「神代植物公園大寒椿歌 十五首 下」
痛むまま
あれよあれよと咲いていく
おのれの才の
成しうる限り
花びらに
写してみたか墨流し
遊びごころは
すみにおけずに
年ごろの
爛漫乙女はあばたづら
ほんのり頬を
紅く染めて
ポシェットの
ふんわり真紅に
一目惚れ
ゆらゆらゆれてうかれお出かけ
満月の
夜にひろがる月のかさ
さらなる白さ
宴に伴い
お焚き火と
神楽のあとの清らかさ
消えゆく夜に
ひかりを迎えて
まりちゃんは
鞠のようだねかわいいね
まあるく撫でるよ
はずんで飛んで
ふと見れば
黄金に咲いたキミ椿
みずから落ちて
くれればいいのに