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【お料理】ベンガル料理が食べたい Alu Sheddho(ジャガイモのマッシュ)編

ベンガル料理が食べたい。
ベンガル料理とは、『インドの西ベンガル州からバングラデシュにかけた地域(ベンガル地方)の郷土料理のこと』らしい。
らしい、というのは実際にベンガル地方はおろかインドにだって行ったことはないし、ある人が作った料理を一度食べたことがあるだけだからだ。

そのある人とは、シタール奏者の石濱匡雄(いしはま ただお)氏。
氏はシタールの鍛錬のためにインドに渡り、在住経験を生かしてベンガル料理を広める活動を行う料理家でもある(と言っていいと思う)。
同じくインド音楽に携わる盟友、インドの太鼓・タブラ奏者のU-zhaan(ユザーン)氏の勧めを受けて2冊のレシピ本『ベンガル料理はおいしい』『ベンガル料理が食べたい』を出版している。

このシリーズでは、石濱氏によって「ベンガル料理はおいしい」と思わされた一般人が、レシピ本を参考に見よう見まねでベンガル料理を作る様子をお届けしたい。



ベンガル料理との出会い

2022年3月、山梨県甲府市で僕とベンガル料理が出会った。
僕はタブラ奏者のユザーンさんのファンで、生演奏を見たいな、と思っていたら甲府市のイベント「こうふはっこうマルシェ」の一環でステージに上がるとの情報をキャッチ。発酵ワイン醸造家やパン屋さんなど、発酵に携わる方々を中心に結成された「はっこうマルシェバンド」とのツーマンライブとのこと。
そしてイベント概要には「来場者には石濱匡雄さんによるこの日だけのスペシャルカレーをご提供させて頂きます」との一文が。
よく分からないけど面白そう!!ということで即座に妻と二人分のチケットを取ったのだった。

はっこうマルシェは甲府市で行われる「発酵とジュエリーとクラフトに出会う市」で、2018年から毎年開催されている、ローカルでハピネスなイベントだ。
イベントHPに当日の様子がアップされていたので、良ければ見てみてほしい。
めちゃくちゃハピネスチャージな光景なので。
イベントHP:https://www.v-e-j.com/ongeki/202203/

正直言うと、石濱さんのことは恥ずかしながら知らなかった。
シタールの生演奏も聴いたことがなかったので、どんな感じなんだろうと楽しみにしていた。

石濱さんの作るカレーもライブについてくると知っていたけど、きっと試食程度だろうとタカを括っていた。
だから昼前に甲府に着いてまず、名物のほうとうと鳥もつ煮をたらふく食べた。

熱々、具沢山でとても美味しかったほうとう。また食べたい。
鳥もつ煮。新鮮でぷりんぷりんだった。

イベント会場の『桜座』は、ライブハウスというよりも小劇場と行った趣だった。
地元ローカルのイベントとあってか、家族連れが圧倒的に多く、ちびっこもたくさんの空間だった。

イベント会場に貼られていたフライヤー。
かっこいいけど、とても地元ローカルなイベントとは思えない。

入場すると、エントランス部分に物販と、大きな鍋が置いてあった。
鍋は小ぶりな寸胴サイズの、インドっぽいとしか言いようのない不思議な形をしていた。
スタッフさんがスタンバイしていて、カレーを配膳してくれる。
受け取ると、思った以上にずっしりとした質感に驚く。

受け取ったカレー弁当。

メニューはマトンカレー、じゃがいもの炒めもの、野菜のアチャール。
素人覚えで間違っていたら恐縮だが、カレーはマトンとダール(豆)のカレーのあいがけのような感じがした。

さっきお腹いっぱいほうとうを食べたところだったが、スパイシーな香りに惹かれて一口食べてみるとーーー

おいしい!めちゃくちゃおいしいぞ!!!

