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「神代植物公園晩春椿歌 二十九首 上」

蜜蜂が
のれんをくぐり
酒の中 

酒中花(しゅちゅうか)

椿見る
ひねもすのたり
のたりかな

日暮(ひぐらし)

赤子の手
ひらきのびゆく
愛おしさ

小紅葉

星めざし
牡丹に近づく
椿かな

星牡丹

橘と
競い並んで
咲き誇れ

花橘

昼に夜を
思わす光
静謐さ

月の都

赤と白
椿の碁石は
貴女かな

碁石

空蝉が
鳴くまで咲くか
梔子か

空蝉(うつせみ) その姿は夏の花のよう

紫に
染めて川となり
花となり

染川

正義さん
とうとう椿に
なっちゃった

正義(まさよし)

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