テレビドラマ初回のみ“ふんわり”レビュー<2022年1月期>
【NEW】『妻、小学生になる』『となりのチカラ』と今期のふんわり総評を更新しました!
前クールのテレビドラマは『最愛』や『アバランチ』 『和田家の男たち』などなど話題性やインパクトが強くて面白いドラマがたくさんありましたが、「今回のクールはなかなかどれも薄味な感じがして何を観て良いか迷うなー」と友人が困っていました。気持ちわかります。
テレビドラマ初回ほぼほぼ観る人間としてはこれはなんとかせねばと思いまして、初回観た感想やら情報をふんわりレビューします!
あくまで“ふんわり”です。そしてあくまで1話を観た感想なので、今後どーなっていくかは保証いたしませんのであしからず。
星の評価は
<★★★>次回楽しみ!
<★★☆>次回も観る!
<★☆☆>次回もまー観るかも!
<☆☆☆>次回以降もう観ない!
くらいの感じです。
ほぼネタバレないと思うのですが、未見の方は一応お気をつけください。
※ちなみにTVerで観ているのでTVerにないNHKやWOWOWプライムのドラマは除外してます。
【月曜日】
<★★☆>『ミステリと言う勿れ』
田村由美の同名コミックの実写化。
タイトルの通りミステリーであってミステリーではない。主人公の大学生・久能整役の菅田将暉がだいぶ炎上してましたが、実写化としてはそんなに悪くないかと。原作とのキャラクターの違いをどこまで許容できるかという感じかな。
基本的には原作通りの順番でしっかり進んでいくのだなーと安心していたが、ただ作りがちょっと謎で1話の最後に2話の頭がくっついていた。しかもけっこう長尺で。これは2話でまた頭からやるのかな?謎。
<★☆☆>『ドクターホワイト』
『金田一少年の事件簿』などヒットメイカーの樹林伸による小説が原作。
医療モノと思わせておいてのサスペンスの雰囲気。しかしコメディ的な要素もあり焦点が定まらない感じ。
とりあえず浜辺美波がかわいすぎる。その理由はプロモーションビデオの如き撮り方で絶対監督がファン。
しかし記憶喪失で医療以外の記憶や感情が無いというかなり難しい役でちょっと厳しいかな。
1番の問題は命を扱ってるはずなのに全然重みが伝わってこない事。
<☆☆☆>『ユーチューバーに娘はやらん!』
秋元康原案・企画の作品は何作品あるんだろうか?
初回は結婚式当日に新郎に逃げられながらもその場に居合わせたユーチューバーやテレビマンの力を借りて新婦が1人で披露宴を行うドタバタコメディ。
これは1話を膨らませて映画でやればよかったかもね。
YouTubeのような大仰な映像処理や効果音、メタ的なセリフもあったりと、かなりやりすぎな感。そしてコメディにしては笑えない。
今後はユーチューバーとテレビマンが新婦を取り合う三角関係らしい。
【火曜日】
<★★★>『ファイトソング』
『姉ちゃんの恋人』 『にじいろカルテ』の岡田惠和脚本のオリジナルドラマ。
TBSの火10という恋愛ドラマ枠で三角関係の話と聞いていたのでちょっと軽い感じで観てたら意外にもとても良い話だった!交通事故で空手のオリンピック選手という夢を絶たれた主人公と一発屋で崖っぷちのミュージシャンの再生の物語。
しかし主演の清原果耶ってこんなに良かったのか。演技が素晴らしい。
そして間宮祥太朗はどこの時空でも三角関係。
【水曜日】
<★★☆>『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』
高畑充希主演のお仕事系コメディドラマ。いろいろ設定的に強引な所はあるがコメディエンヌ高畑充希は良き。そして脇を固める荒川良々・山田真歩・神保悟志なども渋い活躍。
料理系の感じならもう少し料理を美味しそうに撮ったほうが良いかも。
あと志尊淳の社長へのタメ口だけなんとかならないか...なんかの伏線ならいいけど...
今後は三角関係?恋愛モード突入?危ない匂いがする...
