「玄冬へ還る」
道すがら
玄冬へ還る
帰り道
東京に雪景色
春のはじめに
冬に還る
子どもに返る
冬が足りなかったから
うれしくて
浮き足立って
雪道を歩く
かき氷の食べ残しのようで
歩きずらいけれど
そのうまくいかない具合が
また良くて
幼子が使えなれないスプーンを
なんとか口へと運ぶように
水がしみないように
考えながら一歩ずつ踏みしめて
舞いおちる雪
木々の雪化粧
真っ白に還っていく
私の人生とともに
雪が降ればうれしくて
雪だるまを作ったり
坂道をソリで滑ったり
あそびが溢れた
冬は子どもごころが戻るとき
これがなきゃ
つまらないだけ
みんな忘れてるけど