現在に至るまで米軍による問題で多くの人がつらい思いをしている。しかし、県外出身の私は沖縄に来るまではこのことについて恥ずかしながら意識したことが無かった。だが、沖縄で生まれ育った友人や沖縄で活動している方の話を聞くと、米軍による生活への被害が慢性的で身近なところまで及んでいることが分かった。
 私は「沖縄の基地問題は生活問題」ということを強調したい。そして、米軍による事件や環境破壊、新型コロナの拡大といったことで県民の方が日々悩まされているということを前出の友人をはじめヤマトに伝えていき、「米軍基地反対」のムーブメントを広げていきたい。なぜならそれがきっと、ヤマトからやってきた私の役目なのだから。

(「いいね!」や拡散は10日夜23時59分までにお願いします。)

参考文献・関連資料
NHK NEWS WEB 沖縄 NEWS WEB「沖縄県知事選候補者に聞く『米軍基地の整理縮小』」
https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20220906/5090019926.html

2022年9月8日閲覧

琉球新報DIGITAL「辺野古移設後、騒音は宜野湾大山並み アセスデータで判明」2016年1月23日13時11分配信
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-209123.html 

2022年9月8日閲覧

沖縄県HP 「沖縄県が普天間飛行場の辺野古移設に反対する理由」2022年8月16日更新
https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/henoko/r4revise/hantai.html

2022年9月8日閲覧

東京都都市整備局HP「1 主な基地問題」
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/kichitaisaku/yosei_katsudo/issue.html

2022年9月8日閲覧

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