<継続>『相棒Season20』
前クールからの継続。
【木曜日】
<★★☆>『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』
『ストロベリーナイト』 『リーガルハイ』の石川淳一が演出で黒木華が主演の社会派お仕事ドラマ。
潰れかけのネットニュースサイトが舞台で主演の黒木華がひたすら空気を読まない。しかし生瀬さんの1話での退場はもったいない。
不安要素は事件や問題が小さすぎて薄いのであまりもえない。
そしてフジテレビ木10枠はすぐにお仕事ドラマに恋愛要素を絡めてロクな事にならないのでそこも要注意。
<★☆☆>『ケイ×ヤクーあぶない相棒ー』
薫原好江原作コミックの実写化。栗山千明が『ファイトソング』とダブルヘッダー。そして吉本制作なので吉本芸人がやたら出演。
警察官×ヤクザというよくあるストーリーながら、BL要素も今後ある感じなのだろうか?
なんやかんやで次回も気になる雰囲気ではある。
<★☆☆>『となりのチカラ』
『家政婦のミタ』の遊川和彦が脚本、松本潤が主演のホームドラマ。
些細な事がすぐ気になって何にでも首を突っ込もうとする空気の読めないキャラで新境地開拓の松潤。こいつ全然仕事しねーなーという事は置いといて、近くにいたらめんどくさそう。現代社会においては。
その他の人物も松嶋菜々子は似合ってないし、上戸彩の英語キャラもよくわからない。ナレーションの田中哲司が猫なのも意味不明。
マンションの隣人たちに魅力がない。そもそもマンションにしては壁が薄すぎないか?
内容的にホームドラマにしてはあまり共感できない、コメディにしてはあまり笑えないのは致命的。
<☆☆☆>『真夜中にハロー!』
ハロプロの各グループが各回のストーリーに即した楽曲でパフォーマンスを披露し、視聴者にエールを送るという変わった作りのドラマ。
基本のプロットが昨年のテレ東ドラマ『八月は夜のバッティングセンターで』とほぼ同じで野球がハロプロになった感じ。しかし今回は女性の悩みへの寄り添い方が雑な印象。
ハロプロ好きじゃないと厳しいかな...
<継続>『科捜研の女 Season21』
前クールからの継続。
【金曜日】
<★★★>『妻、小学生になる。』
最後にして今期のベスト!終盤から涙が...
村田椰融による同名コミックが原作、『凪のお暇』の大島里美が脚本。
妻を交通事故で亡くして無気力の夫と引きこもり娘の話はよくあるけど、その妻が小学生に転生して2人の前に現れるというファンタジーな物語。
しかしこれはファンタジーでもあり、コメディでもあり、ヒューマンドラマでもある。
父・堤真一、娘・蒔田彩珠、小学生になった妻・毎田暖乃の3人の演技が素晴らしい。特に毎田暖乃が凄い。
CM間に流れる“本当ならそうであるはずだった”映像もまたせつない。
10年間地獄をみてきた父と娘の再生とそれを見守る小学生になった母の物語、今後に大注目。
ちなみに劇中で堤真一が一番搾り飲んでたよー
<★★★>『シジュウカラ』
坂井恵理の同名コミックが原作。『勝手にふるえてろ』の大九明子監督による映画のようなショットの美しさが光る。最近の山口紗弥加は等身大の女性を演じさせたら右に出るものはいない。不倫相手役の板垣李光人の妖艶さも良い。
不倫モノなので好き嫌いは分かれるかも。
エンドロール後に出る「この物語はフィクションですが、40歳からの恋は実在します」にぐっときます。
<★★☆>『愛しい嘘 ~優しい闇~』
愛本みずほの同名コミック原作によるサスペンスドラマ。主演の波瑠は相変わらずの非モテキャラ。溝端淳平が『ゴシップ』とのダブルヘッダー。
「地方(今回は山梨)」「過去の事件が鍵に」「この中に犯人がいる」など全体的に劣化版の『最愛』の匂いがするのが怖い。
人間の満たされない気持ちみたいな心情の表現か?ミステリー的な謎解きか?今後どちらに重点が置かれていくかによって変わってくる気がする。
それにしてもなぜ波留はあんなに知り合いに高圧的に責められるのか...