本場のカレーなだけあって結構辛い。
CoCo壱の5辛は食べられる筆者だけど、慣れない刺激があるせいか辛味を強く感じる気がする。マトンの滋味深さ、豆の甘さをスパイスが色んな方向から支えたり、辛味で吹き飛ばしたりするのか、一口ごとに違う印象すら受ける。
口直しのはずのじゃがいもも辛くて逃げ場を失うが、いい意味で青さのある爽やかさ。
野菜のアチャールも当然辛いのだけど、色んな味がしてうまい。

この日から、僕は石濱さんのカレーの虜になった。

後日、石濱さん&ユザーンの名義で出しているレトルトカレーも食べた。

Amazonや楽天、その他Webショップで販売中。ぜひ。

そして2冊のレシピ本『ベンガル料理はおいしい』『ベンガル料理が食べたい』も入手した。
このレシピを見ながら作れるようになるぞ!と意気込んだが、実際に作ることはなかった。
材料を入手するのが(自分にとっては)難しかったからだ。
一通りのスパイスはS&Bの小瓶で揃うのだけど、「ローズウォーター」や「マスタードオイル」のように、なんとなく名前でどんなものかは分かる気がするけど、実際に目にした事のない調味料がほぼ全ての料理に求められるのだった。
パラパラとめくるだけでも楽しい本なので損はないのだが、いつか作れたらいいな、と思いながら2年が経過していた。

駅前にスパイス専門店ができた!!

あれから2年、気づいたら駅前にスパイス専門店ができていた。
インドかネパールかその周辺っぽい方が店主の本格的な店だ。
葛西ほどではないが比較的インド料理店が多いエリアではあるので、プロ向けのお店なのかもしれない。
「スパイス」と大きく掲げているが、インディカ米やダール(豆)、冷凍のマトンや魚、生鮮野菜など一通りの食材が揃う。

2年越しの野望を叶えるZOYと意気込んで、お店に行ってきた。
ただ、初心者がいきなり各種スパイスや調味料を揃えても持て余すと決まりなので、手堅く最低限の材料&スキルで作れるものから始めることに。

ガラムマサラ、マスタードオイル、青唐辛子、宝焼酎ハイボール(飲みたいだけ)

そんなわけで、本当に最低限のものとしてミックススパイスであるガラムマサラ、ベンガル料理に必須の油であるマスタードオイル、青唐辛子を購入。
ベンガル料理LV.1として目をつけていた料理、Alu Sheddho(インド風マッシュポテト)を作るぞ!

Alu Sheddho作り

Alu Sheddhoはめちゃくちゃ単純で、潰したじゃがいもに玉ねぎ、ゆで卵、青唐辛子を混ぜ込んで丸めたもの。
実はガラムマサラのようなスパイスすら必要としない。

完成系はこんな感じ。揚げないコロッケのような見た目。

出典:ベンガル料理が食べたい 石濱匡雄著

今回用意した材料がこれ。
じゃがいも2つ、ゆで卵、玉ねぎ1/4くらい、青唐辛子一本。
本当は赤い玉ねぎが良かったのだけど、玉ねぎがたくさんあったので妥協。
調味料は塩、マスタードオイル、鷹の爪(なかったので七味で代用)。

材料は細かく刻む。玉ねぎが大きくて混ざりにくかった。

マスタードオイルを軽く熱して、七味(本当は鷹の爪)を炒る。

マスタードオイルと七味。和と印が仲良く。

材料を混ぜ合わせ、熱した油を注ぐ。
火傷しないように少し冷ましてからこねれば完成。

完成!塩を入れすぎたのでトマトと一緒に食べるとちょうどいい。

実食!

材料からして8割がたマッシュポテトかポテトサラダなのだけど、マスタードオイルのスパイシーさと青唐辛子のフレッシュな辛味が一気にインドっぽさを演出する。
マスタード✖️じゃがいもなのでドイツっぽさも一瞬よぎるが、辛味がしっかりとインドに連れて行ってくれる。
食べ応えもしっかりあり、おかずの一つとして頼れる存在だと思った。
レシピ本の写真通りカレーの箸休めとしてもきっと優秀なはず。
これは自炊レパートリーの一つとして抱えていてもいいと思う。

次回予告

ひとまず最も簡単そうな一品を作ることに成功した筆者。
だが、せっかく買ったガラムマサラを使っていないことに気づいてしまう。
レシピ本にはパンチフォロンやポピーシードなど、聞いたことすらないスパイスが並ぶ。
そんなわけで、ガラムマサラを使ったなんちゃって簡易版の何かを作ろうかな(負けフラグ)


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