「平凡な人」
卒業文集の将来の夢
となりの仲良しの鈴木君が書いたのは
「平凡な人」
私の「普通の人」と似ているの
普通でも平凡らしくもない
お互いの夢をみて笑ってしまった
やっぱり鈴木君とは
気が合うな
でも平凡な人って
どんな人だろう?
当時の私は
ぼんやり考えていた
いまいちピンとこないまま
月日はたって
今ようやく
なんとなく分かりかけてる
平凡の中に隠された
彼の思い
それは人生への諦めだったのか
希望だったのか?
平凡という言葉に
本音を隠したのかな
未来をあざ笑いながら
未来に期待して
平凡な未来は
シナリオ通りなレールの上を
歩かされていくことへの
予感でもあるかもしれないし
平凡な未来は
苦しみや悲しみといった
感情の起伏とは無縁な
落ち着いた幸せかもしれない
平凡な未来は
将来の夢という
小っ恥ずかしいことを晒すことへの
反抗かもしれない
平凡な人も
いいなぁ…
鈴木君は平凡な人に
なれたのかなぁ?