<★☆☆>『駐在刑事 Season3』
昨年亡くなった笹本稜平による原作小説の実写化で3シーズン目。しかも単発でも5回もやっていてどうやら人気シリーズらしい。
1話完結なので基本前のシーズンから見ていなくても大丈夫。
個人的には『美食探偵 明智五郎』でもコンビだった北村有起哉&佐藤寛太コンビがよき。
2時間サスペンス好きな人はぜひ観たら良いと思う。
【土曜日】
<★★★>『婚活探偵』
大門剛明による短編小説シリーズの実写化コメディドラマ。基本はテレ東地上波の再放送を流してるBSテレ東の土曜ドラマ9枠で久しぶりの新作。映画監督の近藤啓介が監督/脚本という事でかなり映画的な作り。
これは「ハードボイルド一直線の探偵が40歳を過ぎて急に寂しくなり周りに内緒で結婚相談所に通う」というストーリーがとにかく面白い。婚活アドバイザーの成海璃子にとにかくハードボイルドである事を全否定され続ける向井理が笑える。
探偵として事件は解決できても婚活はうまくいかない主人公の今後に期待!
<★★☆>『封刃師』
ABCテレビのドラマL枠で脚本が劇団☆新感線の中島かずき。
監督が『アバランチ』の藤井道人×主演・早乙女太一という事でさすがのアクションよき!
黒い灰の漏れている敵の刀を自分の鞘に収めて封印するというアニメみたいな謎の設定。
しかも敵が怒りを抱えている人間に刃をさすと能力発動、普通の人には見えないってジョジョ4部みたい。
30分で観やすいし、まだ話が全然見えてないので次がちょっと気になる。
<★☆☆>『逃亡医F』
『サトラレ』の佐藤マコト原作×『あなたの番です』の福原充則脚本。
天才外科医が逃亡しながら人を救っていくというストーリー自体は面白い。
でもコメディではなくサスペンス、そして医療モノにおいてやってはいけないリアリティを削ぐシーンが終盤にあって非常に残念だった。
あと松岡昌宏のいかにも芝居してます感の濃い芝居に飽食ぎみ。
『最愛』から続いて酒向芳がキーを握る存在っぽい。
さらにヤスケンまでマッドサイエンティストみたいな役でミックスフライ定食の如き重さ。
【日曜日】
<★☆☆>『DCU』
ハリウッドの制作会社とタッグという事で前の日曜劇場『日本沈没〜希望のひと〜』みたいにNetflixに売り込むのかな。
内容的には水中版のMER。しかしMERと違ってチームのメンバーに魅力なし。阿部寛と市川実日子の夫婦は良いんだけど...
それから海保の実在しない特殊捜査チームという事で推理の過程があまりにも稚拙すぎる。そして救助なのか?捜査なのか?焦点が定まっていなく中途半端感は否めない。あとけっこうずっと地上にいる。
唯一、横浜流星の過去の記憶から繋がる最初の事件の話は面白そう。
<継続>『真犯人フラグ 真相編』
前クールからの継続。
ランキング形式まとめ
<★★★>
『ファイトソング』『妻、小学生になる』『シジュウカラ』『婚活探偵』
<★★☆>
『ミステリと言う勿れ』『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』『ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○』『愛しい嘘 ~優しい闇~』『封刃師』
<★☆☆>
『ドクターホワイト』『ケイ×ヤクーあぶない相棒ー』『となりのチカラ』『駐在刑事 Season3』『逃亡医F』『DCU』
<☆☆☆>
『ユーチューバーに娘はやらん!』『真夜中にハロー!』
ふんわり総評
今期の1話を観ただけの個人的オススメは『妻、小学生になる』『ファイトソング』『婚活探偵』『シジュウカラ』の4本です!
『妻、小学生になる。』と『ファイトソング』は人間の再生がテーマで個人的に好きな題材というのもある。ただ今後『ファイトソング』は火10という恋愛ドラマ枠なので、あまりにも恋愛とか三角関係に振れすぎるとどーなるか不安。
『婚活探偵』はコメディの塩梅が抜群。多すぎず少なすぎず要所を抑えてる感じが、映画っぽい撮影とのコントラストも含めて良い。
『シジュウカラ』はまさに大人のドラマ。今作品のテレ東・祖父江プロデューサーがずっと探求しているテーマで、もはや安定感すらあります。
全体的にはそこまで話題になるようなドラマもなく、続けるか?止めるか?当落線上のような中途半端な作品が多いイメージ。
あとは藤井道人、大九明子、近藤啓介など現役の映画監督がたくさん参戦しているのも特徴。海外では当たり前の事なので日本のテレビドラマも競争力をつけるためにはそーいう動きが多くなってくるかも。
という事で今期はこんな感じでした。
(評判が良ければ)また4月頃にお会いいたしましょう!
テレビドラマにコロサレル!
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