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Part2<私の動静脈血管奇形について>

この病気が見つかってから、もう約30年が経ちます。これまでSNSではほんの少しだけ情報を発信してきたのですが、ここまで深掘りして、誰が読むかわからないこのnoteに投稿するのは正直なところ躊躇していました。だって、痛みや辛さって結局自分だけが味わうシークレットな体験ですし、「難病」と聞けば、僕よりずっと激しい戦いをしている人たちがたくさんいる。そう考えると、自分の「難病」が取るに足らないエキストラの苦労のように感じられることもあるんですよね。そもそも、他人に完全な理解を求めるのは、宇宙の謎を解明しようとするような無理難題だと思っています。

しかし、手術という名のジェットコースターに何度も乗るたびに、「同じ病気と戦う仲間と、情報をシェアしたほうがいいのでは?」と考えるようになりました。僕自身、情報という秘密のスパイスに救われた経験があるからです。ただ、いざ日常に戻ると、また腰が重くなって物事を後回しにしてしまうという、まさに「腰が重い」現実もあるんです。

それでも、僕がこれまで悩み、ビビり、そして何とか受け入れてきた30年分の経験が、誰かの役に立つのであれば、やるべきだと思い、ついに重い腰を上げたわけです。もしも、この体験が「なるほど、じゃあ私もこうしてみようかな」という小さなヒントになれば、それ以上に嬉しいことはありません。何度も言いますが、僕は「情報」という助け舟のおかげで、今日の自分があると信じています。

さらに、書くという行為自体が、自分の気持ちを整理する良い手助けになると気付き始めたんです。もちろん、書くのはあくまで自分のため。でも、それが誰かの役に立つなら、二重にハッピー!ということで、喉に刺さった魚の骨のようなモヤモヤも、少しずつ吐き出していこうかなと思っています。

さて、ここからは「動静脈奇形」というテーマのお話に入りますが、詳しい解説は専門家にお任せください。僕が語ると、誤った情報になってしまうかもしれませんので、興味のある方はぜひリンクもチェックしてくださいね!

ざっくり言えば、動脈と静脈が毛細血管含めてごちゃごちゃに絡み合い、そこに強い血流が流れるせいで痛みや壊死、ひどいと大量出血で死にいたる。。。現代においても完治がない先天性の病気です。なんて、これだけ聞くと、ちょっとビビりますよね?僕はその「やっかい者」を右の顎〜こめかみにかけて長年おさめて共同生活をしているわけです。

僕と動静脈奇形の30年にわたる物語(ざっくりバージョン)

1998年頃
歯医者に行ったら、「唇にやたら強い拍動があるね」って言われました。普通、唇がドクドクするってどういうこと?と焦りつつ、紹介を受けた都内の大学病院で検査を受け、(この時は血管腫という診断)こりゃ珍しい病気で今処置しないと、ということで初めての切開手術を経験。血管をクリップで止めて血流を抑える作戦でしたが、数年後に「この手術、実は意味なかったです」と判明しました。あの痛みは何だったんだ…。

2004年
唇がどんどん腫れてきて、拍動も「トクン、トクン」から「ドックンドックン」に進化(?)。ある夜、突然口の中から大量出血!飛び散る勢いで出てきて、もう駆け込んだトイレの壁は殺人現場!こりゃ普通じゃないと救急へ。数日の戦いの末、完全に止血できず、血液のストックも底をつきかけて地元の大病院でカテーテル手術を2回実施。ここでやっと出血が治まり、平和な日常に復帰しました。

2012〜2014
唇の凄まじい鈍痛、壊死が始まり、拍動も「まるでEDMのベース」みたいに激しくなる中、いよいよステージ3〜4(破壊期〜代償不全期)に入ったと実感。必死に調べた札幌の専門病院にようやく辿り着きました。診察検査を経て、1回目の効果治療開始。

2025年1月
現在(2025年1月時点)までに計8回の硬化治療を実施。こうして「30年戦争」が続いているわけです。


こんな感じで、僕の動静脈奇形との歴史を深掘りしていこうと思います。少しでも誰かの参考になれば幸いです!

#難病 #動静脈血管奇形 #血管奇形 #指定難病 #シニアサーファー

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