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「神代植物公園晩春椿歌 二十九首 下」

台座には

恥ずかしがり屋が

身を隠し

春の台(はるのうてな)


ひとちぎり

逢える逢えない

散りてゆく

五色八重散椿


乙女でも

色を出したい

目立ちたい

絞乙女


椿なら

紫の人は

この人か

紫絞


混沌の

深き闇から

淀み立つ

淀の朝日(よどのあさひ)


おめでたや

くす玉みたい

紅麒麟(こうきりん)

紅麒麟


縦と横 

折り重ねては

揺るぎなく

繻子重(しゅすがさね)


ぽってりな

森のくまさん

出会ったよ

熊坂


春アロハ

そんな装い

古金襴(こきんらん)

古金襴



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